音楽専門誌『ぴあMUSIC COMPLEX』連動企画

MAZZELの現時点でのマイルストーン! 生配信を含め7万人が目撃した有明アリーナ公演をレポート。

PMC編集部

第229回

BMSG所属8人組ダンス&ボーカルグループMAZZELが、全国ツアー「MAZZEL 2nd One Man Tour 2025 “Royal Straight Flush”」を開催。ツアーファイナル公演が8月23・24日東京・有明アリーナにて開催。今回、最新曲「DANGER」のライブ初披露を含め、彼らにとってのマイルストーンとなった8月24日のファイナルをレポートする。
なお、同公演は、MAZZEL Official YouTubeチャンネルにて本編一部が無料生配信されたが、そのライブ映像がアーカイブ配信されることが決定。MAZZEL Official YouTubeチャンネルにて8月25日17:30からスタートするので、ぜひチェックを(〜8月31日 23:59まで)。
https://www.youtube.com/@MAZZEL_official

BMSG所属の8人組ダンス&ボーカルグループ・MAZZELが、8月23・24日、東京・有明アリーナにて、全国ツアー「MAZZEL 2nd One Man Tour 2025 “Royal Straight Flush”」のファイナル公演を開催。同ツアーは、4月23日の神奈川公演・カルッツかわさきを皮切りに、全国11ヶ所17公演を巡ったが、8月24日は公式YouTubeでの生配信という試みがなされ、同時視聴は6万人以上を記録、有明アリーナの会場を埋め尽くした1万人のファンを含め、計7万人が熱狂。MAZZELは、その声援に応じ「絶対、世界に連れていく」「日本を代表するアーティストになる」と力強く約束した。本稿は最終日8月24日のレポートを届ける。

MAZZELにとっても確かな手ごたえとなっただろう話題曲「J.O.K.E.R.」で幕を開けた。SEITOのブレイキンに、悲鳴のような歓声があがる。「全世界へ。見ていてください」というRANの宣言通り、「Counterattack」「Waterfall」とダンサブルで強気なナンバーが続き、オープニングからの3曲で、「8人それぞれが自身の最高を出し切ること、それがMAZZELの最高」そういうパフォーマンスをいきなり繰り広げる。斬り込み隊長のRYUKIがセンターに立つと、ステージと客席の距離がぐっと近づく。ヘビーな楽曲においてもかすかなきらめきを残すHAYATOの存在感、ゾクッとする一瞬の視線で1万人を引き込むNAOYAの吸引力......冒頭から、MAZZELの世界に飲み込まれた。

序盤ながら、続く「Vivid」「CAME TO DANCE」ではトロッコが登場し、終始4・5階のファンへも目線を送る姿が観られ、アリーナ公演でもよりMUZE(MAZZELのファン)の近くへという思いが感じられる。SEITOは時折イヤモニを外し、歓声を聴く。EIKIは、歌唱パートになると一瞬で表情を変え「言葉」を届ける。前日に、ステージ上で23歳のバースデーサプライズを受けたRANは、そのたたずまいが醸すカリスマ性から一転、ライブでは誰よりも無邪気に音楽を楽しむ“少年”だった。

彼らの多彩さは1st EP『Royal Straight Flush』に収録されているユニット曲でも証明されていたが、まずは、NAOYAとHAYATOによる華やぐようにカラフルなポップソング「to me」が披露され、会場全体の空気をガラッと変える。TAKUYO、KAIRYU、RANによるR&Bバラード「I’m yours,You’re mine」はライブならではの没入感が加わり、音に乗せた3人の感情がダイレクトに胸を揺さぶってきた。ときに深く、ときに繊細なKAIRYUの歌声に、ため息ののち会場が静まった。同曲のみならず、ライブを通し、TAKUTOのボーカルにも驚かされた。甘い声と明瞭な発声、そして安定感、まとう静かな情熱も含め、グループの支えにも華にもなる。リーダーとしての存在感を感じる瞬間が、何度もあった。

前半は、「FANTASY」「I’m yours,You’re mine」「ICE」の流れも秀逸。確固たる自分の世界を持つ8人が、遠慮することなくそれをぶつけ合い、それが大きな熱となっていた。セットリスト後半の1曲目「Fire」もまさにそう。協調性がない個性とは異なり、互いを信頼し、リスペクトし、遠慮なく個性をぶつけ合うことで化学反応が生まれる表現。「K&K」のあと披露したSEITO、EIKI、RYUKIによる「HERO SUIT」でも、それが体現されていた。

続く、MAZZELのはじまりの曲「MISSION」は、楽曲を発表するたび、またライブを重ねるたびに成長が著しい彼らだからこそ、<見逃すな>の歌詞が当時よりさらに説得力を増し、リリースから2年以上経った今でも鳥肌が立った。このアリーナ公演で初披露となった最新曲「DANGER」へとつなぐ演出もにくい。中毒性のある和テイストのサウンドが響きわたり、ひと癖もふた癖もあるフロウに、RANとSEITOが極めてきたポッピンやブレイキンといった難易度の高いダンスが、次々と展開されていった。これをライブで“かませる”のが、MAZZELの強さだと感じる。

