Vol.9『愚か者のブルース』加藤雅也＆佐々木心音「夢“で”生きてる男はダメ」

広島発、ストリップ劇場3部作の最終章がついに全国公開

『浮気なストリッパー』『彼女は夢で踊る』に続き、広島発“ストリップ劇場3部作”の完結編となる『愚か者のブルース』は、恋人とストリップ劇場に身を寄せる元映画監督のヒモ男と、歓楽街の人間模様を描くヒューマンドラマ。

加藤雅也が主演を務め、30年前に伝説の映画を監督したが、今はすっかり過去の人となってしまった冴えない映画監督を演じる。

その“ヒモ”を健気に支えるピンサロ嬢を、テレビやグラビアで活躍中の熊切あさ美、加藤に女を寝取られたチンピラを実力派・仁科貴、加藤と熊切が逃げ込むストリップ劇場の館長を、監督と脚本も務める横山雄二が熱演。

さらに広島の歓楽街に息づく風変わりな仲間たちに、筒井真理子、お笑いコンビ・デンジャラスのノッチ、元AKB48の小原春香、佐々木心音、39年ぶりの映画出演が話題のピンク・レディー未唯mieらが出演。

また、現役ストリッパーにして女優の矢沢ようこがステージのダンス監修を担当。友情出演として爆笑問題の太田光も作品に色を添えており、実力派・個性派俳優が勢ぞろいし、昭和の香り漂う大人の泣ける物語が繰り広げられる。

劇中に登場してきた広島に実在するストリップ劇場・第一劇場は、多くのファンに惜しまれながら2021年に幕を閉じた。本作には、時代の移り変わりを象徴するかのような、劇場解体時の貴重な映像も収められている。

30年前、伝説の映画を監督したが、今や過去の人となっている男・大根（加藤）。大根は、ピンサロ嬢として働くタマコ（熊切）のヒモとなり空虚な生活を送っている。

そんなある日、タマコの昔の男が現れる。大根とタマコは広島のストリップ劇場に逃げ込み、館長（横山）の計らいで、劇場の楽屋に住み込むことに。しかし大根がストリッパー（小原）に手を出したことで、それぞれの関係性が崩れ始め……。

加藤雅也＆佐々木心音インタビュー「生半可な気持ちでやってはいけないと思った」

── またこの広島を舞台にした横山雄二さんの作品ということで、今回どういうところでお話が生まれていったんですか？

加藤雅也（以下：加藤）　前回（『彼女は夢で踊る』）の撮影中に「今度は横山さん監督でやったら？」という話ぐらいですね。

── 今回映画の中にもポスターがちゃんと貼ってあって。

加藤　そうですね。で、話はこういうのが面白いんじゃない？っていう、いつも横山さんと話している感じの中から出てきた、クズな男で、とか、映画監督で、とか。

この（映画の）中で使った言葉で、「夢“に”生きている男はいいけど、夢“で”生きてる男はダメだよ」っていう言葉は、僕がどこかで聞いて、それ言い言葉だなってことでセリフに入れてもらったんですよね。

── あのセリフ秀逸でしたね。観ながらおっしゃる通り、そっちの人とは付き合ってはならぬ、って。

佐々木心音（以下：佐々木）　本当にそうです。

加藤　夢に生きている人は努力してるんだけど、夢で生きている人は夢を見ていることだけで生きてるから。

── この映画の中で、グロリア（演：佐々木心音）が大好きすぎて。

加藤　みんな言うね！

佐々木　ありがとうございます！

── 職人気質なんですよ一番、ちゃんとプロ。めちゃめちゃかっこよかったです。あのキャラクターはどうやって生み出したんですか？

佐々木　（ストリップ劇場の）館長が夜通し踊りの練習に付き合ってくださって、照明も音響も、スタッフさんも全員総出で、夜中2時くらいまで。すごいうれしくて……。

── あのシーンの中で、カット割りで女性のお客さんが映ってくるじゃないですか。あれがまた良くて。

加藤　あのお客さんはみんな本物だからね。『彼女は夢で踊る』のときもそうだったけど、あの目はエキストラではできないですよ。本当に良い目をしてたから。

あのお客さんたちは目が肥えてるからね。グロリアは新人っていうか、ベテランに見えるから。

佐々木　ベテランっていうのがまず設定上ついていたので、生半可な気持ちでやってはいけないと思って。本当のストリッパーさんたちが見て納得できないと、絶対納得できないキャラクターだと思ったので。

インタビューではこのほかにも、映画や人生（恋愛）論についても熱く語っていただきました。

さらに、東映チャンネル本編では、ふたりの好きな東映作品についても語っています。ぜひあわせてご覧ください！

『愚か者のブルース』
11月18日（金）全国順次公開

データ

「伊藤さとりのシネマの世界 Vol.50」『愚か者のブルース』放送日時
2022年11月13日（日）22:20～22:30
2022年11月23日（水）23:50～24:00
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