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Furui Riho/PIA SONAR MUSIC FRIDAYインタビュー

Furui Riho 3年間の集大成を表現したアルバム『Green Light』 音楽で表現できているのは運命

特集連載

第40回

櫻井海音が最新のリリース楽曲からライブイベントまで、“いま聴くべき音楽” を厳選して紹介する『PIA SONAR MUSIC FRIDAY』から、番組連動インタビューを掲載。今回は、3月9日に1stアルバム『Green Light』をリリースし、新たなR&Bのスタイルとして各方面から注目を集めているFurui Riho(フルイリホ)が登場。約3年の集大成と自身も語る楽曲について話を聞いた。

一回ここで捨てて、前に進もう

── アルバムをリリースしてツアーも行って、ということで今の率直なお気持ちは?

やっと実感が湧いてきたというか。想像していた3倍くらいうれしいことだったんだ、アルバムを出すのって!って、今素直に思っています。

── シングルは特に昨年から立て続けにリリースされていましたけど、やはりアルバムというのは達成感が違いますか?

(活動を開始した)3年間を振り返って、その間に作ってきた作品がアルバムに入っているんですけど、こうしてそれが1枚にまとまってみると、改めてガムシャラに走ってきたんだなって感慨深いものがありますね。これまでもSNSを通じてたくさんのメッセージをいただいていたんですけど、アルバムを出すとこんなに反応って違うんだって思いました。

── アルバムの制作はいつくらいから始めたんですか?

半年以上前ですね。そこからどういう作品にしていくのかというのを話し合って、結果的に今までの曲をまとめて3年間の集大成にするという方向性で動き始めました。でもそれだけじゃなくて、そこに新しい曲を3曲入れることで、また新たに前に進んで行こうっていう意志を込めました。

── じゃあ、「青信号」(M-4)、「Candle Light」(M-5)、「ABCでガッチャン」(M-8)の3曲は、アルバム制作が決まってから作り始めた新曲ということですか?

そうです。

── リードトラックの「青信号」は、どういうところからイメージしていきましたか?

(プロデュースの)Yaffleさんのスタジオにお邪魔してセッションしていくところから始まったんですけど、そしたらあっという間にトラックが4曲出来上がったんです(笑)。

Yaffleさんは大リスペクトしているので、1曲でも恐れ多いのに、いきなり4曲できちゃって。どれにする?って言われて。うれしいのと戸惑いでもちろんすぐには選べなくて、おうちに持って帰って選びました。わたしが今までやったことのないサウンド感で、どう調理したらいいかが本当にわからなかったんです。だけど、サウンドを聴きながら、これはやっぱりわたし自身の3年間の集大成という意味をこめて“Green Light=青信号”にしようって思いました。

実は、歌詞に仕掛けがあって、アルバム収録の他の8曲の歌詞の一部分を「青信号」の歌詞に散りばめているんです。そういう意味でもわたしのこれまでをまとめたリードトラックになったなって思います。

── 曲自体も複数の曲をマッシュアップしたような面白さがありますよね。特にベースラインが入ってくるあたりからの展開はワクワクします。かつ全体の尺が短いという潔さもすごい!って思いました。

実は4曲のうちの2曲を混ぜたんですよ。

── あ、そうなんですね。それとサウンドですが、FuruiさんはR&Bがベースにあると思うのですが、この「青信号」に関してはヒップホップとディープハウスにグッと舵を切ったサウンドで、まさに先ほどおっしゃった、今までにないサウンド感ですよね。

わたしの新たな引き出しをYaffleさんが開けてくれました。でもその引き出しの中に何にも入ってなくて、わたし(笑)。何とかできたって感じでした。

── 藤井風さんや小袋成彬さんなどとのお仕事を見ていると、アーティストがもともと持っているものを、最大化するようなプロデュースワークがYaffleさんの持ち味だと思うんですよね。だからFuruiさんにクラブ寄りのサウンドを当てたということは、きっとそこにシンガーとしての可能性を見たのではないかなと思います。

Yaffleさんに言われて今でも覚えているのは、「結局どんな曲であろうと大丈夫、Rihoちゃんらしくなるから」って。それは背中を押された一言でしたね。

── 先ほど、この「青信号」が3年間の集大成というアルバムのコンセプトを体現する楽曲というふうにおっしゃったんですけど、歌詞の中の〈自分を見つけたのは ほらここまで来るためか〉という一節に、もうすでに過去を突き放している潔さを感じるんですよね。集大成から一歩踏み出しちゃってる感じが。

確かに。もう放さなきゃいけないなって思ったんです。この3年間、今まで自分の持っているものを集めて曲にしていて、その中身っていうのは、わたしが悩んだり傷ついたりしたこととか、そういうのばっかりを曲にしていたんですよ。

でももうウジウジした弱いわたしじゃこの先進めないぞって思って、だから一回ここで見切りをつけて歩き出そう、それが「青信号」のサウンドの新しさにもつながってくるのだと思います。一回ここで捨てて、前に進もうっていう強い想いを込めました。

── しかも、歌詞の中には〈Rebirth〉という言葉が出てきますが、これはアルバムの最後に収録されている曲で、Furuiさんにとってはこの曲から始まったと言っても過言ではない大切な曲ですよね。それが歌詞の中では〈置いていく〉という言葉につながる。ものすごい覚悟を感じました。

や〜、めちゃくちゃわかってもらっている感じがしてうれしいです(笑)。やっぱり「Rebirth」からいろんな人に聴いてもらえるようになって環境が変わっていったという実感があって、大事な曲ですね。

音楽しかないって吹っ切れたんです

── それまで書いていた曲と比べて「Rebirth」はどこが違いましたか?

