音楽専門誌『ぴあMUSIC COMPLEX』連動企画

『METAL FORTH』から「メタラジ!FES」、キタニタツヤ×BABYMETAL「かすかなはな」まで。プロデューサーKOBAMETALが語るBABYMETALの2025-2026年

PMC編集部

第253回

2025.11.7 「BABYMETAL WORLD TOUR 2025 SPECIAL ARENA SHOW IN MEXICO」メキシコシティ・ARENA CDMX (Photo:Sarai Kelly)

「ぴあMUSIC COMPLEX(PMC)Vol.39」ではBABYMETALに2025年の振り返りと2026年の展望を聞いたインタビューを掲載中だが、今回1月10・11日に開催した「BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026 SPECIAL ARENA SHOW IN JAPAN LEGEND - METAL FORTH」埼玉・さいたまスーパーアリーナを終え、プロデューサーのKOBAMETALに話を聞くことができた。米・Billboard200のトップ10入りを果たしたアルバム『METAL FORTH』、15周年、ワールドツアー、聖飢魔II VS BABYMETALという凝縮した2025年を振り返り、今年早くも話題になっているキタニタツヤ feat. BABYMETAL「かすかなはな」、さらに、3月29日(日)東京・東京ガーデンシアターで開催される「BABYMETALのメタラジ!FES」など、BABYMETALの今を語ってもらった。

――昨年8月にリリースしたフルアルバム『METAL FORTH』から約半年が経った今、この作品の存在意義について改めてどう感じていますか。

KOBAMETAL メタルのその先、“BEYOND HEAVY METAL”というテーマで制作したんですけど、BABYMETALが15年というキャリアの中で出会った様々なアーティストさんとのコラボも含めて、そのテーマにふさわしい内容と結果になったという印象です。目標がはっきりしたというか、「その山の頂上に登るには、どういう備えをしたらいいか」と逆算して考えることもできました。

――本作はアメリカBillboardの総合アルバムチャートのトップ10入りも果たして、数字としても満足いく結果になったと思います。エンタメの国アメリカでこれだけの結果を残せたというのもすごく大きいですよね。

KOBAMETAL そうですね。今回の全米アルバム総合チャートのトップ10入りというのは、日本のアーティストとして初めてということもありますし、また一つBABYMETALという存在が次の場所にたどり着き、また新たにはじまるという印象がありました。「漫画みたいな」という表現がありますが、本当にそういう部分もありますし、一方で、目標に向かって細かくツアーを回り、地道に積み重ねてきたところもある。だから、本当にラッキーが半分、あとは着実に努力を積み重ねてきたという自信が半分というところですかね。

――『METAL FORTH』のリリースと前後してワールドツアーがはじまり、さらにロンドン、ロサンゼルス、メキシコシティ、さいたまでの4大アリーナ公演を成功させました。この計画はどんなところからはじまっていたものなんですか。

KOBAMETAL もともとイギリス、アメリカ、日本での3大アリーナ公演を三部作としてイメージしていたんです。ただ、会場のスケジュールなどさまざまな問題があって、立て続けに開催することが難しく、最終的にはツアーの合間を埋めるような形で、約1年がかりで組んでいきました。

――3大都市に加えてメキシコでのアリーナ公演が入ってきたのはなぜですか。

KOBAMETAL メキシコは僕たちも想定外だったといいますか。アリーナのような大きい会場は考えていなかったのですが、2024年にKnotfestのツアーで中南米を回って、メキシコだけSlipknotのダイレクトサポートという形で出演したときにものすごい反応があって。現地のプロモーターからも「絶対アリーナでやったほうがいい」という話が出て、半信半疑ながらもやることにしたんです。そうしたらチケットが即日完売しまして。それでも当日までどうなるのか全然想像できませんでしたが、ふたを開けてみたら会場はパンパンで、歓声も本当に大きくて。アナリティクス(Webやアプリの解析ツール)を見ると、今、BABYMETALのメインマーケットの第2位はメキシコなんです。

