【動画インタビュー】気になる!あの映画の“ウラ話” by.映画パーソナリティ 伊藤さとり
Vol.18『クモとサルの家族』宇野祥平&徳永えり「宇野さんと夫婦っていうだけでやります!って思いました(徳永)」
第18回
伊藤さとり、徳永えり、宇野祥平
映画パーソナリティ・伊藤さとりのYouTube番組「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」。
新作映画の紹介や、完成イベントの模様を交えながら、仲良しの映画人とゆる~い雰囲気の中でトークを繰り広げます。他ではなかなか聞き出せない、俳優・監督たちの本音とは?
今回は映画『クモとサルの家族』から宇野祥平さんと徳永えりさんが登場! 意外にも初共演というおふたりのお互いの印象や今回夫婦役を演じた感想など、たっぷりとお話いただきました。
映画人たちの貴重な素顔をご堪能ください。
宇野祥平×徳永えりW主演“家族”をテーマにしたアクション時代劇

江戸時代初期を舞台に、専業主夫、家計を支える妻、連れ子と孤児の4人の子供たちが人助けをしたことから戦いと逃走の日々に巻き込まれていく姿を描いたアクション時代劇。
『耳をすませば』をプロデュースした長澤佳也監督オリジナル脚本による本作は、時代劇でありながら、現代の日本で実践され始めている主夫、血縁関係でない兄弟姉妹、移住先でのスローライフ、食育といった、普遍的な家族の暮らし方を考えさせてくれる。このような深いテーマがありながら、心躍る忍術や痛快なアクションシーンもあり、エンターテインメントとしての面白さもある一作だ。

森の中で狩りをしながら暮らしている家長のサルと、家計を支える妻クモ、そして4人の子どもたち。クモは超売れっ子の忍びで、一家は彼女の稼ぎで生計を立て、サルは専業主夫として家庭を守っていた。4人の子どもたちは、夫婦の実子とクモの連れ子と孤児という複雑な関係である。
ある日、子どもたちが峠で倒れている老人を発見。しかし、峠には天狗という凄腕の狙撃手がおり、侵入者を狙っていた。子どもたちは危険を顧みず救出し、記憶が曖昧なその老人をサルの家で世話をすることに。そんな中、クモの調べで老人の正体が椿藩藩主・貴虎であることが判明! 彼には莫大な懸賞金が掛かっており、賞金稼ぎたちがサル一家に襲い掛かり……。

宇野祥平が元忍びの専業主夫・サルを、徳永えりが売れっ子忍びで家計を支える妻・クモを演じた。そのほか奥田瑛二、緒川たまき、どぶろっくの江口直人、黒羽麻璃央、白石加代子、仲村トオルらが脇を固める。
ちなみに、本作は映像の質感と撮影現場の緊張感にこだわるため、35mmのフィルムで撮影。そんな監督こだわりの映像にも注目を!

「あの妙な宇野さんの醸し出すエロスは何なんですか(笑)?(徳永)」

── 夫婦役は初めてですか?
宇野祥平&徳永えり(以下:宇野、徳永) 共演が初めてです。
── えー!
徳永 もう、うれしくて(笑)。私はめちゃくちゃうれしかったです。
宇野 いやいや、僕も! 昔住んでたところに映画館があったんですけど、徳永さんの赤いコート(が印象的な)、『春との旅』をすごい覚えていて。
徳永 なんでそれ、現場中に言ってくれなかったんですか(笑)?
宇野 あれ、言わなかったっけ?
徳永 今初めて聞いた気がする。
宇野 毎日のように見ていましたし。あと、初主演ドラマが『恋のツキ』だよね?
徳永 そうです。
宇野 僕の古くからの友達というか先輩が脚本を書いていて。
徳永 えー!!
宇野 それもあってなんか……。
徳永 知らなかったです。今知りました。
宇野 だから勝手に前から知っているような感じで。
徳永 そうだったんですね。私は宇野さんと夫婦っていうだけでやります!って思いました。こんなワクワクすることないじゃないですか(笑)。うれしかったです。撮影中もずっと楽しかったです。
── 宇野さんの作品だと特にどれが印象深いですか?
徳永 だって宇野さん、もう出過ぎてて。どれ観たって宇野さんいるし。今日も新しい映画の作品の予告編とか観て、「あれ、また宇野さん出ている!」と思って。どこにでも宇野さんがいるから、宇野さんの存在がもうすごく好き過ぎて。勝手に現場でずっと宇野さんのことを見てました。「今日は宇野さんいないのかぁ」って勝手に寂しくなってたりしてました。
宇野 嬉しいです。

