Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

Chilli Beans./PIA SONAR MUSIC FRIDAYインタビュー

3人で納得できるものがあるとすごく安心。手探りで始まったChilli Beans.の音楽制作に迫る

特集連載

第26回

Chilli Beans.

パフォーマンスとして魅せるっていう部分はバンドとしてちゃんとやっていきたい(Maika)

── 音楽的フェイバリットは3人ぞれぞれバラバラですか?

Moto そうですね。バンドを一緒にやるようになってお互いがお互いの好きなものに影響されているっていう感じはあります。

Maika ルーツとして共通しているのは洋楽好きっていうところですね。その中で好きなものがそれぞれ違うんですけど。

── 曲を聴いていると洋楽好きというのはすごくわかります。

Maika バレてた(笑)。

── Chilli Beans.の“Chilli”はやっぱりレッドでホットなあの方々からの影響ですか?

Lily まさに(笑)。レッチリは音楽性もそうなんですけどステージでのパフォーマンスにすごく憧れがありますね。だから私たちはガールズバンドらしくないパフォーマンスというか、そういう感じを目指していきたいです。

── 3人はどのようにして出会ったんですか?

Moto 私たちは音楽塾ヴォイスにそれぞれ通っていて、そこで先生に突然「3人でバンド組んでみれば? ちょっとやってみなよ」って言われて、そこから結成したんです。

Moto(Vo)

── じゃあ、それぞれ目指しているものは違ったんですね?

Maika 入ったときはシンガーソングライターコースっていうところに3人ともいたので、ひとりでやっていくイメージだったんですけど、だんだんバンドもいいなって思うようになっていたタイミングで「やってみれば?」って後押ししてもらったっていう感じですね。

── Maikaさんがベースを始めたのは?

Maika バンドを結成した時からです(笑)。

Lily 私はアコースティックギターをずっとやっていたんですけど、エレキギターを始めたのは結成した時からです。

── それまでにバンド経験もなかった?

Maika みんな初めてです。

── じゃあ結構手探りでの出発だったんですね。

Moto めちゃくちゃ手探りだったよね。

Maika うん。何からやればいいんだろう?って感じだった。

── 最初の1曲はどういうふうにできていったんですか?

Maika(Ba&Vo)

Maika お互いのことを知ろうっていうことからできたのが「lemonade」でした。その曲を作る前はレニー・クラヴィッツのカバーをしたりとかしていて。

Lily グリーン・デイとかね。

Maika そうそう。そうやってルーツや好みを確かめ合いながらオリジナルへ向かっていって、最初はLilyがコード進行を持ってきてくれたものに、こんなメロディどう?っていうのをみんなで話しながら作っていったっていう感じです。

── そこで、お互いに好きなものの共通点というか、自分たちの目指すべきものは見つかったんですか?

Moto 基本的にはどんな方向にも行けるとは思っていました。ダークな部分も曲にできるし、ポップで明るい感じもできるし、その中間も。

Maika だから、その時々の自分たちの感情を素直に曲に落とし込んでいきたいっていうのは共通している部分だったし、あとはパフォーマンスとして魅せるっていう部分はバンドとしてちゃんとやっていきたいっていうのは目標としてはありましたね。

Lily ジャンルもいろんなものを聴くので、何かひとつに絞ってこれっていうんじゃなくて、そこも感情と同じで柔軟に取り入れて、私たちなりの音楽にしたいなっていう思いはありますね。

Lily(Gt&Vo)

Maika とは言えみんなバラバラなので(笑)、お互いの好きも少しずつ違っていて、だからそこのポイントを、こうかな? いやこうかな?って探りながら話をして作っていくのが楽しいです。

Moto 自分以外の意見を聞いて、それで3人で納得できるものがあるとすごく安心する。いける!っていう感じも出てきますね。

3人が同時に「いい!」って思えたものはやっぱり強いんです(Moto)

── 曲からもポップさだけではない生々しさというのをChilli Beans.から感じているんですけど、こうやって曲ができる過程を伺うと、3人それぞれの息遣いが聞こえてくるバンドだなって改めて思います。

Maika うれしいです。

Lily マンチェスターのThe 1975ってバンドがすごい好きで、彼らも歌詞は生々しいんですけどメロディやアレンジはポップで、多くの人たちが聴きやすい曲にしているんですよね。そういう感じは、私たちが常に意識しているところでもあります。

── そうしたポップの定義みたいな部分を3人で共通して持っているからバンドとしての振り幅や一体感が出るんでしょうね。

Maika そうですね。歌詞の中では言いたいことも言ってるし、生々しさもあるんですけど、でもとっつきやすいメロディやアレンジっていうのは、音楽で人に何かを伝えるっていうことにおいてはすごく大切な要素だなって思っています。

── その“伝えたい”っていう感情は、バンドになってより強く持てるようになりましたか?