2025.11.7 「BABYMETAL WORLD TOUR 2025 SPECIAL ARENA SHOW IN MEXICO」メキシコシティ・ARENA CDMX(Photo:Sarai Kelly)

――それは驚きですね! リスナー数の順位はどんな感じなんですか。

KOBAMETAL 1位がアメリカで、2位メキシコ、3位ブラジル、そのあとに日本などが続く感じですね。データ上ではメキシコが熱いというのは出ていましたが、その数字どおりの反響があったので、本当にやってよかったなと思いました。この順位は、日々変わっていくものですが、どこの国でどういう反響があるのかというのは常にわかるので、こういうデータを参考にしながら「次にどこへ行こうか」と決めることも多いですね。

――とても興味深いです。

KOBAMETAL 世の中のニュースには「日本人初!」とか「海外で人気!」という常套句のようなものがたくさんありますが、「実際どうなんだ」というところもデータを見れば明らかで。世界で人気のあるほかの日本のアーティストさんのデータを見ても、日本のシェアが40%くらいを占めていたりしますので、BABYMETALがいかに特殊な存在なのかということですね。ワールドツアーに関しても、ビギナーズラックのようなところでお客さんが集まっているわけではなく、やればやるほどお客さんが増えていくというのもすごく珍しい現象だと思います。それもやはり、コツコツとワールドツアーを重ねてきた結果なのかなという気はします。

――メンバーのパフォーマンスはもちろん、演出などを常にブラッシュアップしていることによる影響も大きいんじゃないですか。

KOBAMETAL そうですね。BABYMETALはツアーごとにテーマが変わったり、ライブ演出も変わっていきますが、立ち止まることなく常に前へ、次へと進んでいくというコンセプトで考えていますし、それはメンバーも同じだと思うんです。先日の埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演は15周年記念ということで2部構成の形でしたが、決してノスタルジーにあふれた同窓会みたいなライブではなく、「そこからさらにスタートする」という、15年の進化を見せていこうとあの形になったんです。

2025.11.7 「BABYMETAL WORLD TOUR 2025 SPECIAL ARENA SHOW IN MEXICO」メキシコシティ・ARENA CDMX(Photo:Sarai Kelly)

――かつては、ライブ全体がシアトリカルだったり、何かしらの大仕掛けがあったり、そういったところが魅力の一つだったと思うんですけど、いつのころからか、ライブ全体ではなく、楽曲一つ一つにもしっかりとした世界観が生まれ、そこから1曲だけ抜き出しても一つの作品として成立するんじゃないかと思うくらい、非常にキメの細かいパフォーマンスになっているように感じます。

KOBAMETAL 昔は大掛かりなステージセットをよく使っていましたが、最近は映像を使うことが多いので、映像との組み合わせで考えています。ただ、一番大きいのは持ち曲が増えたことで。以前はアルバムが1、2枚しかなくて、演奏する楽曲も限られていましたが、今は『THE OTHER ONE』を含めると5枚の作品があり、これはうれしい悩みでもありますが、「あれもやりたい、これもやりたい」と曲を選んでいくと、1曲1曲の時代感が大きく異なることになるので、1曲1曲の世界観が成立するような流れに自然となっていったのかもしれないですね。

――あと、ここ数年のライブは照明にはっとさせられることがすごく多くて。それもBABYMETALのライブの完成度が高くなっている理由の一つだと思います。

KOBAMETAL これはコンサートを支えているチームBABYMETALのスタッフにも言えることで、経験を積み重ねていくことで、あうんの呼吸みたいなものが生まれていて。各セクションがスペシャリスト集団として、自らいろいろとブラッシュアップしていただけるようになっているんです。たとえば、先日のさいたまスーパーアリーナ公演は、珍しく開場時間もオンタイムだったんですよ。あの公演はこれまでのBABYMETALの中で一番曲数が多くて、時間も一番長かったんですけど、実は当日の準備にかかった時間は一番短かかった。

――それはすごいですね。

KOBAMETAL リハーサルも想定より30分早く終わって、「開場時間まで何しようかな」みたいな感じで(笑)。15年かけて積み上げてきた、本当に素晴らしいチームに恵まれたなと感じています。

