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TXT、IVE、JO1らのスペシャルから NewJeansの日本初ステージまで!「KCON 2022 JAPAN」 day2レポ【写真68点】

PMC編集部

第42回

TOMORROW X TOGETHER「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

10月14日(金)から16日(日)の3日間、東京・有明アリーナおよび近隣野外公園にて「KCON 2022 JAPAN」が開催された。現地のショーを訪れた観客約4万1千人のほか、デジタル生中継はのべ220ヶ国・約870万人が視聴したその熱狂を、PMCでは3回に分けてレポート。今回は、2日目となる10月15日の模様をお届けする。

IVE、JO1、TOMORROW X TOGETHER(以下、TXT)、さらに話題の新人NewJeansといった豪華アーティストが顔をそろえ、チケット争奪戦となった2日目。

「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

本編前にはプレショーと題して、本日10月18日からスタートするTBS系ドラマ『君の花になる』の劇中で結成されたボーイズグループ=8LOOM(ブルーム)と、ATEEZの弟分であるKQ Fellaz 2が登場。期待感でパンパンに膨れ上がった会場をフレッシュな魅力で温めた。さらに、360度取り囲まれたセンターステージにTXTがオープニングパフォーマンスとして降臨するサプライズ。黒のレザージャケットをまとったスビン、ヨンジュン、ボムギュ、テヒョン、ヒュニンカイの5人が疾走感あふれるギターサウンドと火花に乗せて「Good Boy Gone Bad」をパフォーマンスすると、観客席からはどよめきにも似た歓声が上がる。

ファン・ミニョン「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

初日に続いて歌手/俳優のファン・ミニョンがMCを務め、「今日もみなさんに夢のような瞬間をプレゼントしたいと思います。Let’s KCON!」と、おなじみの掛け声で開幕宣言。本編トップバッターを飾ったATBOは、韓国初のバランスサバイバルオーディション番組『THE ORIGIN – A, B, Or What?』から誕生した7人組で、ラグォンは「こんなにも大勢のみなさんの前でパフォーマンスするのも、海外のステージに立つのも初めてです!」と感慨深げだ。爆発力のある「Monochrome(color)」、プリンスを彷彿とさせるファンキーなギターサウンドが耳に残る「Graffiti」で会場のボルテージは早くも最高潮である。

ATBO「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved
NewJeans「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

2日目最初のガールズグループとして登場したのは、BTSらが所属するHYBEの新レーベル「ADOR」から7月にデビューしたばかりの5人組NewJeans。90年代フレーバー漂う楽曲のクオリティで洋楽リスナーにもファンの多い彼女たちだが、スポーティな衣装で溌剌と踊る姿はどこを切り取っても青春映画のワンシーンのよう。メンバー別のミュージックビデオ(以下、MV)が公開され話題騒然となった「Hype Boy」では、ステージ上でちょっとした小芝居をはさむ姿もほほえましい、日本初ステージだった。

fromis_9「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

「歴代KCONのうち、もう一度見たいステージ」を再現する「Relay Performance Challenge」のコーナーでは、fromis_9がTWICEの「Alcohol-Free」をカバー。衣装もMVの世界観を忠実に再現しており、トロピカルでリゾート気分漂う原曲への最大限のリスペクトが感じられるパフォーマンスだった。再びミニョンが花道に現れると、隣にはサポートMCとしてIVEの日本人メンバー、レイの姿も。これまで彼女発信でブームのきっかけとなった「ギャルピース」や「ぷにぷにハート」を次々とお披露目し、ミニョンも恥ずかしそうにマネしていたのが印象的だ。

DKZ「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

ファンからの投票企画「ROAD TO KCON」を勝ち抜いて出演決定したDKZは、K-POP第4世代のスーパールーキー。静と動のコントラストが強烈な「Uh-Heung」、銀のステッキを操るダンスが衝撃的な「LUPIN」の2曲をパフォームしたほか、「Z世代POPスペシャル」ではATBOやKQ Fellaz 2と共にNCT 127の「英雄; Kick It」をカバーする一幕も。今や群雄割拠のK-POPだが、先輩アーティストたちの楽曲を満面の笑みで歌い踊る彼らの「いちK-POPファン」である姿が垣間見えるのは、「KCON」ならではかもしれない。

IVE「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved
IVE「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

IVEは、前夜の『ミュージックステーション』を経て日本デビュー直前となる出演だ。X型に伸びた花道から5人のメンバーが中央に集まり、グロリア・ゲイナーの70年代ヒット「I Will Survive」をサンプリングした「After LIKE」を日本初披露すると、あっと言う間に有明アリーナをディスコ空間に染め上げる。IZ*ONEとして2019年の「KCON JAPAN」にも出演経験のあるウォニョンは、「日本のみなさんに会えると思うと本当にうれしくて。みなさんからいただいた応援は幸せな記憶として心に残ると思います」と流暢な日本語であいさつ。続く「ELEVEN」はオリジナルの韓国語バージョンが披露され、その独創的な振り付けと官能的なボーカルで大観衆を魅了した。

JO1「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved
JO1「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

