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音楽専門誌『ぴあMUSIC COMPLEX』連動企画

ONE OK ROCKが6大ドームツアーを完走!東京ドーム公演のライブレポートをお届け

PMC編集部

第87回

Photo:MASANORI FUJIKAWA

5月13日、ONE OK ROCKが北海道・札幌ドーム公演を開催し、6ヶ所11公演のドームツアー「ONE OK ROCK 2023 LUXURY DISEASE JAPAN TOUR」を完走した。

▼ドームツア「ONE OK ROCK 2023 LUXURY DISEASE JAPAN TOUR」とは?
・約3年ぶり、10枚目のアルバム『Luxury Disease』を携えたツアー
・約5年ぶり2度目となるドームツアー
・6大ドーム全11公演で約40万人を動員
・2023.1.28・29 愛知・バンテリンドーム ナゴヤ
・2023.2.4・5 福岡・福岡PayPayドーム
・2023.2.11・12 大阪・京セラドーム大阪
・2023.4.4・5 東京・東京ドーム
・2023.4.22・23 埼玉・ベルーナドーム
・2023.5.13 北海道・札幌ドーム

ドームツアーは東京、大阪、愛知、福岡で開催した「ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR」以来。今回は、埼玉での開催に加え、追加公演として発表した札幌を含む6大ドームツアーとして規模を拡大。先の4大ドームに札幌を組み込んだ5大ドームツアーというのは、バンドではほとんど例がないが、彼ら自身約3年ぶりのツアーであり、より多くの人に観てもらいたいという思いがあった。2022年9月9日にアルバム『Luxury Disease』を世界同時発売し、アメリカツアー「LUXURY DISEASE NORTH AMERICA 2022」を終え、彼らが準備したのは、自らの記録も超える日本最大級のドームツアーだった。ここでは、4月4日の東京ドーム公演をレポートする。

▼4月4日東京ドーム公演

ONE OK ROCKにとって5年ぶりの東京ドームだ。ステージ後方の巨大なLEDに地平線のような線が形を変え、球体が映し出される。京セラドーム大阪公演後、1ヶ月間、MUSEの北米ツアー「WILL OF THE PEOPLE WORLD TOUR 2023」にゲストアクトとして参加し、再び戻ってきたばかり。世界を行き来する今のONE OK ROCKに似合うオープニングで、スケールを感じさせる「Wonder」のイントロが期待を高める。客席はざわざわと活気があり、はやるように手拍子が起きていた。ステージ中央に構えるドラムのTOMOYAにスポットがあたり、会場後方からそれぞれベースRyotaとギターToruが登場し、メインステージへと向かう。メインステージから花道でつながるセンターステージにTakaと思われるシルエットが見えたのだが、フェイクだったのか!? アリーナ上手の客席通路からマスクを脱ぎ捨て、ボーカルのTakaが登場する。そのサプライズに会場中が騒然となる中、“COMPLETE ONE OK ROCK”、ステージに4人がそろった。

「帰ってきたぞ、東京ドーム!」

「Wonder」では、いきなりステージの端から端までパイロがあがりまくる。センターステージに出てくると、「かかってこい」と両手広げるTaka。「声聴かせろ!東京ドーム!」「聴こえないぞー!」とあおるのだが、続く「Save Yourself」でも大合唱が起きていた。筆者は「SUMMER SONIC 2022」以来の彼らのライブだったが、そのときはまだコンサートにおける声出しの規制があり、この日の東京ドーム中に気兼ねなく響き渡る声援・合唱は、「ああ、これぞONE OK ROCKのライブだ!」とコロナ前が思い出され感慨深い。「もっとこいよー」合唱の声がどんどん大きくなっていき、4人も躍動する。「アンサイズニア」では、<Come on! Come on!!>と、これまでのフラストレーションを爆発させるようなようなエネルギーで、早くも一体感が生まれていた。

Photo:MASAHIRO YAMADA

「Let Me Let You Go」では入場時観客に配られたシンクロライトで、会場が赤や青など、カラフルな光で染まり、美しい。楽曲のポップネスとも相まってドームの空間が華やぐ。『Luxury Disease』の楽曲群も見事な浸透っぷりだった。Tomoya、Ryota、今回のツアーに参加しているGakushi(キーボード)、そしてToruのソロをリレーするのだが、ギターソロを終えるところで、TakaがToruの肩に手をまわして歌うエモーショナルなシーンも見られ、客席から「やばい!」の声も聞こえてきた。

一転、「Clock Strikes」のイントロがはじまるとざわめきがおき、ブルーと紫のクールカラーで染まる。Takaはイヤモニを外して、会場の声援を聞いていたが、センターステージに出てきて、ロングトーンを長く長く響き渡らせた。ゴスペル隊のような客席からの合唱とバンドサウンドとが重なり、どんどん大きくなっていく。ライブ序盤からクライマックスのように迫ってくる。

Photo:MASAHIRO YAMADA

「東京、久しぶり。みなさん元気ですか! この景色を観たくて観たくて、数年間うずうずしていました。あたりまえじゃない光景。みんなきてくれてありがとう。バチバチにやっていくんで楽しんでください!」(Toru)