――アリーナ公演に関しては、タイトルこそ「SPECIAL ARENA SHOW」という共通したものでしたけど、場所によって大きく見せ方が異なりました。それを1年という短い間で完遂するというのも経験なくしてはできなかったことですよね。

KOBAMETAL いやあ、特にロンドンのO2アリーナ公演は本当にしびれることばかりで。日本だと、本番の前々日くらいから会場の仕込みをはじめて、リハやゲネプロをやることが多いんですけど、海外は本番当日しか会場を借りられないことがほとんどで。O2アリーナもLAのINTUIT DOMEも当日朝会場に入って、設営からリハまでやる段取りなので、本当にしびれるんです。

2025.5.30「BABYMETAL UK & EUROPE ARENA TOUR 2025 SPECIAL ARENA SHOW IN UK “THE O2”」ロンドン・THE O2
2025.5.30「BABYMETAL UK & EUROPE ARENA TOUR 2025 SPECIAL ARENA SHOW IN UK “THE O2”」ロンドン・THE O2
2025.5.30「BABYMETAL UK & EUROPE ARENA TOUR 2025 SPECIAL ARENA SHOW IN UK “THE O2”」ロンドン・THE O2

――とんでもないですね……。

KOBAMETAL トラブルはしょっちゅうで、O2アリーナもほぼリハなしの状態で本番をやるというタフな現場で。それでもベストなライブをやらねばならないというのは相当なプレッシャーなんです。でも、テイラー・スウィフトやレディー・ガガみたいなビッグアーティストもみんな同じような条件でツアーを回ってるわけなので、言い訳はできないし、海外で勝っていくためには相当な努力が必要なんです。

――LAのINTUIT DOME公演は本当に素晴らしかったですけどね。

KOBAMETAL ありがとうございます。海外では初となるセンターステージでやることができました。ただ、INTUIT DOMEは初めての会場でわからないことづくしで、本番中も想定外のことがたくさん起こりました。それでも最大限にやれることをやって、なんとか無事に終わってよかったなと思います。

2025.11.1「BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026 SPECIAL ARENA SHOW IN US INTUIT DOME」ロサンゼルス・Intuit Dome(Photo:Sarai Kelly)
2025.11.1「BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026 SPECIAL ARENA SHOW IN US INTUIT DOME」ロサンゼルス・Intuit Dome(Photo:Sarai Kelly)

――INTUIT DOMEはHalo Boardと呼ばれるリング状のLEDスクリーンが常設されている特徴的な会場ですが、そこがポイントになって選んだところもあるんでしょうか。

KOBAMETAL LAでは2019年にThe Forum(現Kia Forum)でライブをやっていたので、同じ会場じゃないほうがいいかなと、いくつか候補があって。その中でも、大きくて、アクセスもよくて、かつ設備も新しいというとINTUIT DOMEだなと。そこにHaloがあることを想定し、ステージ配置やお客さんからの見え方を事前にシミュレーションして、あとは当日微調整するという形でやりました。

2025.11.1「BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026 SPECIAL ARENA SHOW IN US INTUIT DOME」ロサンゼルス・Intuit Dome(Photo:Sarai Kelly)

――さいたまスーパーアリーナもINTUIT DOME公演に近い作りでしたね。

KOBAMETAL 理想としては、全く同じセットを持ち回れたほうがいいんですが、今回はセットもやる曲も全部違ったのでゼロベースから組み立て。それがすごく大変でした。でも、BABYMETALはこれまでも一発モノの公演が多く、ワタクシの性格的にも一度やったら次は違うことをやりたくなっちゃうというか。大部分は初めて観る地元の方だとは思うし、同じものを何回もやっていいとも思ってはいますが、お客さんの中にはO2、INTUIT、さいたまにも来るという方もいらっしゃるし、やると改善点が見つかって、「次はこれをやってみよう」とアップデートをしたくなってしまって。スタッフの方やメンバーには本当に申し訳ないんですけど、「ついつい」というのが本音ですね。

