
近づきがたいほどに美しくて、その眼差しは息が止まるくらい艶っぽい。だけど話すと、そんなことを忘れさせるくらい、よく笑い、フレンドリー。
増子敦貴は、そんな多面体のような輝きを放っている。
注目を集めた『機界戦隊ゼンカイジャー』も完走し、俳優としてはネクストフェーズへ。さらに、所属する次世代ダンス&ボーカルグループ・GENICも全国ツアーを控え、今まさに飛躍のとき。
きっとこれからもっとたくさんの人たちの心を奪っていくであろう22歳の、気になる素顔を追いかけた。

── 7月6日(水)に2ndアルバム『Ever Yours』がリリース。ニューアルバムを引っさげて全国7拠点をまわるライブツアーもスタートします。
アルバムのレコーディングはこれからなので(※取材は3月中旬)、どんなものになるかまだわからないんですけど、またライブで全国をまわれるのはうれしいですね!
── 今年の頭には全国ライブハウスツアーもありました。経験を重ねていく中で、どんな成長を感じていますか。
いちばんは体力がつきました。土日はGロッソでヒーローショーに出演し、平日はGENICでいろんな都市をまわって1日2公演ライブするってやっぱりハードで。身体的にキツいなというときもある。それを無事に完走できたことで、たぶん今、無敵の体力なんじゃないかなと思います(笑)。
── 確かに、あれだけのパフォーマンスを毎公演となると体力を使いますよね。
それこそまだデビューして間もない頃はライブというだけで緊張するし興奮もするから、なかなかうまくコントロールできなくて、序盤からいきなり飛ばしちゃって体力が持たないこともあったんですよ。そこをちゃんと最後までパフォーマンスを落とさないように、体力の配分ができるようにはなりました。
── ライブが終わったあとは、メンバー同士で話し合ったりもするんですか。
しますね。リーダーの(西本)茉生くんとは毎回ライブが終わったあとにお互いの感想を話し合っています。やっぱりどれだけやっても課題って出てくるんですよね。ここが弱かったとか、ここが不完全燃焼だったとか、そういう話も遠慮なくしますし。だからこそ、もっと良くしたいという気持ちも生まれる。グループとしても、MCの流れについてアイデアを出し合ったり。今まで以上にみんなでたくさん話し合えたライブハウスツアーになったんじゃないかなと思います。
── 2020年にデビューし、今年の11月で結成3周年を迎えます。同じ時間を過ごす中で、どんなときにメンバーの結束の深まりを感じますか。
やっぱりライブですね。ライブをやるごとに、どんどん更新されている気がします。この間のライブハウスツアーでも、最終公演が金沢だったんですけど、最後の曲ですごい盛り上がって。そのときのみんなの横顔を見ていたら一緒にやってきて良かったなと思うし。終わったあと、ホテルでみんなで「お疲れ様」って言いながらちょっと話したんですね。そういう何でもない時間にどんどん絆が深まっているのを実感します。
やっぱりライブって本番までは不安なんですよ。いいものにしたいからこそ緊張感が生まれるし、リハーサルもちょっとピリついたりする。人間だから、日によっては体調が良くないときだってあるじゃないですか。そういうのを全部乗り越えた上での本番だからこそ、より7人でひとつになっている感覚が強いのかもしれないです。
── ちなみに、ライブハウスツアーでのちょっと笑った思い出はありますか。
まさに金沢のファイナルのときなんですけど、最後だからこそ気持ちが前のめりになっちゃって、金沢なのに「横浜ありがとう!」って言っちゃいました(笑)。
── それは大失敗ですね(笑)。
思わず「あ、間違えた」って言っちゃいました(笑)。でもみんな笑ってくれて。本当、GENImin(GENICのファンネーム)がみんな優しくてよかったです。
最近は『イナズマイレブン』を延々と観ています