── しかも、タイトルが『クモとサルの家族』って、予告とか見ないでただの感覚で言うと現代劇かなと思いきやの時代劇。しかも元忍者みたいな。めちゃめちゃ面白かったですよ。冒頭からアクションで。
徳永 初めてアクションしました。
宇野 全然初めてに見えないですね。
徳永 本当ですか(笑)!? 初めて練習もさせていただいて。普通の殺陣じゃなくて、私は忍者というかクモなんで“二丁鎌”でやっていて。“二丁鎌”をガンアクションみたいな感じで出してほしいって監督に言われて(笑)。
だから私もそうですけど、美術さんも何回仕掛けを作っただろうみたいな、みんなで試行錯誤しながら、これをいかにどう恰好よく出すかとか、そういうことをずっとやってました。
相手ありきなので、受け身を取ってくださる方にケガがないようにってビビっちゃうとそれがバレてるって先生に怒られて、「うーん」って、そのせめぎ合いというか、なかなか難しいもんだなって思いました。
── でも、冒頭の出方から格好いいじゃないですか。
徳永 いやいや、もう恐れ多いです。

── 香港映画とか中国映画とかキョンシーとか、ああいうのを観て育っている世代なので、あの“二丁鎌”は二丁拳銃じゃないんかい! と思いながら(笑)。
徳永 そうなんですよね(笑)。鎌なんですよね。
── しかも、宇野さんが出てくる瞬間も面白かったですね。出てきたかと思いきや、もうウナギ……?
徳永 いや、小さいアナゴでした。
── アナゴを捌くって。
宇野 いや、難しかったですね。
徳永 あれも練習なさったんでしたっけ?
宇野 練習しましたけど、難しかったです。
徳永 これ(手を使った忍者ポーズ)も練習したんじゃなかったんでしたっけ?
宇野 うん、しました。
徳永 ちょっとやってみてください。
宇野 もうできないですね。
徳永 でも、なんかあのできなさが宇野さんだって勝手に思って(笑)。
宇野 ほんと難しくて。
徳永 本当ですか? 一応全部練習したんですよね?
宇野 しました。
徳永 でも、もう嫌ってなりました?
宇野 一応やりましたよ。でも、ただやっぱり練習が足りなかったんだと思います。

徳永 いやいや、もうなんかあれが宇野さんというか、サルっていうキャラクター性がすごい出ていて、私はめちゃくちゃ好きなシーンなんですよね。
── 目刺した……アナゴ……捌いた。その後、猪も捌くじゃないですか。自然の中で自然のありがたみを感じながら食すっていうのも描いてるじゃないですか。映画の中でみんなでジンギスカンみたいなものを……(笑)。
徳永 ジンギスカンおいしかったです。普通においしくて、みんなバクバク食べて、命をいただくということはこういうことなんだなと思いましたね。
── しかも、あの夫婦の仲の良さっていうのを、体を揉むっていうので表現しているのが私は好きでした。
徳永 あの妙な宇野さんの醸し出すエロスは何なんですか(笑)?
宇野 エロス!?
徳永 わかりますよね?
── わかります!!
徳永 こっちはそんな気がさらさらないのに。あれは何ですか?
宇野 普通に恥ずかしいじゃないですか。だってなかなかやったことないんで。おばあちゃんぐらいにしかマッサージやったことないというか。しかも、あの恰好ですよ。
徳永 確かにふんどしでね。
宇野 やっぱり緊張しますよね。
徳永 緊張だったんですか?
宇野 いや、緊張するよ!

徳永 本当ですか? 何ですか? あの艶っぽい目は。
宇野 どうなんですかね……サルとしてはそういう気持ちもまぁね……。
── じゃあ、一応はそこも演技の中に入ってたんですか?
宇野 そうですね。どう見えてもいいように見えたらいいなと。そういうことにしておいてもらっていいですか(笑)。
徳永 でも、大正解じゃないですかね(笑)。
宇野 普通のこの普段の関係性というか、その場で生まれるものを徳永さんも大事にされているように感じたので、そのままいさせて頂きました。
徳永 なんかすごい愛情は伝わりますよね。めちゃくちゃサルさんはクモのこと好きなんだなっていうのは感じましたけどね。
── 私もこんな旦那いいねって思いましたね。
宇野 本当ですか?
── 思いました。思いました。だって、ちょっと弱そうに見えて実は強いとか、やるときはやるときはやるとか。あのとき、ちょっと中盤の素晴らしい戦いのところで視線をこうずらしながらの動きが最高でした。
徳永 宇野さんって一気に狂気になるからすごいなって思うんですよね。
宇野 そんな褒めてもらっていいんですかね。
徳永 どういうことですか(笑)? でも、そんな気がします。

── すごく映画の中でみんなが楽しんでるのが見えて、しかも演技もある意味ちょっとオーバーな表情とかもあって。私は冒頭のところ、仲村トオルさんたちが出てくる、あそこからどういう話になるだろうって。姥捨山から忍者……えっー!!っていうね。そこの脚本の伏線もすごく面白かったです。
徳永 そうですね。最初に台本読んで現場で撮っていた以上に出来上がりがカラフルでエンターテイメントでポップで。現場中はあんな出来上がりを想像してなかったので、「あぁ、こういう形になるんだ」ってすごい新鮮でしたね。
このほかにも、共演した奥田瑛二さんとの思い出や35mmで撮影した感想などを語っていただきました。
後半では、宇野祥平さんと徳永えりさんのおすすめ映画も教えていただきました! ぜひ動画全編もご覧ください。
『クモとサルの家族』
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