2026.1.10・11 「BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026 SPECIAL ARENA SHOW IN JAPAN LEGEND - METAL FORTH」埼玉・さいたまスーパーアリーナ
2026.1.10・11 「BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026 SPECIAL ARENA SHOW IN JAPAN LEGEND - METAL FORTH」埼玉・さいたまスーパーアリーナ
2026.1.10・11 「BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026 SPECIAL ARENA SHOW IN JAPAN LEGEND - METAL FORTH」埼玉・さいたまスーパーアリーナ

――KOBAMETALさんらしいですね(笑)。しかも去年は、アリーナ公演と並行して、聖飢魔IIとの対バンライブ「聖飢魔II vs BABYMETAL『悪魔が来たりてベビメタる』」という、もう一つの大きな公演がありました。

KOBAMETAL 聖飢魔IIさんとのイベントは10年越しぐらいに実現したもので。2025年は、聖飢魔Ⅱさんが地球デビュー40周年、BABYMETALが15周年というタイミングで、神と悪魔それぞれのお導きだったのかなと(笑)。本当に素晴らしいイベントになったと思うし、特に2日目は観に来ていただいたファンや関係者の方も含めて、すごく胸が熱くなったという声が多かったですね。普段のBABYMETALの公演に比べると、シンプルなステージ構成ではありましたが、それにも勝る内容だったというか。

2025.8.30・31 聖飢魔II vs BABYMETAL「悪魔が来たりてベビメタる」神奈川・Kアリーナ横浜(Photo:藤井拓)

――いやいや、観ていた側としては全くシンプルには思えなかったですよ(笑)。壮大な物語を見せてもらったという感覚が強いです。

KOBAMETAL ライブ写真や映像をあとから観て印象的だったのが2日目のエンディングです。聖飢魔IIの構成員のみなさんとBABYMETALが光の中へ並んで帰っていくシーンで、あのときのシルエットが映画のワンシーンのように素晴らしくて。あと、デーモン閣下が角のように髪を立てられていますが、実はSU-METALも髪飾りで角のようになっていて、その角の数が一緒だったんですよ。長い角が閣下で、短い角がSU-METAL。ここまでのストーリーを思わせる偶然のような必然のような画で、いろいろとつながっていたんだなと感動しました。あのエンディングのシルエットは額に入れて飾っておいてもいいくらいのものでした。

2025.8.30・31 聖飢魔II vs BABYMETAL「悪魔が来たりてベビメタる」神奈川・Kアリーナ横浜(Photo:藤井拓)

――KOBAMETALさんとしては聖飢魔IIの音楽に出会ったティーンのころからの思い出もあって、相当感慨深かったんじゃないですか。

KOBAMETAL そうですね。自分のDNAにも刻まれている存在であり、BABYMETALを立ち上げるきっかけにもなって、今でもすごく手本にさせていただいているアーティストなので、タイムマシンに乗ってティーンエイジャーのころにタイムスリップしてるような感覚がありました。

――あの2日間にわたるストーリーはどうやって組み上げられたんですか。

KOBAMETAL コンセプトも含めて聖飢魔IIにすごくリスペクトがあるので、ダミアン浜田殿下(当時)が作られた聖飢魔IIのストーリーにBABYMETALがお邪魔する形になりました。ただ、コラボレーションステージに関しては、実はこちらから「EL DORADO」を一緒にやらせていただきたいとリクエストしまして。1日目の「イジメ、ダメ、ゼッタイ」、2日目の「EL DORADO」の世代を超えたコラボレーションにはすごく胸が熱くなりました。聖飢魔IIの魂がBABYMETALに受け継がれていく、それを具現化できたことは感慨深かったですね。ただ、ワタクシが一番うれしかったのは、当日来ていただいたBABYMETALのファンの方と聖飢魔IIの信者(ファン)の方がどちらのアーティストのことも好きになってくれたことなんです。その後、それぞれのファンの方がそれぞれの公演に行っていただいたみたいで。そういう相乗効果を感じましたし、いい橋渡しができてよかったなと思っています。

