音楽専門誌『ぴあMUSIC COMPLEX』連動企画

FRUITS ZIPPER、3周年のお祝いライブで東京ドーム公演をサプライズ発表【写真35点】

PMC編集部

第224回

(Photo:伊藤由圭)

8月2・3日の2日にわたって「さいたまスーパーアリーナ25周年 FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超超超めでたいライブ -さん-」と題して公演を行い、3日公演のアンコールの際、来年2月1日(日) に初めての東京ドーム公演が決定したことが発表された。同公演直前には記者会見が行われメンバーが登壇。しかし、この東京ドーム公演の決定は会見タイミングにはメンバーに知らされておらず、今回の公演やアジアツアーなど今後の展望について語ってくれた。まずは、記者会見の模様から伝えるとともに、ライブまで伝える。

公演でも着用していたレインボーホログラムにパニエで大きく膨らませたスカート、その上をビジューを編んだチェーンであしらった衣装で登場し、真中まなが「いつもは7人で活動しているんですけど」と前置きしつつ(月足天音が体調不良にて欠席)、「全力で、6人が見せられる精一杯をお見せするので、ぜひぜひ最後まで楽しんでいただけたらと思います」と言うと、メンバー全員で深々とお辞儀。質疑応答が行われた。

Q. 今年デビュー3周年を迎えました。ここまでを振り返っていかがですか。

櫻井優衣 日ごろから関係者のみなさま、そしてファンのみなさま、たくさんの方々に支えられて、愛されているグループだなと感じております。SSA(さいたまスーパーアリーナ)に立って、よりそれを強く実感させていただいて、本当に感謝しています。私はデビューする前にこのメンバーと会ったとき、このメンバーだったら絶対大きくなっていけるなって思ったんですけど、その尊敬の気持ちもSSAを通してより強く感じました。みんなでこうしてSSAに立てたことがすごくうれしかったです。

仲川瑠夏 3年間を振り返ると、すごく長いようであっという間な、すごく不思議な感覚なんですけど。まず私たちがデビューしたのが恵比寿CreAto(クレアート)という150人ぐらいのお客さんが入る場所でした。そこから3年間でさいたまスーパーアリーナのスタジアムモードで2デイズを行えるなんて夢にも思っていませんでした。みんなで目標にはしてたけど、最初のころの目標にさいたまスーパーアリーナっていう目標は出てこなかったので……。こうやってたくさんの人に応援されて、私たちのよさを届けようという気持ちがどんどん大きくなりました。ここまで来たからにはもっともっと日本のみんなを元気にしたいなっていう気持ちもあるし、これからは世界のみんなにもFRUITS ZIPPERのよさを伝えていきたいです。FRUITS ZIPPERはパワーがあって、エネルギーがあるグループだなって個人的に的に感じていて。メンバーそれぞれめちゃくちゃ運がいいと思うんです。それをいつもパフォーマンスしてて感じるので、たくさんもっともっといろんな人たちにFRUITS ZIPPERのことを知ってもらって、みんなが幸せになってもらえたらいいなって思うので、これからももっともっと先を見てがんばっていきたいと思います。

仲川瑠夏(Photo:伊藤由圭)

Q.台北、上海、ソウルで行われる初のアジアツアーが発表になりました。

早瀬ノエル 私たち、デビュー当初から「原宿から世界へ」をコンセプトとして掲げていたので、今回こうやってアジアツアーとして3か所に回れることが本当に本当にうれしいです。今回のこのツアーがいずれワールドツアーにつながって、まだみんなが行ったことのない場所に行けたらいいなと思っていますし、「コーチェラ」とか海外の音楽フェスに出演できるようにがんばりたいと思います。