JO1の存在感も忘れがたい。黒の衣装でそろえた11人が横並びになり、超難易度の振り付けが話題の「SuperCali」をなんと韓国語バージョンで初お披露目。初日のINIも「Password」を韓国語で歌っていたが、今年の「KCON JAPAN」は、『PRODUCE 101 JAPAN』より誕生したこの2組がれっきとした“グローバルボーイズグループ”であることを証明する、決意表明のようなステージでもあったのかもしれない。日本語と韓国語が入り乱れるMCでは、背中が大胆に覗くセクシーな衣装を纏った佐藤景瑚が「今日は風邪をひかないようにがんばります!」とあいさつして会場の爆笑をさらっていた。大平祥生の紹介ではじまった「Rose」は、6thシングル『MIDNIGHT SUN』に収録されたナンバーで、これまたライブ初披露。薔薇の花を表現した振り付けと、マシナリーなビートに寸分なくハメていくダンスが壮観だ。観客からのハンドクラップを引き起こした「With Us」を終えると、fromis_9にバトンを渡した。

fromis_9「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

新体制の8人組となったfromis_9は、1曲目の「Rewind」から美しいフォーメーション&ボーカルで魅せる華やかなステージ。ジホンが「日本のファンに会えてとても幸せです」と日本語を交えながら話していたが、コロナ禍で日本での活動がままならなかったこともあり、最後に2020年の日本プレデビュー曲「LOVE BOMB(Japanese ver.)」を披露したのは彼女たちなりのプレゼントだったのだろう。そのキュートな楽曲とハイレベルなパフォーマンスには、周囲からも「かわいい!」と感嘆の声が漏れていた。

IVE「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved
IVE「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

ここでMCのミニョンと共に現れたのは、NewJeansのミンジとJO1の河野純喜。両者がKCON出演への思いを語ると、アーティストとKCON-ers(KCONファンの呼称)がステージ上でコラボする夢の企画「Dream Stage」が開幕し、事前のオーディションで選ばれた50名以上の“Dreamer”とのコラボでIVEが「LOVE DIVE」を披露した。本人たち顔負けのダンスを繰り広げる若者から、ウォニョンのコスプレをした子どもまで参加者はさまざまで、パフォーマンス後は記念撮影も。KCON-ersにとって一生忘れられない思い出となったに違いない。

TOMORROW X TOGETHER「KCON 2022 JAPAN」レッドカーペット。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved
TOMORROW X TOGETHER「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved
TOMORROW X TOGETHER「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

大トリはもちろん、グローバルスターへと駆け上がるTXTだ。今夏7月のソウルを皮切りにキックオフした初の世界ツアー「TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : LOVE SICK> 」においては、アメリカ7都市に加え米シカゴで開催された音楽フェスティバル「Lollapalooza」(ロラパルーザ)にも初出演。日本でも「SUMMER SONIC」の大舞台に登場し、9月には大阪・千葉での単独コンサートを完遂した直後ということもあり、まさに脂の乗り切ったパフォーマンスは圧巻の一言に尽きる。先ほどのワルな雰囲気とは打って変わって耽美なピアノ曲「Opening Sequence」で火蓋を切ったステージは、彼らの現実離れしたビジュアルも相まって異世界のよう。事前にファンから募集したリクエストに応える「Make a Wish」のコーナーでは、スビンがヨンジュンをお姫様抱っこして会場中のMOA(TXTファンの愛称)が悶絶。その後はGReeeeNが書き下ろしたバラード「Ito」と、テヒョン、ヨンジュン、ヒュニンカイの3人がソングライティングに参加した初の日本自作曲「君じゃない誰かの愛し方 (Ring)」を披露する。左右に揺れる無数のペンライトが、有明アリーナを幻想的な空間へ変えていく光景は今でも目に焼き付いているが、ラストを飾った「0X1=LOVESONG(I Know I Love You)」における、刹那でエモーショナルな絶唱もすばらしかった。TXTは今後、フィリピン・マニラとタイ・バンコクでの公演も控えているだけに、ベストコンディションの彼らを堪能できたKCON-ersはラッキーだ。

初日と同様にフィナーレでは全出演アーティストがステージに再登場し、360度全方位の観客と交流。「KCON」のシグネチャーソング「POPPIA」が爆音で鳴り響く中、MCミニョンの「Let's KCON!」の掛け声で2日目を終えた。

取材・文=Kohei UENO

「KCON 2022 JAPAN」。(c)CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved

2022年10月15日
「KCON 2022 JAPAN」

セットリスト
▼Opening Performance
TOMORROW X TOGETHER「Good Boy Gone Bad」

▼ATBO
「Monochrome (Color)」
「Graffiti」

▼NewJeans
「Attention」
「Hype Boy」

▼fromis_9
「Alcohol-Free」(原曲:TWICE)

▼DKZ
「Uh-Heung」
「LUPIN」

▼IVE
「After LIKE」
「ELEVEN」

▼Z世代 POP スペシャル
DKZ & ATBO & KQ Fellaz 2「英雄; Kick It」(原曲:NCT 127)

▼JO1
「SuperCali -KOR ver.-」
「Rose」
「With Us」

▼fromis_9
「Rewind」
「Airplane Mode」
「LOVE BOMB -JP ver.-」

▼ドリームステージ
IVE「LOVE DIVE」

▼TOMORROW X TOGETHER
「Opening Sequence 」
「Ito」
「君じゃない誰かの愛し方(Ring)」
「0X1=LOVESONG(I Know I Love You) 」

▼エンディング
「Signature Song」