2025.8.30・31 聖飢魔II vs BABYMETAL「悪魔が来たりてベビメタる」神奈川・Kアリーナ横浜(Photo:藤井拓)

――2026年の動きについても聞かせてください。今年はすでにキタニタツヤさんとのコラボ曲キタニタツヤ feat. BABYMETAL「かすかなはな」が話題になっていますよね。

KOBAMETAL キタニさんとは以前、『ミュージックステーション』(以下、Mステ)でTak MatsumotoさんのTMGのパフォーマンスにBABYMETALがゲスト出演させていただいたときにご一緒しまして。実は、それ以前からキタニさんは隠れメタルだという話をうかがっていたので、そのときお声がけをさせてもらいました、後日「BABYMETALのラジオ番組がはじまるので……」と出演オファーをしたら出ていただけたんです。番組はすごく楽しい感じで終わったんですけど、その後、キタニさんサイドから「かすかなはな」のお話をいただいて実現したという流れですね。

――楽曲的にメタルサウンドではないですが、どんな挑戦になりましたか。

KOBAMETAL そこは、『BABYMETALのメタラジ!』(TOKYO FM)というラジオ番組をやることになったきっかけとすごくつながっていまして。BABYMETALのファン層は日本とそれ以外の国でキャラクターが全然違うんです。ワタクシとしては、日本はホームグラウンドでもあるんですが、その一方で危機感も感じていて。

――危機感というのは?

KOBAMETAL せっかくグローバルな活動をしていても、なかなかそのニュースが日本のみなさんに伝わっていかないなと。だからといって、TikTokをやればいいのかということでもないというか、一方通行な感じがして。今、これだけ情報があふれ、かつ、スピードも速い中、人が語るのが一番説得力があるんじゃないかなと思ったんですよ。しかも、BABYMETALと同じフィールドに立つ、さらに、普段あまり接することのないアーティストの方に発言していただくことで、日本のみなさんにもう一度BABYMETALという存在を知っていただけたらなと。今回のキタニさんとのコラボに関しても同じで、普段接点がないと思われるキタニさんのファンの方や、今回オープニング主題歌になっているTVアニメ『地獄楽』をご覧になる方にも聴いていただきたいなという思いがありました。

――今までに歌ったことのないようなトラックにSU-METALさんの声が乗ったのを聴いてどう思われましたか。ジェットコースターのような展開の曲の中でも、ボーカルの強さ、すごみを感じたんですが。

KOBAMETAL 楽曲だけで言うと、実はすごく難易度が高く。というのも、キタニさんは男性キーなので、正直、SU-METALにとってはベストなキーではないんですよね。だけど、そこはプロデュースされているキタニさんのスキルだと思いました。うまいバランスでMIXいただけたのがすごくよかったなと。もちろん、BABYMETAL自体、メタルがベースになっていながらも、メタルバンドの中では相当曲の幅が広いわけで、日々チャレンジもしていますから、SU-METALもそこで得た引き出しの多さでスッと対応できたのかなと。

――『メタラジ!』も放送開始から1年が経ちましたね。

KOBAMETAL そうですね。昔から応援してくれているファンの方からすると、BABYMETALがしゃべっていること自体が珍しいのかもしれませんが、海外では普通にインタビューを受けて、クイズみたいなことに答えたりして、それがYouTubeなどに上がっていたりするので、我々的にはそんなに珍しい感覚はなかったんです。ただ、日本における存在感としては、来日アーティストのようにレアキャラなんだろうなと。この番組を通じてそういったギャップを埋めていきたいなと思っているんです。

――ゲストのかたも、いろいろな方が登場されていますね。

KOBAMETAL 番組にコンセプトとストーリーがあって、しっかり音楽の匂いがして、「ご自身のルーツとなっているメタルをテーマに好き放題しゃべってください」という内容なので。例えばOfficial髭男dismの小笹(大輔)さんや、マカロニえんぴつの田辺(由明)さんが大好きなアーティストについてたくさんしゃべってくださって、収録が終わってブースから出てきたら「気持ちよかったー!」みたいな(笑)。みなさん、サウナで整ったみたいな感じで楽しんでくださるんですよ。それがワタクシもすごくうれしいですし、ファンも普段はなかなか聞けないようなお話がたくさん出てくるので。

