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【動画インタビュー】気になる!あの映画の“ウラ話” by.映画パーソナリティ 伊藤さとり

Vol.25『リバー、流れないでよ』藤谷理子&上田誠(原案・脚本)&山口淳太(監督・編集) 「撮影延期で5回ぐらいくじけました(山口監督)」

第25回

(左から)上田誠(原案・脚本)、藤谷理子、伊藤さとり、山口淳太(監督・編集)

映画パーソナリティの伊藤さとりが注目する最新映画のキャスト、監督、スタッフ等にインタビューする、東映チャンネルのオリジナル番組「伊藤さとりのシネマの世界」。

7月のゲストは、現在公開中の映画『リバー、流れないでよ』から、主演の藤谷理子さん、原案・脚本の上田誠さん、監督・編集の山口淳太さんが登場!

撮影ウラ話満載のインタビュー映像をお届けします。

劇団ヨーロッパ企画が放つタイムループコメディ

『リバー、流れないでよ』

『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半タイムマシンブルース』の脚本や、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』日本語吹替版脚本を手掛ける上田誠率いる劇団ヨーロッパ企画。本作『リバー、流れないでよ』は、世界27ヵ国53の映画祭で上映&23もの賞を受賞した第1弾『ドロステのはてで僕ら』に続き、上田誠が原案・脚本を、映像ディレクターの山口淳太が監督を務める、ヨーロッパ企画制作によるオリジナル長編映画第2弾だ。

物語は、京の奥座敷と呼ばれる貴船を舞台に、繰り返す2分間のループから抜け出せなくなってしまった仲居や観光客の混乱を描く群像劇。ロケは、貴船神社と料理旅館「ふじや」の全面協力を得て、2023年1月に敢行。途中、10年に1度と呼ばれる最強寒波直撃による豪雪で撮影中止に追い込まれるも、奇跡のリカバーで無事に完成した。

『リバー、流れないでよ』

老舗料理旅館「ふじや」で働く仲居ミコトを藤谷理子(ヨーロッパ企画)、料理人見習いのタク役を鳥越裕貴が演じ、本上まなみ、早織、近藤芳正らが脇を固める。そのほか、乃木坂46の久保史緒里が物語の鍵を握る役で友情出演、永野宗典、角田貴志、酒井善史、諏訪雅、石田剛太、中川晴樹、土佐和成らヨーロッパ企画のメンバーも多数出演する。

『リバー、流れないでよ』

また、主題歌として、京都出身のロックバンド・くるりが、EP作品『愛の太陽 EP』の収録曲「Smile」を楽曲提供。木管楽器がフィーチャーされたあたたかいムードの楽曲が、ドラマを盛り上げる。

『リバー、流れないでよ』

京都府・貴船の老舗料理旅館ふじやの仲居ミコトは、ある日、貴船川のほとりにいたところ、お女将に呼ばれ仕事に戻る。

しかし2分後、ミコトは再び貴船川のほとりに佇んでいた。他の仲居や番頭、観光客も、熱くならない熱燗や減らない料理に異変を感じ始めて……。

“2分間のループ”の2分にこだわる理由とは?

『リバー、流れないでよ』

── 私は『ドロステのはてで僕ら』のファンでもありまして、ついに(ヨーロッパ企画)第2弾の映画が作られたということで、わくわくして観たんですけど、めっちゃ面白かった。

3名全員 良かったー。

── しかも貴船神社のあの周辺を舞台にするなんて、これはもう海外の映画祭間違いないだろうって勝手に思ってました(笑)。

上田誠(以下:上田) それは勿論ね。そうなれば嬉しいですし。

── それで京都出身の藤谷さんが主演になって、地元での撮影っていうのはどうでした?

藤谷理子(以下:藤谷) 私、貴船出身なんですけど、脚本をお書きになってる段階から私が貴船出身ということもあって、取材じゃないですけど、脚本の相談みたいなのにも乗っていて。そんな本読んでてロケーションが浮かぶってあんまりないじゃないですか。すごい不思議な体験をしてるなっていう気持ちで、内容どころじゃなかったです。最初は。

脚本を読んでても「あそこで、あっ、今度こっちでこんなこと起こっている……」みたいな。そういうのがわっーて頭に浮かんで、最初はそれどころじゃなかったんですけど、脚本を読んだらもうめちゃくちゃ面白いので、地元ってことも忘れて、夢中で読んでしまいましたね。

── でも、ほんとうに画が綺麗だった。こんなに雪が似合うんだと思いながらも。

上田 でも言ってましたよね? 刻一刻と変わっていくっていうのが魅力なんでしょう?