ひとつはすごくリアルな歌詞になったと思います。今までは聴いている人に良く思われようとか、自分の気持ちをキレイな言葉に落とし込もうとしていたんですけど、そうじゃなくていいって思ったんです。もっと汚くて弱くてリアルなものを書いていこうってなったのは「Rebirth」からですね。

あとサウンドに関しても、それまでの曲は自分の中で“北海道感”があったというか。なんて言うんですかね。あったかみというか、ほんわかしすぎているというか。べつにそれはそれでいいんですけど、なんかそこに甘えているような気がしたというか。単純にカッコイイもの、いいものを目指さないといけないなって。

── やっぱりどこかで吹っ切れる瞬間があったんですかね?

「Rebirth」を書く3カ月くらい前かな。そのあたりからいろいろ失うものがたくさんあって、自分の生きる意味がわからなくなって。そうなると自分の価値を認められるものって音楽しかなくなってしまって。でも、その時点でわたしは音楽で何も残せていなくて。北海道にいるっていうハンデもあるし、時間は経っていくしっていうマイナスからのスタートっていう感じでした。でも、だからこそ、音楽しかないって吹っ切れたんですよね。そこから何がなんでも音楽にしがみついてやろうって必死になりましたね。

── 「Rebirth」って音だけで聴いたら、“逆戻りする=Reverse”っていうふうにも聴こえるんですけど、その意味も含ませている歌詞になっているっていうところに気持ちの切実さというかリアリティを感じました。

そういうふうにFuruiさんの歌詞は自身の考え方や生き方と密接にある言葉が中心になっていて、「青信号」や「Rebirth」はまさにそうした曲なのですが、もうひとつの軸があると思っていて。それが「Candle Light」や「でこぼこ」(M-6)「ABCでガッチャン」で表現されていて、こちらはもう少し自分を俯瞰で見ているような感じがするんですよね。より物語性があるというか。

ああ、なるほど。サウンドも真逆というか。ただ、どっちも自分自身のリアルではあるんですけどね。うちに秘めているわたしは「青信号」の系統で、表に出てくるわたしが「Candle Light」の系統なんですよね。そのふたつのどっちもが共存しているから“わたし”って言えるのだと思います。

── 「Candle Light」はA.G.Oさんがサウンドプロデュースをされていますが、どんなふうに出来上がって行った曲ですか?

A.G.Oくんはずっとファンで、いつか一緒にできないかなって思ってたんですけど、今回ご縁があってできることになりました。曲づくりの最初はふたりで居酒屋に行って、3時間くらい他愛もない音楽の話をして(笑)。

次の週くらいにスタジオにお邪魔して、そのときにはもうトラックが出来上がっていたんですよ。フックをスタジオで決めようよって言ってスタジオで聴いていて、そしたら一瞬で出来ちゃって。今のめっちゃいいね!って。5分くらいで。そのままピザを食べて終了(笑)。

そこからわたしが持ち帰って、メロをつけてすぐに完成しました。他の曲に比べてもすごく早かったですね、完成までが。

── ちょっと隙があるというか、インディー感のあるトラックが心地いいですね。

そうですね。お互いにRemi Wolfをこの時よく聴いていたので、そのへんをリファレンスしながらサウンドを作っていきました。

── 他の曲は力強く前に踏み出して行く感じが描かれているのですが、この曲はもう少しナチュラルというか、キャンドル1本分の燈が心残りとなっているっていう感じがとてもリアルですよね。

なんかお見通しすぎて怖いんですけど(笑)。ほんとその通りで、ツーっと1本、小さい火だけ残ってるんですよね、この3年間。ちょっと恥ずかしいんですけど(笑)。それをもういい加減吹き消そうと思って作りました。

今こうして音楽で表現をできているのは運命なんだなって思っています

── やっぱり言葉ひとつひとつに向き合っていくということは、自分自身を見つめることになるわけですから、なかなかキツイことでもありますよね。

そこがいつもしんどくて。自分の奥底にあるものだったり、普段直視していない自分の嫌なところだったりっていうのを毎回歌詞に取り掛かる前に、紙に鉛筆で書き出すんですよ。床一面にA4のコピー用紙が散乱するんですけど。自分の気持ちをいかに伝えられるかというのを整理しないと歌詞にできなくて、そこがいつもしんどーいって思いながらやっています。

── そこまでやらないと自分の歌にはならない?