――「BABYMETALのメタラジ!FES」もそこから生まれたフェス企画なんですね。

KOBAMETAL そうですね。せっかくなら、リアルなオフ会のようなことがやれたらいいなと、番組の立ち上げのときから話をしていましたので。

――では、この先BABYMETALが新たに登るべき山はどういったものなんでしょう。

KOBAMETAL メンバーもインタビューなどで語っていますが、フェスのヘッドライナーを狙っていくということももちろんありながら、最近より強く思っているのは、どうやってBABYMETALが培ってきたメタルの魂的なものを次の世代に引き継いでいけるかということで。これまでレジェンドのみなさんから授かったものを、今度はBABYMETALが新しい世代の方々を引っ張っていくような活動をしていくんじゃないかなと思います。

――なるほど。今年の「SUMMER SONIC 2026」では、SONIC “METAL” STAGE – Curated by BABYMETALとしてステージをキュレーションしますしね。今年の活動も楽しみです。ちなみに、一つ気になっているのが、ライブやこうしたラジオを通しても、MOMOMETALさんのBABYMETALへの溶け込み方がすごいと感じていて。あれは彼女自身がもともと持っている才能みたいなものなんでしょうか。

KOBAMETAL もちろん、それもあると思います。あとは最近、自分の居場所を見つけたことですごく自信がついてきたんだろうなと感じています。ワタクシがすごく意識しているのは、3人というバランスで。BABYMETALは15周年を迎えましたけど、1人だけ15周年じゃないわけで、そのギャップを埋めるために、本人の居場所を早く作ってあげたかったんです。今、MOMOMETALはデスボイスをやるようになって、それは2010年から2024年までのBABYMETALにはなかったポジションで、前メンバーのYUIMETALとはまた違ったキャラクターというのもよかったなと思います。徐々にスキルアップもして、そこが自信につながっているだろうし、それに伴って、BABYMETALの三角形のバランスが再び形成されているように思います。

――新メンバーがファンにこんなにもすんなり受け入れられることってなかなかないと思うし、僕からはすでに正三角形に見えるんですよ。これはすごいことだと。

KOBAMETAL そこはもちろん、メンバー同士の助け合いもありますし、チームBABYMETALでうまく回っているからなのかなと。結成当時から、リアルとファンタジーが融合し、フィクションとノンフィクションが入り混じってやってきましたが、メンバーはアニメのように年をとらないということではなくて、やっぱりアーティストなので、これからも、日々、いろんなものを積み重ねていくことによって、目指すべきところやいろんなことが変わっていくんだろうなと感じています。

阿刀大志=取材・文

キタニタツヤ feat. BABYMETAL「かすかなはな」

https://tatsuya-kitani.lnk.to/KasukanaHana

「BABYMETALのメタラジ!FES」

2026年3月29日(日)
東京・東京ガーデンシアター
出演者:BABYMETAL、マキシマム ザ ホルモン、新しい学校のリーダーズ
https://www.tfm.co.jp/metaradi/metaradifes/

「SUMMER SONIC 2026」

日程:2026年8月14日(金)・15日(土)・ 16日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセ(開場AM9:00 / 開演AM11:00)
⼤阪会場:万博記念公園(開場AM10:00 / 開演AM11:00)
ソニックステージをSONIC “METAL” STAGE ‒ Curated by BABYMETALとして東京、大阪1日ずつステージをキュレーション
https://babymetal.com/mob/news/diarKijiShw.php?site=TO&ima=1554&aff=ROBO004&id=301498&lang=ja

https://www.summersonic.com/

ぴあMUSIC COMPLEX(PMC)Vol.39

BABYMETALメールインタビュー&「BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026 SPECIAL ARENA SHOW IN US INTUIT DOME」現地レポート掲載中