Q. 昨日配信がはじまった新曲「ピポパポ」、「ふるっぱーりー!」について、注目ポイントは?

真中まな 私たちは今までいろんな楽曲を出してきて、3年間いろんな一面をお見せしてきたんですけれども、さらに新たな一面を見せられたらいいなという思いで作っていただいた曲になります。どちらの曲もライブで楽しめる曲になっていて。コールアンドレスポンスはもちろん、曲中でお名前をたくさん呼んだりとか、一緒に叫べるようなところもたくさんあります。ぜひぜひライブの予習として配信でたくさん聴いていただいて、実際にライブに足を運んでいただいて、一緒に楽しんでいただけたらうれしいなと思っています。夏フェスとかでもたくさん盛り上げられたらいいなと思っているので、これからたくさん愛していただけるようにがんばって歌います。

真中まな(Photo:伊藤由圭)

Q. 今後の活動や目標は?

松本かれん 今後の目標は、年末に紅白歌合戦に出たいです!

鎮西寿々歌 かれんが言ってくれたことは最短の今年の目標になるんですけど、日本レコード大賞の最優作品賞であったり、東京ドームでの私たちの単独ライブをやりたいです。そして、さらなる世界進出というのを通して日本一、世界一、宇宙一のアイドルになりたいです。

松本かれん(Photo:伊藤由圭)
鎮西寿々歌(Photo:伊藤由圭)

Q.アジアツアーに向けて準備していること、楽しみにしていることは?

真中まな プライベートな話でもいいですか。私はテーマパークが大好きなので、上海に行ったらディズニーランドに行きたいです。世界中のディズニーにはけっこう行っているんですけど、まだ上海のディズニーランドには行ったたことがないので、遊びに行けたらいいなっていう妄想を日々ふくらませています(笑)。

櫻井優衣 日ごろからSNSでファンの方が自分たちの言葉で伝えてくれたりするの見ているので、やっと会いに行けるんだなっていう気持ちが強いです。プライベートで言うと、韓国が初めて旅行で行ったところなんですね。なので、またお買い物とかできたらいいなって思っています。

櫻井優衣(Photo:伊藤由圭)

松本かれん 韓国公演には日本のお友だちもみんなで観に来てくれるので楽しみだし、がんばらなきゃって思っています。

鎮西寿々歌 私も友だちが韓国に観に来てくれるから、かれんの友だちと私の友だちが友だち同士になってくれたらって思ったりしています。韓国のアイドルさんで推しがいるので聖地巡礼したりとか、モチベを上げるために韓国の恋愛リアリティ番組を観たりしています(笑)。

仲川瑠夏 台北は以前、FRUITS ZIPPERでも何度か行かせていただいたので、台北のファンの方と会えるのがすごい楽しみだなってことと。上海は初めて行くからどんな街なんだろうって調べて、観光地に行ったり、そういう楽しみもできたらいいなって思っています。あと、まなふぃ(真中まな)と一緒に上海ディズニーランドに行けたらいいなと思ったり……。ソウルには私が留学していたときにできた韓国の友だちがいるから、初めてライブに誘ってみようかなっていうのと。あとは最近、韓ドラを観はじめてから「オットッケー」とか「サランヘヨ」とか韓国風のイントネーションを真似て、練習しています。こっちにも韓国の友だちがいるので、韓国語を教えてって予約してます。

早瀬ノエル 私は昨日で82日連続勉強しました! Duolingoという語学学習アプリがあるんですけど、それを続けていると炎マークがつくんですよ。それをどうしても保ちたくてがんばっています。

早瀬ノエル(Photo:伊藤由圭)

Q.さいたまスーパーアリーナのスタジアムモードはかなり大きいと思いますが、そこにお客さんがいっぱい詰まった光景はどう見えましたか。

真中まな 今までで1番大きな会場で、たくさんの方が入っていただけるということで、素晴らしい光景でした。今回、ペンライトが座席で制御できるようになって、私たちの登場シーンで名前がアルファベットで映し出されたり、そういう初めての試みがありました。今回、マンションの4階ぐらいの高さから登場するんですけど、そこから(名前を)見たとき、こういうことまでできるようになったんだなと思って。ファンのみなさんも事前に(ペンライトを)登録して、準備して待ってくれていたんだなというのが伝わって、とってもうれしい気持ちになりました。

