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櫻井海音/PIA SONAR MUSIC FRIDAYインタビュー

「新しい音楽の風を感じながら、リスナーの皆さんと同じ速度で歩いていけるような、そんな番組にしていきたい」

特集連載

第1回

── 1回目の収録を終えて、いかがですか?

久しぶりのラジオだったんで、最初の方は変に緊張してしまいました(笑)。レギュラーのナビゲーターをやるのはひとつの目標だったので、とてもやりがいを感じています。

── ラジオというメディアには馴染みがあったんですか?

そんなにあったわけじゃないんですけど、YouTubeの自分のチャンネルでファンの方々からいただいた質問に答えるというラジオ番組っぽいことをやっていたり、実際にラジオ番組に出演させていただいたりしているうちに、ラジオっていいなって思い始めて、いつか自分でもレギュラーのナビゲーターとして番組をやってみたいなと思うようになっていきました。

── 「いいな」って思うのはどんなところですか?

やっぱり距離の近さを感じます。親近感というか。それは自分がナビゲーターとしてリスナーの皆さんと接する場合もそうですし、あとは自分がリスナーとしてもそうですよね。車の中で聞けたりもしますし。

── 櫻井海音さんがナビゲーターを務める『SONAR MUSIC FRIDAY』では、J-WAVEのSONAR TRAXに選ばれたネクストブレイクの期待が高まるアーティストの方々の魅力を深掘りしていくというコンテンツがあります。記念すべき1回目のゲストは、Sano ibukiさんでした。どのような印象でしたか?

スッと体に入ってくるような透明感とエモーショナル感の両方を感じられる方だなというのがいちばん印象に残りました。SONAR TRAXになっている『pinky swear』のMVも観させていただいたんですけど、セルフプロデュースとは思えないクオリティーで、自分の世界観を押し付けずに気づいたら引き込まれている、という感覚が絶妙でしたね。

── もうひとつのコンテンツとして、週末から翌週にかけて行われる注目のイベントを紹介するというコーナーがありますね。

イベントのお知らせができるというのは本当に幸せなことなんだなと、先ほども収録をしながら思いました。いついつにこんなイベントがあるよっていう情報って、友達との会話のネタにもなったりしますし、このラジオを聴いて偶然知ったイベントに行ってみたらすごく楽しくてファンになったっていうエンタテインメントとの出会いにもなりますし、元気がでますね。

── 今後この番組で楽しみにしたいことはありますか?

やっぱり番組の特徴が、新しい音楽をお届けすることなので、僕自身もリスナーの皆さんと一緒にワクワクしながら知っていけたらいいなと思っています。新しい音楽の風を感じながら、リスナーの皆さんと同じ速度で歩いていけるような、そんな番組にしていきたいですね。

「バンドは、例えて言えば……サービスエリアみたいな感じですかね。すごく大切な場所ですね」

── 音楽を自覚的に聴き始めたきっかけは覚えていますか?

おそらくですけど、小学校5年生か6年生くらいの時に、お下がりのウォークマンをもらったんですよ。そこには前の持ち主が入れていた曲がたくさん入っていて、その中に西野カナさんもあったんです。すごくいいなと思ってよく聴いていたのを覚えていますね。サッカーをやっていたんですけど、遠征のバスの中で聴いたりもしていました。なかなかサッカーをやる男子の中で西野カナさんが好きっていう人はいなかったですけど(笑)。

── バンド活動はいつから始めたんですか?

ドラム自体は中学2年生で始めたんですけど、通っていた学校が一貫教育の学校だったんで、コミュニティーが狭かったんですよ。だからなかなかバンドを一緒にやるような仲間ができなくて。ずっと個人練習をしていましたね。軽音楽部は中学高校とあったんですけど、ひたすら個人練習をしに部活に行く、という感じでした。

それで、高校3年生の時に顧問の先生が、卒業生のボーカリストがドラムのサポートを探しているからって言って紹介してもらったのをきっかけに、いろんなバンドのサポートをやり始めるようになったんです。そこからコミュニティーが広がって、自分でも能動的に活動をするようになって、で、その過程の中で今のバンド(インナージャーニー)に出会いました。でもそれも最初はサポートだったんですよ。

── ちょっと遡ってお訊きしますが、どうしてドラムだったんですか?

中学生になってすぐくらいでバンドの音楽に熱中するようになるんですよ。中でもONE OK ROCKが好きで。それまで小学生の頃に聴いていたソロアーティストの音楽からはあまり想像もつかなかったんですけど、バンドってギター、ベース、ドラム、そしてボーカルといった、音楽の構造がすごく見えやすいじゃないですか。そこにすごく魅かれたんですよね。おそらく自分でもできることがあると思えたんです。それで、ワンオクのライブ映像を観ていたら、とにかくドラムがカッコ良くて、やりたいなと思ったのがきっかけです。

── 独学で?