藤谷 貴船ですか?

上田 うん。

藤谷 そうですね。まあ、夏もいいですけど、やっぱりシーンとしているんですよね。貴船の冬って。雪がしんしんって聞こえてきそうなぐらいの気持ちよさみたいなものがあって。

小っちゃい頃から冬って本当に人いないけど、冬の方が綺麗なのにな、なんて思ってたぐらい。だから、それを撮ってくださったのはなんか地元民としてもちょっとうれしい感じがします。

『リバー、流れないでよ』

上田 だから、最終的にその撮影が延びたこともあって、ちょっと春に近づいていったんですよ。で、最初はこれ、冬の物語なんでなんとか季節変わらないうちにって思ったんですけど。

でも、それも含めてやっぱり美しい景色の中で撮影ができるなら、物語の方をちょっとそっちに寄せていくぐらいの事の方が、この映画にとっては幸福なんじゃないかというふうに切り替えたのが大きかったですね。

山口淳太(以下:山口) 相当切り替えましたね。シフトチェンジしました。

上田 監督、完全にくじけてましたからね。

山口 くじけていました。5回ぐらいくじけました。

── 何でですか?

山口 いやもう、想定した画にはならないってことが何度も訪れるんですよ。で、その時にやっぱりこういう繋がりでとかって考えているのが本当に崩壊するので。

藤谷 ゼロからになる?

山口 ゼロからになるので。それで新たな理由付けというか、後手にはなるんですけども、理由付けて考えていったっていう感じです。

── だから観ながら繋がり、編集とかも大変だよなって後でふと思ったんですよ。なんか観てて、「この人がさっきここにいたけど、今次の時にいないんだけど、なんで?」とかひとりでつっこんだりしてたんですよ。でもそうするとちゃんと出てくるじゃないですか。「どこどこ行ってた」とか言って、ちゃんと考えてると思って(笑)。

上田 いや、でもそれもいろいろあって、やっぱり……。

── つっこむと次にまたちゃんとしてくるからね。

上田 そうそう、まさにね、追撮になるとスケジュールも崩れて、出られない役者さんもいれば、逆にもともと無理だけど、来られるという方もいて。

『リバー、流れないでよ』

── でも、山口監督に聞きたいんですけど、何で2分にこだわるんですか?

山口 2分は上田さん……。

── 上田さん? 『ドロステ』からずっと?

上田 僕ですね。2分は。2分って何か事を起こして回収したりとか、っていうことをする最小単位かなって自分の中で思ってて。1分だと、さすがにちょっと何もできなくて。2分っていうのは、僕すごい気に入ってて。

── 3分じゃない?

上田 3分だと長すぎるんですよね。

藤谷 長すぎますか?

上田 そうですね。前作『ドロステのはてで僕ら』の時は、すごい時間の計算をしなきゃいけなかったので。

── 大変ですよ。本当に。

上田 例えば1分40秒とかが最適かもしれないですけど、それだともう足し算が大変だったりするんで、2分で揃えようってなったのがきっかけで。

じゃあ今回も、2分がいいんじゃないかなって。まさにこの半径でやれることって言ったら、ちょうどそれぐらいかなっていうとこで決めましたね。



動画ではこのほか、藤谷さんが2分で芝居をしないといけなかったという撮影時の苦労エピソードも! また、お三方のお気に入りの東映作品についても語って頂きました。ぜひあわせてご覧ください。


『リバー、流れないでよ』
公開中
(C)ヨーロッパ企画/トリウッド2023

Vol.25『リバー、流れないでよ』藤谷理子&上田誠(原案・脚本)&山口淳太(監督・編集)

データ

「伊藤さとりのシネマの世界 Vol.58」『リバー、流れないでよ』放送日時
2023年7月26日(水)12時50分~13時00分
https://www.toeich.jp/information

東映チャンネル公式サイト
https://www.toeich.jp/