「前回東京ドームやったとき、人の多さに圧倒されて楽しめないまま終わった。でも今日はめちゃくちゃ楽しい。この瞬間を楽しんでる! 最高の思い出を作りたいので、最後までよろしく!」(Ryota)

「5年ぶりのドームツアー。5年前の俺らは未熟な部分があって、いっぱいいっぱいのまま終わって、ちょっと悔しいライブだった。でも、今日はめちゃくちゃ楽しいです。この調子で最後までいけますか? 東京いけるかー!」(Tomoya)

「東京のみなさん、お久しぶりです。ONE OK ROCKです。東京ドーム魔物がいすぎて。嗚咽が出るまで泣いたのを覚えている因縁の場所に、コロナ明けで帰ってきて、心がざわざわしている。今日は、楽しいセットリストを持ってきています。何が起きるかわからない感じが漂っているけど、スペシャルなライブを味わってもらいたい」(Taka)

メジャー1stアルバム『ゼイタクビョウ』より人気曲「カゲロウ」のイントロが流れ始めると、大きな手拍子が起き、頭から大合唱になる。2022年9月リリースの最新アルバム『Luxury Disease』はこの1stアルバムのタイトルを英訳したものであるが、手探りで海外活動をはじめ、地道に積み重ねてきた経験と強固な人脈を作った上で、やっと本来のスタート地点に立ったと勝負に出るロックアルバムだ。

Photo:MASAHIRO YAMADA

改めてバンドの出自や個性を見つめ、出会った作家陣との新たなチャレンジに満ちたコライトで全ての曲がエネルギーを放っている。セットリストは紛れもなく『Luxury Disease』のツアーなのだが、3年ぶりのツアーであることもあいまって、「カゲロウ」をはじめ効果的に新旧織り交ぜられていた。歌・楽曲・バンドが、スタジアムバンドとして明らかな進化をみせているのだが、彼らのマインドは地続きであることがよくわかる。Takaは、帯同するMUSEのツアーよりトロントの楽屋から配信していたインスタライブで、海外活動が上昇気流に入った今を「ここから広がっていくんだろうな」という手応えとして、日本で「完全感覚Dreamer」を出したときの感じに近いと語っていたことを思いだした。

音楽を信じた人生を振り返り、10代の自分に語りかけるような「Mad World」では、フラストレーションを吹き飛ばすように、エネルギッシュに動きまくる。赤と黒のコントラストで「WE LIVING IN MAD WORLD」が映し出されるのだが、世界中に自分たちのロックを届けている今を強力に伝えていた。

Toruのギターリフがクールにはじまる「Vandalize」、さらに、コロナ禍のつらかったすべてを曲に込めたという「So Far Gone」のメロディとギターの音が心を掴み、美しく響きわたる。「Heartache」からの「Gravity」もそうだが、ミディアムテンポの壮大な曲を聴かせるボーカル力とサウンドはロックバンドにとって大きな武器だ。インストパートでも、妖艶なToruのギターソロからハードに展開し、RyotaとTomoyaの太いリズム隊にキーボードが加わり、迫り来る。Takaが下手から登場し、Panic! At The Discoのブレンドンが制作に参加する「Neon」ではコーラスが映える劇的なロックオペラとして新鮮だったし、バキバキのレーザー演出がハマっていた「Deeper Deeper」では、会場が揺れていた。エド・シーランと制作した「Renegades」になだれ込み、荘厳な雰囲気の中、序盤にも増して大合唱が起きていた。

Photo:Rui Hashimoto [SOUND SHOOTER]
Photo:cazrowAoki

心からの感謝とこの何年間か、誰もが大変な思いをしてずっと生きてきたことをねぎらい、さらにいまだある世の矛盾や人との距離について語り始めたTaka。
「人生って一本の紐みたいだなって感じさせられた瞬間があった。日本の未来は、片結びばかり作る人生がすべてじゃない。10代の子たちに向けて、わかりきってる間違いだらけの世界でも、一筋の光を信じて。ときにほどいて、ゆるめて、愛と勇気を持つ。僕らもそういうバンドでありたいし、いろんな人にいろんな国にいって、音楽を届けたいと思います。世界中が暗くなっちゃったけど、世の中を照らしていってほしいなと。そんな人たちを応援できるようにこれからもがんばっていきます。みなさんも明日に光がさすように、気持ちを込めて歌いたいと思います」とロックバラードの「Your Tears are Mine」へ。会場中がTakaの歌声に聴き入った。

後半戦、「The Beginning」ではRyotaもToruもステージサイドまで行き、ファンに向かってプレイする。Takaは花道から客席側に降りたかと思うと、センターステージまで駆けていき、「キミシダイ列車」へ。その大合唱に「おまえら、最高だよ!」とTaka。Ryotaの最高の笑顔も映像に抜かれていたが、メンバー4人がストレートに大映しになったときの迫力とオーラがすごい。