Maika(Ba&Vo)

Maika 私はそうですね。意外とひとりでやってたら、別にわかってもらえなくていいやって考えになったりするんじゃないかなって。

Lily ほんとそう思う。尖りすぎちゃう感じはあるかも。

Moto そこは痛感しますね。自分がいいなと思っていたものでも、スーって流される時もあるし(笑)、そういう時は「なんでやねん!」って思うんですけど、でも3人が同時に「いい!」って思えたものはやっぱり強いんですよね。

Maika まだ探り探りなところはあるけどね(笑)。

Moto でも認識としてはかなり合ってきてると思う。

Maika そうだね。最初は3人それぞれドッカンドッカンやってるだけだったもんね(笑)。

── じゃあ今バンドとして固まりだしている最中なんですね。

Maika まさにそうですね。ずーっと過渡期です(笑)。

ステージですごく自由になれる感じがあって、ライブは最高の空間なんですよね(Lily)

Chilli Beans.

── 8月に1stデジタルEP『d a n c i n g  a l o n e』をリリースされました。ここに入っている曲は、それまで書き溜めていたものの中からという感じのものだったんでしょうか?

Maika そうですね。まずは私たちを象徴する曲というか、自分たちがこれは入れたいよねっていうものを集めた4曲という感じです。

── その中に入っている1曲目の「lemonade」はVaundyとの共作ですね。で、今回の1st デジタルシングル「アンドロン」はVaundyがアレンジしています。Vaundyとの関係性は?

Maika 先ほど話した音楽塾ヴォイスのクラスメイトだったんですよ。「lemonade」も、こんな曲あるんだけどっていうところから、「こうしたら?」「ああしたら?」って横からツンツンしてくれて(笑)、それで最終的に共作になったんです。

── へー、そうだったんですね。EPをリリースして感じたこと、掴んだものはありましたか?

Moto ライブに来てくれる人が増えたり、やっぱり音源を聴いてもらえた分、一緒に楽しめるようになったなって感じがします。形に残すという挑戦ができたのが良かったなって私は思います。

Lily 曲が届いているっていうのを、ライブで実感できたのが本当にうれしかったですね。しかも、みんなの好きな曲が結構、それぞれ違っていたっていうのもすごくうれしかった。

Maika そうだね。そうやって伝わっている、届いているっていうことを実感したからこそ曲作りにフィードバックできるものがたくさんあって、聴いてくれる人たちともっと楽しめる曲の形ってどんなだろう?って、そういう視点とか意識が結構大きくなったような気がします。こういう感じだったらみんなで飛べるんじゃない? とか。

── 「アンドロン」のサビはまさにライブでの光景が見えるような爆発力がありますよね。

Maika この曲、絶対にライブ楽しいよねっていう話をみんなでしていました(笑)。

Moto 最初にできていたのは違うメロディだったんですけど、3人で話し合いながら変えていって、最終的にボカン!って感じになりました(笑)。

Maika もうちょっとインパクト欲しくない? とか、もうちょっとわかりやすくしたくない?っていうような会話がEPをリリースして以降は増えましたね。

── 歌詞についてですけど、“アンドロン”っていうのは造語ですよね?

Moto 造語です。

── 絶妙に音感がいい言葉ですよね。

Moto なんか音に当てはめて言葉を作っていくことが結構多いんですよ。

── 「アンドロン」に出てくる敵である“バルトサーダン”も生み出したものですもんね。

Moto そうです。

── 音と意味を混ぜ合わせて違う言葉にしていくっていう感じなんですか?

Moto あ、そうかもしれない。あとは、パッと思い浮かんで、それが結構そのまま歌詞になっているっていうものもあります。

── サビの最後のフレーズ〈あーあ ばいばい〉にはいろんな感情が込められているような気がするんですけど、そこに込めたものは何ですか?

Moto(Vo)

Moto 言えないけど、自分の中だけで消化して、ばいばいっていう感じ。

── 好きでも嫌いでもある感じ。

Moto まさにそうですね。

── Motoさんの歌詞を最初に見て、やっぱり驚かれたりするんですか?

Lily 驚きますね。

Maika 今回で言うと、まず“ピーナッツ”だよね(笑)。

Lily そう(笑)。歌詞の最初の方に“ピーナッツ”が出てくるんですけど、聴いた時に、あ、この曲いけるって思って、そこから進めていった感じです。

Moto 最初に聴かせたのはカフェだったんですけど、それも、これやろうよ!っていう感じじゃなくて、こんなのもあるんだけど……って感じで聴かせたら食いついてくれて、やろ! みたいな感じになって(笑)。そこから3人で曲にしていってっていう感じでした。

Lily バルトサーダンっていう言葉も何のことかわからなくて、検索とかしてみたんだけどなくて(笑)。

Maika これって何のこと?って聞いて、なるほど!と(笑)。それが面白くて、いいじゃん!ってなったのをすごい覚えています。

Moto まずここ(MaikaとLily)を通らなきゃいけないっていう第一関門があります(笑)。

── サウンドはどういうイメージから作っていったんですか?