はい、ならないですね。書いてみないとわからないことってあったりするじゃないですか。書いて初めて、そういうふうに思ってたんだって気づくことがあって。普通に会話するように出てくる言葉ってリアルではあるんですけど、本当に深いところまで突き詰められていないものという感覚があるんですよね。やっぱりそこまで突き詰めて、それを歌詞にすることで初めて聴く人にとっても心の奥まで届く言葉になるような気がしているんです。だからめちゃくちゃ自分を深掘りしています。

── どこまで潜ったら本当の自分だと言えるのか? そしてそうやって絞り出した言葉に対してのジャッジもしなければいけない、サウンドに乗せなきゃいけない……ものすごく自分が試されますよね。

本当に、どうしてこんなキツイことをしてるんだろうって思う時もあるんですけど、でもやっぱり表現することが好きだからやめられないんですよね。曲にできた時の達成感やそれを聴いてもらった時の喜びは他の何にも代えがたいので。表現する自由がまずわたしにはあって、その先にわたしと同じように悩んでいる人、つまづいちゃった人が前に進むヒントになればいいなっていう、このふたつが楽曲制作のモチベーションですね。

── それがFuruiさんにとっての音楽なんですね。

でも正直に言ったら、音楽じゃなくってもいいのかもしれない。べつに小説でも書道でも陶芸でも。でもわたしは小学校5年生の時にゴスペルに出会って、ずっと音楽に触れて育ってきて、いつもそばには音楽があったので、わたしの表現は音楽になるという感じです。もしゴスペルに出会ってなかったら音楽をやっていなかったかもしれないし、本当に今こうして音楽で表現をできているのは運命なんだなって思っています。

── ここからFurui Rihoさんの第2章が始まりますが、どのようにしたいですか?

今まで3年間はガムシャラにハアハア言いながら走ってきたので、いったんここで力を抜いて、もっとありのままというか。少し余裕のある感じっていうのかな、次の楽曲制作はそういうイメージで作っていきたいと思っています。さらに大きくなれるように、前に進めるように、スタッフと一緒になって音楽をやっていきたいと思います。

Text:谷岡正浩 Photo:吉田圭子

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リリース情報

Furui Riho 1stアルバム『Green Light』
Now On Sale
価格:2,530円(税込)

収録内容:
1. Purpose
2. I'm free
3. Sins
4. 青信号
5. Candle Light
6. でこぼこ
7. 嫌い
8. ABCでガッチャン
9. Rebirth

ライブ情報

INTERSECTION
4月28日(木)18:30開場/19:00開演
会場:GRIT at Shibuya
料金:前売3,500円/当日4,000円
出演: Furui Riho/Foi/Sala

ミュージックベンツ!-vol.3-
4月30日(土) 18:00開場/18:30開演
会場: BIGCAT at OSAKA
料金:前売5,000円
出演:Furui Riho / Blue Vintage / SPiCYSOL / TEE

プロフィール

自身のルーツであるゴスペルから生まれた、ソウルフルな力強さそして透明感のある歌声を武器に、自身で作詞・作曲・編曲に携わる表現者。グルービーなサウンドだけではなく、心に訴えかけるそのリリックは彼女の人生そのものである。
2019年に発表した配信Single「Floating feat. K-over」は2020年開催の北海道を舞台にした、コンベンション”No Maps”テーマソングに起用。2020年7月にリリースした「I’m free」はラジオ局パワープレイや、各所サブスクリプションサービスで多数のプレイリストにリスインするとたちまちリスナーは拡大し、リリースから間も無く10万回を突破。同年12月には名だたるアーティストのプロデュースを手がける若きトラックメイカー‟maeshima soshi”が参加したRemixをリリース。拠点を地元北海道に置きFM NORTH WAVEでは初のレギュラーラジオ「ななめに、ラブい。」がスタートと、2020年は飛躍の年となった。
2021年にはフジテレビ”Tune”では2021年NEXT BREAK ARTISTとして紹介、更に全国ラジオ局5局が加盟するJFLがセレクトする‟MUSIC FOR THE NEXT”に選出され、2度のライブツアーを成功させる。2022年にいよいよフルアルバム『Green Light』をリリースし、飛躍の契機となった「I’m free」がリリースから時を経て、じぶんクリニックのブランドムービーCMソングに起用されるなど、人気爆発寸前の大注目シンガーソングライター。

関連リンク

オフィシャルサイト:http://www.riho-music.com/
Twitter:https://twitter.com/furui_riho
Instagram:https://www.instagram.com/furui_riho/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCwTBo-lV8UIhsGMKZOGvPew

番組概要

放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:PIA SONAR MUSIC FRIDAY
ナビゲーター:櫻井海音
放送日時:毎週金曜 22:30~23:00
番組HP:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarfriday/
番組twitter:https://twitter.com/SONAR_MUSIC_813
ハッシュタグ:#sonar813
番組LINEアカウント:http://lin.ee/H8QXCjW