Photo:Kazushi Hamano

「まっすぐ年重ねたらなんにも怖くない。ロックンロールってそういうものでしょ。やり続けることでしょう。この景色を信じていました。集まってくれて幸せです。恐れないで、自分を信じて、流されないで、まっすぐ生きて!これからも僕らはそうやって生きていきます!」

ブルーの光で染まった「We are」では、お馴染みの大合唱となり、再び地鳴りが起きる。本編ラストの「Wasted Nights」では、「明日がある。必ず訪れる明日がある」というメッセージとともに、センターステージにいるTakaは、星空の中に浮かび上がっているように見えて実に幻想的だった。東京ドームが、そこにいる全員で奏でられる音楽で満たされる最高の空間になっていた。Takaと約5万人の歌声、そして、バンドのグルーブが星空の中に響き渡る。Takaは涙ぐんでいた。耳に手をあて、声を聴こうとしていた姿が印象的だった。

アンコールは、クイーンを彷彿させるロックオペラ「When They Turn the Lights On」からお馴染みの「Stand Out Fit In」で締めくくった。これまでのバンドの歩みや、これぞONE OK ROCKというオーディエンスを巻き込み、一体化するステージはもとより、『Luxury Disease』で拡張したONE OK ROCKの魅力が余すことなく届けられるという、まさにタイトル通りの東京ドームだった。

その後、ベルーナドームもやりきり、ファイナルの札幌ドームを迎えた彼ら。6月から自身のヨーロッパツアーに加え、MUSEのヨーロッパスタジアムツアーにも帯同することが決定している。スタジアムで鳴らすロックサウンドとして、さらに多彩な表現をものにし、世界のロックシーンで、かつての日本でそうだったように特異な存在として新風を吹かせるのではないだろうか。

Photo:Rui Hashimoto [SOUND SHOOTER]

<公演情報>
「ONE OK ROCK 2023 LUXURY DISEASE JAPAN TOUR」

2023年4月4日東京・東京ドーム

セットリスト

01. Wonder
02. Save Yourself
03. アンサイズニア
04. Let Me Let You Go
05. Clock Strikes
06. カゲロウ
07. Mad World
08. Vandalize
09. So Far Gone
10. Heartache
11. Gravity
12. 【INST】
13. Neon
14. Deeper Deeper
15. Renegades
16. Your Tears are Mine
17. The Beginning
18. キミシダイ列車
19. the same as…
20. We are
21. Wasted Nights
- ENCORE -
22. When They Turn the Lights On
23. Stand Out Fit In

<ライブ配信情報>
ONE OK ROCK 2023 LUXURY DISEASE JAPAN TOUR - Global Livestream

2023年6月3日(土) START 19:00(日本時間)
※アーカイブあり(6月3日19:00からの配信終了後〜6月4日23:59まで)

詳細・視聴・チケット購入:ONE OK ROCK Official Live Streaming Site
URL:
https://liveship.tokyo/oneokrock2023JapanTour/

<ライブ情報>
ONE OK ROCK 2023 LUXURY DISEASE JAPAN TOUR

2023/01/28 愛知県 バンテリンドーム ナゴヤ
2023/01/29 愛知県 バンテリンドーム ナゴヤ
2023/02/04 福岡県 福岡PayPayドーム
2023/02/05 福岡県 福岡PayPayドーム
2023/02/11 大阪府 京セラドーム大阪
2023/02/12 大阪府 京セラドーム大阪
2023/04/04 東京都 東京ドーム
2023/04/05 東京都 東京ドーム
2023/04/22 埼玉県 ベルーナドーム
2023/04/23 埼玉県 ベルーナドーム
2023/05/13 北海道 札幌ドーム

LUXURY DISEASE TOUR EUROPE 2023

2023/06/03 Wiener Neustadt, AT – Stadion Openair *
2023/06/04 Prague, CZ – Lucerna Music Bar #
2023/06/06 Hannover, DE – Capitol #
2023/06/07 The Hague, NL – Malieveld *
2023/06/09 Cologne, DE – RheinEnergie Stadion *
2023/06/10 Berlin, DE – Columbiahalle #
2023/06/29 Bordeaux, FR – Matmut Atlantique *
2023/07/01 London, UK – Eventim Apollo #
2023/07/03 Barcelona, ES – Razzmatazz 1 #
2023/07/04 Santander, ES – Estadio De El Sardinero *
2023/07/06 Nancy, FR – Nancy Open Air *
2023/07/07 Paris, FR – Elysee Montmartre #
2023/07/08 Paris, FR – Stade de France *
2023/07/09 Strasbourg, FR – La Laiterie #
2023/07/11 Zurich, CH – Xtra #
2023/07/12 Bern, CH – Bernexpo Areal Openair *
2023/07/15 Marseille, FR – Orange Velodrome *
2023/07/18 Rome, IT – Stadio Olimpico *
2023/07/20 Florence, IT – Ultravox #
2023/07/21 Milan, IT – Santeria Toscana #
2023/07/22 Milan, IT – Stadio San Siro *

# Headline Shows
* MUSE WILL OF THE PEOPLE EUROPE TOUR 2023