Maika 難しかったね。

Lily うん。今までやってこなかったような雰囲気のものにしたかったっていうのもあったし、もともとの曲がかわいかったから、ギターとかベースでどう攻めようかっていうのはめちゃくちゃ考えたよね。

Maika それこそ『d a n c i n g  a l o n e』の収録曲とかって、攻めてなんぼみたいな楽曲が多かったのに対して、「アンドロン」が次に来る感じだったので、このポワポワ感というか、重たいけど重たくないっていう空気感を、どうサウンドや演奏に反映させればいいんだろうって悩みましたね。ひとつひとつのフレーズも試行錯誤しながら作りました。

── なんかかわいいピンクの包装紙に包まれたものをもらったと思って開けたら、中にグロいものが入ってたみたいな感じの曲ですもんね。

Maika ほんとそんな感じ(笑)。

Moto メロディがポップな分、サウンドはちょっと騒がしい感じにしたいって言ったのは覚えています。

── だんだん騒がしくなっていく感じがとてもいいんですけど、特に最後のサビではもうドッカンで、それでアウトロでちょっと切ない感じが入って終わるというのがガラリと雰囲気を変えますね。特にアウトロのベースラインは印象的です。

Maika あそこはスウィングをするかどうかで悩んだところで、基本的にはオクターブをポンポン行き来するフレーズで作って、で、スウィングした方がいいんじゃないってみんなとの話し合いでなって、でも苦手だったからすごい練習してやりました。

Moto 99テイク目?

Maika そうそう(笑)。

── ギターはどういうイメージでしたか?

Lily(Gt&Vo)

Lily 2Aのアルペジオのフレーズを最初は1Aでも重ねてたんですよ。でもそこをVaundyとも話して、ミュートしながら違うコード進行を重ねていく、ミニマルミュージックみたいな発想で小さな世界観を表現するっていうことを学びました。2Aからは元のアレンジが結構使われているんですけど、かわいくしようっていうイメージはありましたね。コード進行もいろいろ試してみて、バルトサーダンのところのフレーズとかは、トム・ミッシュみたいにしたかったっていうのもあったりして。

── ちょっとジャジーなテイストで。

Lily そうですね。テンションをちょっと加えてみようって。

── サビでドカンとくる分、それまでをどういうテンションで作っていくのか、は大事ですよね。やはりそこはライブでの経験が大きかったですか?

Maika 大きかったですね。サビで爆発するためにどこを弾けばいいか、弾かない方がいいかっていうのは、ライブの熱量を体感したからこそ知れたっていうのはありました。

── やっぱライブ楽しいですか?

全員 楽しい!

Maika ステージ上で一番ハジけてるかもしれない。

Lily ステージですごく自由になれる感じがあって、それがお客さんに伝わって、また返ってくるので、ライブは最高の空間なんですよね。

Text:谷岡正浩 Photo:吉田圭子

リリース情報

1stデジタルシングル「アンドロン」
11月24日(水)リリース
https://asab.lnk.to/undron

ライブ情報

「CONTACT!! Vol.16」
2021年12月20日(月)18:00開場、18:30開演
会場:大阪・心斎橋JANUS
出演:Re:name/Dannie May/Chilli Beans./なきごと
料金:前売3300円/当日3850円 ※入場時ドリンク代(¥600)が必要

「ANIMA NEW YEAR’S PARTY 2022」
2022年1月8日(土)16:45開場、17:30開演
会場:大阪・心斎橋ANIMA
出演:愛はズボーン/Chilli Beans./浪漫革命
料金:3,000円 ※入場時ドリンク代が必要

●詳細は公式サイトでご確認ください。

プロフィール

Chilli Beans.

Moto(Vo)、Maika(Ba&Vo)、Lily(Gt&Vo) による3ピースバンド。
YUI や絢香を輩出したことでも知られる「音楽塾ヴォイス」で 2019 年にバンドを結成。類い稀なソングライティングセンスはもちろん、メンバーそれぞれが高い歌唱力を持ち合わせており、その音楽的センスの高さとキャッチーさは早くも注目の的となる。2021年8月に初となる1st デジタル EP『d a n c i n g  a l o n e』に収録されている「lemonade」は Spotify「バイラルトップ 50(日本)」でデイリー1位、ウィークリー3位を記録。多くのアーティスト、クリエイターがリリース時にはSNSで発信するなど、徐々にその認知を広げ、多くのライブ出演を果たすなど積極的に活動する。そして、11月24日には1st デジタル Singleとなる「アンドロン」をリリースした。

関連リンク

公式サイト:https://chilli-beans.amebaownd.com/
Instagram:https://www.instagram.com/chillibeansmusic/
TikTok:https://www.tiktok.com/@chillibeans.official
Twitter:https://twitter.com/chillibeans_mc

番組概要

放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:PIA SONAR MUSIC FRIDAY
ナビゲーター:櫻井海音
放送日時:毎週金曜 22:30~23:00
番組HP:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarfriday/
番組twitter:https://twitter.com/SONAR_MUSIC_813
ハッシュタグ:#sonar813
番組LINEアカウント:http://lin.ee/H8QXCjW