そうですね。

── そこから高校3年生まで個人練習の日々というのは、相当にストイックですね(笑)。

たしかに(笑)。サッカー選手を目指していたんですけど、その熱が冷めていた時期にドラムに出会って、そのサッカーの情熱を全部ドラムにぶつけていたんですよね。軽音楽部って、スポーツ系の部活とは違って自由参加みたいな感じなんで、みんな行ったり行かなかったりなんですけど、僕はホームルームが終わったら速攻で部室に行ってドラムをひたすら叩く、みたいな感じでした(笑)。毎日のように練習していましたね。授業中もドラムのことばかり考えていました。

── そして、現在活動されているインナージャーニーですが、いい意味でサウンドに緊張感があって、それでいてポップという素晴らしいバンドですね。

ありがとうございます。不揃い感というか、先ほども言ったみたいにまずはサポートから始まってバンドになったというように、最初から「バンドやろう」で集まったメンバーではないからこそ、ああいう音になるのかなという気がしていますね。4人それぞれルーツもバラバラですから。僕がサポートを始めた当初は、ラウド系のかなりコアなところまで突き詰めていたので(笑)、だから最初はボーカルの彼女の作る、ちょっとフォーキーなテイストも入った音楽に抵抗感があったのは事実なんですよ。でも徐々にやっていくうちに彼女の作るものと自分のスタイル、バンドの音楽みたいなものの交わるポイントが見えてくるようになったんですよね。だから、変なバンドだと思います(笑)。

── 櫻井さんにとって、バンドはどういう場所としてありますか?

僕の場合、俳優だったりモデルだったり、個人の活動もある中で、やっぱりバンドは、そうですね、例えて言えば……サービスエリアみたいな感じですかね。俳優として高速に乗っていて、ちょこちょこバンドに寄り道していくような。だからすごく大切な場所ですね。

「僕自身の気持ちとしても、俳優としてその芸事を極めていきたいという意識に変わっていきました」

── 5月にオフィシャルサイトが立ち上がる時に寄せられた文章が印象的でした。「20歳という節目を迎え、俳優として前に進んでいくために」改名を決断された、と。

去年の夏くらいから個人でいろんなことをやるようになって、でも当初は、何をやりたいとかいうのがあまりはっきりしていなくて、すごく曖昧な状態だったんですよね。だからいただいたお仕事に対しては貪欲にチャレンジして、その中で可能性を探っていくというような感じだったんです。

それで、20歳を迎えたタイミングというのもあったし、僕自身の気持ちとしても、俳優としてその芸事を極めていきたいという意識に変わっていきました。なので、バンド活動との差別化をきちんとはかるという意味で、個人活動に関しては「櫻井海音」でやっていこうと決意しました。

── 俳優の仕事にやりがいを感じるようになった、ということでしょうか?

そうですね。はじめは右も左もわからない状態でプロフェッショナルな現場に行って、そこから様々なことを経験させてもらって、徐々に監督さんやプロデューサーさんが求めていることをなんとなくでも自分で表現できるようになってきたという実感が得られた時に、楽しいなって思えたんですよね。でも最初は自分のことで精一杯でしたね。

── 音楽での自己表現と演じることでの自己表現は、まったく違うものですか?

違うものではあるんですけど、似ている部分もすごくあるなと感じています。求められているものを感じ取りつつ、その中に自分自身の表現も入れていくという感覚は、俳優として役をやることも、その曲が求めることを理解してプレイすることも、そこまで違うとは思いません。

── 月9ドラマ「ナイト・ドクター」(フジテレビ系)にご出演されています。どういう現場ですか?

連ドラは初めてと言ってもいいくらいなんですけど、本当にアットホームな現場で、主要キャストの方々もとてもよくしてくださいます。ただただ尊敬できる方たちがたくさんいらっしゃるので、僕はひとつでも多くのものを盗んで帰ろうと思っています。次のステップに進むためのとても大切な場所にいさせてもらっているなと思いますね。

── 新村風太という若い看護師の役を演じてらっしゃいますが、個人的に寄り添える部分というのはありますか?

それこそプロデューサーさんや監督さんとお話しした時に、新村風太というのは、ドクターたちが奮闘してチームになっていく姿を近くで見ながら日々成長していくキャラクターなんだっていうことをおっしゃっていただいて、それって今の俳優としての自分とすごく重なる部分があって、そこをうまくリンクさせながらお芝居をしていければいいなと思っています。だからわりと自然な表現でできていますね。

── これからやってみたいことはありますか?

まずは、俳優と音楽というふたつの軸がきちんとあることは前提で、その上で今回のようにラジオ番組のナビゲーターをやらせていただいたりとか、いろんなお仕事にチャレンジさせていただきたいなと思います。強いて言えば、サッカーのお仕事はしたいですね(笑)。自分で言うのもなんですけど、俳優やってて音楽やっててサッカーもやってる人間ってあんまりいないかなと思うので。来年はワールドカップもありますから、いろんな意味で楽しみにしています!

取材・文:谷岡正浩
撮影:森好弘

プロフィール

櫻井海音

2001年4月13日生まれ 東京都出身 O型
幼少期は有名サッカークラブのジュニアユースチームに所属。バンド”インナージャーニー”のドラマーを担当し、モデルや個人でのInstagramやYouTubeチャンネルを開設するなど幅広く活動をしている。Abema「オオカミくんには騙されない」(2020年)への出演で注目を集め、NHK連続テレビ小説「エール」(2020年)やTBS系「逃げるは恥だが役に立つ」(2021年)などへ出演を重ね、俳優としても活躍。

番組概要

放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:PIA SONAR MUSIC FRIDAY
ナビゲーター:櫻井海音
放送日時:毎週金曜 22:30~23:00
番組HP:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarfriday/
番組twitter:https://twitter.com/SONAR_MUSIC_813
ハッシュタグ:#sonar813
番組LINEアカウント:http://lin.ee/H8QXCjW