「好きなように踊れ、好きなように歌え!」とSEITOが叫んだ「Parade」ほか、個々の武器を持ち寄った、熱いステージを見せた。

今ツアーのタイトルでもある1st EP『Royal Straight Flush』が、確かな評価を得たことも大きかったのか、パフォーマンスは以前にも増して自信を感じる。それは、終盤の挨拶からも感じられた。
「この景色は、誰かにとってはゴールと言えるくらいのもの。でも、おごるわけではないけど、僕らにとっては通過点。自分たちに期待しているし、自分たちがやっていることに間違いはない」(KAIRYU)
「日本を代表するアーティストになる。夢で終わる気はないし、絶対に世界に連れていく。身体が動かなくなるまでステージに立ち続けます。MUZEは俺たちの生きる理由です」(SEITO)
「MAZZELって本当に面白いグループ。ツアーでより個性が伸び、たくさんの方に届いて行っている気がする。世界に羽ばたくグループという、大きい目標に向かってがんばっていきたい」(TAKUTO)と、頼もしい誓いを言葉にした。

過去、『PMC』のインタビューで、ことあるごとにMUZEの話をする彼らに、「本当にMUZEのことが好きなんですね」と思わずこぼしたことがある。あるメンバーは照れたようにうなずき、あるメンバーは「何を当たり前のことを」と言わんばかりに驚いた顔を見せ、あるメンバーはどれだけMUZEに救われているかを話したが、この日のライブでも同じだった。大切なMUZEに、まっすぐな思いが届けられた。
「いつまでもみんな(MUZE)と、音楽を楽しんでいきたい」(RAN)
「音楽活動をしている理由は、『ありのままでいてほしい』と伝えたいから。そしてMUZEを、何が何でも幸せにします」(NAOYA)
「全力でMUZEのために生き続けたい。これからも一緒に夢をかなえていきましょう」(RYUKI)
「MAZZELのメンバーが大好きで、喧嘩さえ、大好きな時間。これからは安全なだけじゃなく、挑戦的な選択をすることもあると思うけど、(MUZEも)一緒に歩んでくれたらうれしい」(HAYATO)
「8人の個性がバラバラでカラフルなのがMAZZLE。でも、そこに付け足したい。ときには7対1になることもあるけれど、誰も1を茶化さない。1人1人の選択を受け入れるMAZZELが大好き」(EIKI)

EIKIがメンバーへの愛を綴った「Love Letter」をMUZEに向けて披露したあと、「Our Life Is Always Right」では「MAZZELにとって、みんなにとって、何年後かに“この日、めっちゃよかった”って思える日になったと思います!」とRAN。そして「この場を借りて言わせてください。日高さん(日高光啓/SKY-HI)、BMSG、MAZZELを作ってくれてありがとうございます!」と、全員が最高の笑顔を見せた。MAZZELであることの誇り、MUZEへの思い、未来の自分たちへの期待と夢ーーRANの、心からの言葉が止まらない。「MAZZELを見つけてくれてありがとう!」。EIKI、HAYATOの目からは涙があふれていた。

「Holiday」のラストで、肩を組み、円になって歌う8人。グループであり、仲間であり、友でありーー彼らにしかわからない、築き上げたものがそこにあった。「みんな、ギューしよう」とNAOYA。マイクを外しての、8人の「ありがとうございました!」の声に、大きな拍手が鳴り響いた。

これまでの『PMC』の取材で、「MAZZELらしさとは?」という質問を毎回投げかけてきたが、そのたびに「個性」と返ってきた。デビュー当初、「個性とは?」とさらに踏み込むと、言語化に悩んでいたのが実際だ。しかしこの日、MAZZELの個性、MAZZELらしさを、自信を持って言葉にし、パフォーマンスで体現する彼らに出会えたように思う。そのことが何よりもうれしかった。

まさに<時が来た>今のMAZZEL。その目で見てほしいと心から思う。

新亜希子=文

<公演情報>
「MAZZEL 2nd One Man Tour 2025 “Royal Straight Flush”」

8月23日(土)・24日(日) 東京・有明アリーナ

セットリスト

01. J.O.K.E.R.
02. Counterattack
03. Waterfall
04. Vivid
05. CAME TO DANCE
MC
06. to me ※NAOYA、HAYATOユニット
07. Seaside Story
08. Fantasy
09. I‘m yours, You’re mine ※KAIRYU、RAN、TAKUTOユニット
10. ICE
11. MAZQUERADE
転換~MZクイズ
12. Fire
13. K&K
14. HERO SUIT ※SEITO、RYUKI、EIKIユニット
15. MISSION
16. DANGER ※最新曲ライブ初披露
17. King Kila Game
18. Parade
MC
19. Love Letter
20. Our Life Is Always Right
21. Holiday
22. King Kila Game×J.O.K.E.R.mashup

<リリース情報>
Digital Single「DANGER」

配信中

配信リンク:
https://mazzel.lnk.to/DANGER_pre2

MAZZEL / DANGER -Music Video-

公式サイト:
https://mazzel.tokyo/