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音楽専門誌『ぴあMUSIC COMPLEX』連動企画

BAND-MAID、10周年イヤーへの完璧な幕開け! BAND-MAID TOKYO GARDEN THEATER OKYUJIレポート

PMC編集部

第54回

「BAND-MAID TOKYO GARDEN THEATER OKYUJI」2023年1月9日(月祝) ・東京ガーデンシアター Photo by MASANORI FUJIKAWA

2023年1月9日。正月気分も明けきらぬ、三連休の最終日。5人組ロックバンドBAND-MAIDが東京ガーデンシアターにて、10周年という大切なメモリアルイヤーの幕を開けた。

昨年は2万人超を動員した全米ツアーを行い、日本のみならず、海外でも高い支持を得ているBAND-MAID。今回のお給仕(ライブ)の会場となった東京ガーデンシアターは、最大収容人数約8,000人を誇る日本最大の劇場型イベントホールであるが、チケットは見事ソールドアウト。海外からご帰宅の「ご主人様・お嬢様」(BAND-MAIDファンの総称)の姿もかなり見え、その人気が本物であることを示していた。

定刻を過ぎると、幻想的なSEが鳴り響き、バルコニー席まで埋め尽くされたご主人様・お嬢様は、割れんばかりの手拍子でメンバーを迎える。グリーンのレーザーライトが客席の期待をあおると、トレードマークのメイド風の衣装を身にまとった、小鳩ミク(G&Vo)、SAIKI(Vo)、KANAMI(G)、AKANE(Dr)、MISA(B)の5人が現れる。

小鳩ミク(G&Vo)
SAIKI(Vo)
KANAMI(G)

セットリストの1曲目は、彼女たちの最新EP『Unleash』からの超キラーチュン「Unleash!!!!!」。開始早々に、その楽曲のワード“unleash”の通り、感情を解き放ち、会場全体のボルテージを一気に爆発させる。激情的なエモーションでShowtimeの訪れを告げた彼女たちは、SAIKIの「来たぞ!ガーデンシアター!騒げー!」という合図と共に、間髪入れずにお給仕での定番曲「Play」へとつなげていく。AKANEの生み出すパワフルなビートに、MISAのまるで縦横無尽なベースラインとKANAMIのメロディアスなギターフレーズが乗り、そこに小鳩ミクとSAIKIによるタイプの違う歌声が絡み合う。BAND-MAIDは開始数曲で、広い東京ガーデンシアターを完全に自分たちの色に征服しきっていた。

AKANE(Dr)
MISA(B)

圧巻の演奏で、最初のブロックを終えると、小鳩ミクによる短いMCをはさむ。この日のお給仕は久しぶりに部分的ではあるが声出し可能な公演ということで、練習がてら小鳩の挨拶である「くるっぽー!」を全員で叫ぶシーンも見られた。会場中に響き渡る「くるっぽー!」の合唱は、もはや小さな鳩というレベルではなく、巨大な鷹や鷲の鳴き声のようだった。

お給仕はさらに「DOMINATION」、「H-G-K」と続き、会場の熱をガンガン上げていく。この日のセットリストは、お給仕では披露する機会の少なかった昨年9月にリリースされた『Unleash』に収録されている楽曲を軸に構成。そのどれもがお給仕映えするハイカロリーなものである。BAND-MAIDの楽器隊の真髄を感じさせるインスト曲「from now on」や、サビを大絶叫したくなる「HATE?」などは、間違いなくこれからのBAND-MAIDのお給仕の定番となりそうな予感がする。その一方で、これまで何度も披露し続けてきた曲もそこかしこに散りばめられていた。その新旧織り交ぜたその楽曲群は10周年の一発目のお給仕に相応しく、バンドの歴史を感じさせるものだった。

ご主人様・お嬢様からすると周知の事実ではあるが、BAND-MAIDというバンドの魅力は、そのパフォーマンス力の高さにある。メンバーそれぞれの卓越した演奏技術や歌唱力はさることながら、プレイ中の佇まいや立ち姿に至るまで、見るものを虜にしていく。しかし、ハードでアグレッシブな演奏を行いながらも、彼女たちは時折笑顔を見せながら、音楽の楽しさを伝えることを忘れてはいない。クールなパフォーマンスとのギャップがご主人様・お嬢様の心を掴んで離さないのだ。

ギャップといえば、BAND-MAIDのお給仕はとにかくMCの時間がまったりしている。演奏中の痺れるようなスリリングな気迫は、いったいどこにいったのかと言うほど、緊張と緩和の高低差にやられてしまう。MCをしている小鳩ミクの話そっちのけで、背後でKANAMIが他のメンバーとひそひそ楽しげに話をすることもあれば、ふと踊り出したりもするマイペースさ。しかし、そのあまりにもピースフルな空間を作り出せるのは、BAND-MAIDというバンドにしかできない唯一無二の魅力のひとつなのだと思う。そして、そのパーソナルな部分が見えるからこそ、演奏に戻ったときのギャップにやられたりもするのだ。