仲川瑠夏 緊張感もあったっちゃあったんですけど、でも緊張よりも楽しいが勝っていて。今回、私たちでこういうライブにしたいよねってたくさん話し合って、セットリストも一緒に考えさせてもらいました。演出もメンバーのやりたいことをすごく盛り込んだライブだったので、自分たちのやりたいことがやれたっていうことで、パフォーマンスも心の底から楽しめました。

Q.ライブのどんなところにみなさんの意見が反映されていますか。

早瀬ノエル 昨日ライブをしていて個人的にすごくテンションが上がったところなんですけど、けっこう黒い衣装を着るんですよ。それが私たちは初めてで。かっこいい曲をかっこいい服で踊るっていうのがすっごく楽しくて。それを今回みんなでやりたいって言えて、実現できて本当にうれしかったです。

鎮西寿々歌 今回、かっこいい曲を重ねたあとダンスブレイクを入れているんですよ。「いつかダンスブレイクを入れたいね」ってメンバーとは話し合っていたんですけど、「ここじゃない!?」ってことで今回入れていただいて。それぞれにスポットが当たる中で1人ずつ踊るというのがかっこよくて、会場も盛り上がったし、演出としてメリハリが出たと思います。逆に、かわいいメドレーの時間もあるんですよ。今回のセットリストには入り切らない曲がその時点でいくつかあったんですけど、やっぱり3周年ライブだし、私たちの楽曲は本当にいい曲ばかりなので、少しでもファンのみなさんに聴いてほしいという思いがあって、かわいい曲をメドレーにして多めに入れてみました。かわいさとかっこよさ、大人っぽさもあって、いろんなFRUITS ZIPPERを見せられたと思いますし、そういう意味で本当に3周年の集大成のようなものが見せられたなって、胸を張ってみんなにお届けできたなと思います。

(Photo:伊藤由圭)

その後、本公演では、真中まなが会見で語ったように、ステージ上空に据えられたハートをあしらった扉からメンバーが一人ひとり登場。マンションの4階の高さからレールを通ってメインステージへと降りていく。まさに魔法の鏡から現れたような演出で「かがみ」からライブがスタートすると、腰元に大きなリボンでくくった衣装を間奏で脱ぎ捨て、会見でも着用していたレインボーホログラムの衣装へ華麗に変身。「NEW KAWAII」で早くもFRUITS ZIPPERらしい元気で明るくて多幸感いっぱいのステージを見せていく。

(Photo:ヨシモリユウナ)
(Photo:ヨシモリユウナ)

今回、特に際立っていたのがさいたまスーパーアリーナならではの演出の数々。「FRUITS ZIPPERが今からみんなのところに行くからね!」と仲川瑠夏が叫んではじまった「ぴゅあいんざわーるど」ではムービングステージでアリーナを縦断。スタジアムモードに展開された中央にはさらに左右に伸びた花道と、その先には小さなサブステージも設けられ、ソロステージでは会場のあちこちからメンバーが登場し、ファンの目を楽しませた。

(Photo:ヨシモリユウナ)
(Photo:ヨシモリユウナ)

さらに、会見で早瀬ノエルと鎮西寿々歌が語っていた“かっこいい”パートは今までにないFRUITS ZIPPERの魅力を発見させてくれた。本人たちも「90%黒い衣装は初めて」と語っていたように、メンバーカラーがほんのりラインで入った黒のジャケットに光の加減できらめくスパンコールのショートパンツを合わせて、FRUITS ZIPPERらしいかっこよさを体現した。そんなクールなスタイルでパフォーマンスした「Re→TRY & FLY」から「We are Frontier」、「スターライト・ヴァルキリー」の一連の流れは、かっこよさの究極系。疾走感あふれる曲をハードに踊りこなし、激しいパートもしっかりとキメた。