── では、ここからは素顔の増子さんを深掘りさせてください。よく蒙古タンメン中本の北極ラーメンがお好きという話をされていますが、辛いものが好きなんですか。激辛カレーとかもいけるタイプですか。
カレーはまだ試したことがないんですよ。某ココイチに「10辛」というのがあるらしいんですけど。
── 全然隠せていないですけど、某ココイチですね(笑)。
某ココイチです(笑)。その「10辛」を一度試してみたいなと狙っているところです。
── お酒は何が好きですか。
ビールが好きです。以前はアサヒが好きだったんですけど、今はキリンにハマっています。
── 肉派ですか? 魚派ですか?
肉です! 焼肉が好きで。あ、それこそ『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』の中で焼肉のシーンがあったんですけど、僕は食べるシーンがなかったので、ずっと食べたい欲と戦ってました(笑)。
── 焼肉は何から行きますか。
最初は牛タンからですね。
── 好きな部位は?
レバーかな。癖のあるものが好きなんですよ。食べ物で言うと、パクチーとか。逆に、脂っこいものはあんまり食べないですね。
── みんなで焼肉に行ったら率先して焼いてあげるタイプですか。
人によりますね。きいちゃん(駒木根葵汰)と行くときは、きいちゃんが焼いてくれるので、そこはもう任せますし。(GENICの)メンバーで行くときとかはたぶん僕が焼くかな。年下も多いし。
── 焼肉では野菜は食べますか。
パプリカと玉ねぎは食べるんですけど、にんじんはちょっと…。
── にんじん、嫌いですか。
あんまり…。カレーとかに入っている分には柔らかくて好きなんですけど、生野菜状態のものは苦手です。
── では、最近ふれたエンタメで感動したものは?
『イナズマイレブン』です。
── 結構前の作品ですよね。
僕、世代なんですよ。小学校の頃、ずっと観ていたので、つい懐かしくなっちゃって、最近は『イナズマイレブン』を延々と観ています。
清水翔太さんの『My LOVE』を聴いて上京しました

── では、次は音楽に関するお話をさせてください。最近よく聴いているのは、どなたの曲ですか。
最近ハマっているのはセカオワ(SEKAI NO OWARI)さん。もともとすごいアーティストさんだということはわかっていたんですけど、最近歌詞を読んでいて改めてすごいなと。セカオワさんはミステリアスで、結構ダークなイメージもある。あの世界観は、Fukaseさんだから書けるもの。
中でも『天使と悪魔』という曲が好きで。簡単に説明すると、自分が正義だと思っていることが他の誰かから見たら正義ではなくて。正義と正義のぶつかり合いがまるで戦争みたいだねという歌なんですけど。1年間、僕もヒーローをやってきたからこそ考えさせられるというか。ヒーロー番組を観て子どもたちは悪は倒さなきゃいけないものだと思うみたいな歌詞なんて、特に刺さるものがありました。
── 鋭い歌詞ですね。
しかもそれを押し付けないんですよ、Fukaseさんは。きっとそうなんじゃないかなって、自分の考えを述べているだけ。でも想いが伝わってくる。そこが素敵です。
── では、増子さんがつい共感しちゃうラブソングは?
ラブソング…? なんだろう。僕、あんまりラブソングっていう括りで曲を聴かないんですよね。でも今パッと思いついたのは、YUIさんの『CHE.R.RY』かな。
── いいですね!
いちばんラブソングっぽい感じがするなって。僕も中学生の頃はこの歌詞みたいにメールでドキドキしました(照)。