この日のお給仕で特に印象的だったのは、声出し可能な公演に対して、メンバーの喜びがあふれていたところだ。全米ツアーを回ってきたBAND-MAIDにとって、日本で声出し可能な公演を行うことは大きな意味を持つ。海外でのお給仕を通して、ご主人様・お嬢様の声を耳にしてきた彼女たちは、オーディエンスが声を出せないことへのもどかしさを抱え、それと同時に客席から声が聴こえることの重要性を痛感していたのだと思う。今日のお給仕では、その喜びを爆発させるかの如く、SAIKIはあおり続けていたし、客席もそれに呼応するように拳をあげて雄叫びをあげていた。また、BAND-MAID名物の小鳩のおまじないタイムでは、久しぶりの「萌え萌え!きゅんきゅ~ん!」のコール&レスポンスが楽し過ぎたのか、最終的には小鳩が「ぴょん」と干支のウサギにちなんだ決めポーズをとるというやりすぎ(!?)ハプニングまで飛び出していたことも忘れられない。ステージと客席の一体感があるからこそお給仕は楽しいのだということを、BAND-MAIDは思い出させてくれたのだ。

お給仕の中盤、BAND-MAIDは初披露の新曲「Memorable」をプレイした。この曲はこれまで彼女たちが積極的には挑戦してこなかった、10周年の集大成となるようなバラードである。KANAMIの泣きのギターソロが印象的なその優しい楽曲は、まるで祈りのように心に響いてくる。10周年というこの年に、なおも挑戦を続けるBAND-MAID。新章にむけて、もっとすごいものを見せてくれるに違いないという期待が胸に広がった。

彼女たちはラストの「Choose me」まで、予定調和のアンコールもなく、全26曲を駆け抜けて終演を迎えた。まさに圧巻だった。BAND-MAIDのお給仕は、常に轟音の渦の中に巻き込まれているような怒涛のステージなのだが、それが不思議と心地良く感じられる。3時間近くも音を浴び続けていたにもかかわらず、終わるのが名残惜しかった。この感覚は、BAND-MAIDのお給仕でしか味わうことのできない感覚だ。

メンバーがステージからいなくなったあと、暗転したスクリーンに映し出されたのは「BAND-MAID 10TH ANNIVERSARY TOUR開催決定!」の文字。「3月より日本各地で開催。5月、8月 全米開催。全米大型フェス続々出演決定」という続報が流れる中、最後に現れたのは、「2023年 BAND-MAID 10TH ANNIVERSARY TOUR FINAL 横浜アリーナ」という大きな大きなお知らせだった。BAND-MAIDの10周年イヤーはまだまだはじまったばかり。2023年は間違いなく、BAND-MAIDの年になる。

取材・文=ニシダケン  Photo by MASANORI FUJIKAWA

「BAND-MAID TOKYO GARDEN THEATER OKYUJI」

2023年1月9日(月祝)・東京ガーデンシアター

セットリスト

01. Unleash!!!!!
02. Play 〜session〜
03. Influencer
04. BLACK HOLE
05. DOMINATION
06. H-G-K
07. the non-fiction days
08. I’ll
〜session〜
09. I still seek revenge.
10. alone
11. onset
12. サヨナキドリ
13. Sense
14. 火花
15. Corallium
16. about Us
〜interlude
17. Memorable
18. Manners
19. Puzzle
〜session〜
20. HATE?
21. from now on
22. Balance
23. After Life
24. endless Story
〜session〜
25. NO GOD
26. Choose me

「BAND-MAID TOKYO GARDEN THEATER OKYUJI」

2023年1月9日(月祝)・東京ガーデンシアター
公演詳細:
https://bandmaid.tokyo/contents/534358
※ロングアーカイブ含む配信チケット発売中

BAND-MAID 10TH ANNIVERSARY TOUR

https://bandmaid.tokyo/contents/609624

3月23日(木) 熊本・熊本B.9 V1
3月25日(土) 鹿児島・CAPARVO HALL
3月26日(日) 福岡・DRUM LOGOS
4月21日(水) 兵庫・神戸Harbor Studio
4月22日(土) 京都・KBS HALL
4月24日(月) 大阪・BIG CAT
7月3日(土) 東京・Zepp Shinjuku
7月9日(日) 新潟・NIIGATA LOTS
7月15日(土) 静岡・LIVE ROXY SHIZUOKA
7月19日(水) 神奈川・CLUB CITTA'
9月2日(土) 長野・長野CLUB JUNK BOX
9月3日(日) 石川・金沢EIGHT HALL
9月22日(金) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
9月23日(土) 広島・ 広島CLUB QUATTRO
9月30日(土) 香川・高松MONSTER
10月1日(日) 愛媛・松山サロンキティ
10月7日(土) 秋田・Club SWINDLE
10月9日(月祝) 宮城・SENDAI GIGS
10月13日(金) 北海道・ペニーレーン24
10月15日(土) 北海道・小樽GOLDSTONE
10月20日(金) 大阪・なんばHatch
10月25日(水) 愛知・DIAMOND HALL
11月26日(日) 神奈川・横浜アリーナ

お盟主様抽選先行チケット(ファンクラブ抽選先行受付)
(3月23日 熊本B9.V1~7月19日 神奈川・CLUB CITTA'公演までの受付)
国内お盟主様抽選先行チケット受付
受付期間:1月9日(月祝) 21:00〜1月15日(日) 23:59
https://bandmaid.tokyo/contents/609626

海外お盟主様抽選先行チケット受付(海外居住の方のみ、英語)
受付期間:1月12日(木) 13:00〜1月15日(日) 23:59
https://bandmaid.tokyo/contents/609627

WELCOME TO ROCKVILLE 2023

開催日程:2023年5月18日~22日 ※米現地時間
https://welcometorockville.com/

Sonic Temple Art & Music Festival

開催日程:2023年5月25日~28日 ※米現地時間
https://sonictemplefestival.com/