(Photo:ヨシモリユウナ)
(Photo:ヨシモリユウナ)

ライブ終盤には真中まなが特にお気に入りという胸元に大きなハートをあしらったレースたっぷりのミニドレスで登場し、かわいい曲のオンパレード。この日はほかにも新曲「ふるっぱーりー!」、「ピポパポ」の初披露もあり、アンコールではムビステで会場最後方までサインボールを投げながら向かうなど、サービス精神たっぷり。どの瞬間も、ライブを楽しいものにしたい、お客さんを楽しませたいという気持ちを感じられる公演となった。

そしてアンコール3曲が終わり、いよいよ最後の曲へ……となるも曲がはじまらず、困惑するメンバーたち。メインステージのスクリーンではこれまでの彼女たちの映像とともに、スタッフからの愛ある応援メッセージが綴られた。彼女たちのがんばりを一番近くで観てきたスタッフの言葉に、涙が止まらない6人。そして来年2月1日の東京ドーム公演がサプライズ告知されると、鎮西と仲川はステージに倒れ込んだまま静かに涙を流し、ほかの4人はすでに号泣。会場のど真ん中で、6人で肩を抱き寄せあって喜びの涙を流した。そんな中、この日最後の曲「完璧主義で☆」が流れると、会場のふるっぱー(ファンの名称)たちもメンバーを祝福するかのように拳を突き上げ、この日一番の大きいコールが轟いた。この日、MCで何度も「今度は7人で」と語っていたメンバーたち。次の大きな舞台には7人そろったFRUITS ZIPPERが見られますように!

(Photo:ヨシモリユウナ)
(Photo:ヨシモリユウナ)

Text:尹秀姫

■FRUITS ZIPPER

20thデジタルシングル「ピポパポ」
21stデジタルシングル「ふるっぱーりー!」
配信中

■CDリリース情報

4thシングルCD(タイトル未定)
2025年10月15日(水)

■初アジアツアー開催情報

「FRUITS ZIPPER 1st ASIA TOUR 2025』
10月8日(水) 台北:Zepp New Taipei
11月8日(土) 上海:会場は後日発表
11月29日(土) ソウル:光云大学東海文化芸術館
※単独公演の開催は台北が2023年以来2回目、上海、ソウルが初

「FRUITS ZIPPER SPECIAL LIVE 2026」
2026年2月1日(日)
東京ドーム
チケット情報:8月3日(日) 20:30よりファンクラブ先行受付開始

「さいたまスーパーアリーナ25周年 FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超超超めでたいライブ -さん-」SETLIST

01. かがみ
02. NEW KAWAII
03. うぇるかむとう~ざ♡ふるっぱー!
04. ふれふるサマー!
05. ぴゅあいんざわーるど
06. RADIO GALAXY
07. さん
08. ふるっぱーりー!
09. Spotlight *櫻井優衣ソロ曲
10. ぱーすとめいみー *鎮西寿々歌ソロ曲
11. 末っ子パラドックス*早瀬ノエルソロ曲
12. Chill Out *仲川瑠夏ソロ曲
13. すーぱーかれんたいむ *松本かれんソロ曲
14. マナカマナカマナ *真中まなソロ曲
15. CO-個性
16. Going!
17. Re-TRY & FLY
18. We are Frontier
19. スターライト・ヴァルキリー
20. ピポパポ
21. 好き、お願い
22. ハピチョコ
23. わたしの一番かわいいところ
24. フルーツバスケット
25. ずっと、ずっと、ずっと!
26. 君の明るい未来を追いかけて
27. 超めでたいソング~こんなに幸せでいいのかな?~
EN.01 ピポパポ
EN.02 BABY I LOVED
EN.03 虹
EN.04 完璧主義で☆