── ちなみに結婚式のときにかけたい曲ってありますか。
え〜? …国歌!
── 予想外のセレクト(笑)。
日本人魂を忘れず、新郎新婦入場がしたいです(笑)。
── では、自分を奮い立たせてくれる応援ソングは?
ロードオブメジャーさんの『さらば碧き面影』ですね。『MAJOR』というアニメが好きで、その2期のオープニングテーマがこの『さらば碧き面影』だったんですけど、今でも落ち込んだときによく聴きます。
── 増子さんの選ぶ卒業ソングは何でしょう。
悩むなあ…。僕、すごい大好きなんですよ、卒業ソング。だからいっぱいあるんですけど、今は『イナズマイレブン』をずっと観ているので、イナズマイレブンの『またね・・・のキセツ』しか出てこない(笑)。イナズマオールスターズっていうかたちで『イナズマイレブン』の声優さんたちが歌っているんです。いい曲なんで、ぜひ聴いてください!
── では、増子さんが思う上京ソングも聞かせてください。
僕が上京したのは6年前、高1のときなんですけど、そのときにちょうど聴いていたのは清水翔太さんの『My LOVE』でした。というのも中学生のときに清水翔太さんが地元の郡山までライブに来てくれて。自分でチケットをとって観に行ったんですよ。そこでライブのすごさを知ったというか。
清水翔太さんはライブごとにすごくアレンジをされる方で、同じ歌でも全然違うんです。そのときその場でしか聴けない歌という感じがして、ライブってこういうものなんだって感動したし圧倒された。それ以来、ずっと清水翔太さんを聴いていて、上京の日は『My LOVE』を聴きながら東京に来ました。
地元・福島の魅力を伝えていきたい

── 増子さんは福島県出身ですよね。やっぱり東京に来ても地元への愛は変わらないですか。
変わらないですね。僕、ひそかな目標のひとつが福島の観光大使になることなんです。東京って、やっぱりどこか戦いに来ている感覚がありますよね。上京したての頃はそれこそ東京駅が複雑すぎて、マップを見ないと進めなかったり、街並みのすごさに圧倒されていたのが、今は何も見なくてもどこにでも行けるし、良くも悪くも東京という街に染まったところがあって。そういうときに自分も東京に馴染んだなと思う反面、どこか故郷から心が離れてしまったんじゃないかなっていう寂しさを感じたりするんですよね。
でもやっぱり僕は東京で身につけたものを、いつか故郷に還元したい。福島って人も街もあたたかくて、自然がすごく綺麗なんですよ。そういう福島の魅力を伝えていくことは自分の役目のひとつだと思うし、そうやって故郷に恩返しができればなと思います。
── 最近里帰りはされましたか。
お正月に2日間だけですけど帰りました。
── ご両親も今のご活躍を喜んでらっしゃるでしょうね。
そうですね。でも、うちの場合、両親が本当によくこっちに遊びに来るんですよ。だから、大して寂しくもない。息子としてはもうちょっとレア感を出したいんですけどね(笑)。頑張るから、離れていても見守っててよって。でもうちは来ちゃう。来て見守っちゃう(笑)。

── 素敵なご両親です(笑)。じゃあご両親が来たときは東京案内をしたりとか。
いや、そんなのが必要ないくらい来てるので。たぶん僕よりいろんなところに行ってるし知ってると思います(笑)。
── ご両親、仲良しなんですね。
そうですね。母はできるだけゆったりしたい派なんですけど、父がいろんなところに行きたいタイプで。そこはなかなか大変そうです(笑)。
── 増子さんはお父さん似ですか? お母さん似ですか?
父親似ですね。たまに母が父に対して小言みたいなことを言うんですけど、それが全部「俺もそれ言われたわ」「自分でもわかるんだけど、仕方ないんだよね。わかるわかる」みたいなことばっかりで。つい父親の肩を持ちたくなってしまう自分がいます(笑)。
── ご両親の教えで今も大切にしていることはありますか。
たくさんありますけど、いちばんは母から言われた「人に優しくしなさい」かな。母は何かあると優しさや思いやりがいちばん大切だよと言っていて。特定の人だけじゃなくて、誰に対しても優しくしなさいと教えてくれました。当たり前のことですけど、それがいちばん響いたというか。できる限り人に優しくというのは、僕も大切にするようにしています。

撮影/友野雄、取材・文/横川良明、ヘアメイク/佐藤真希、スタイリング/石橋修一、衣装協力/シャツ¥29,700、パンツ¥35,200(共にSHAREEF/Sian PR)
カットソー¥10,780(DIFFERENTLY/ADONUST)
シューズ¥38,500(meagratia/Sian PR)
イヤーカフ¥9,900(HERGO/ROle)
NUMBER(N)INE 東京都目黒区青葉台1-13-4 近代施設ビル4F
03-5457-2507
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