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【動画インタビュー】気になる!あの映画の“ウラ話” by.映画パーソナリティ 伊藤さとり

Vol.26『リバー、流れないでよ』ヨーロッパ企画の5名が語る、タイムループものだからこその苦労エピソード

第26回

(前列左から)伊藤さとり、藤谷理子、上田誠 (後列左から)永野宗典、酒井善史、石田剛太

映画パーソナリティ・伊藤さとりのYouTube番組「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」。

新作映画の紹介や、完成イベントの模様を交えながら、仲良しの映画人とゆる~い雰囲気の中でトークを繰り広げます。他ではなかなか聞き出せない、俳優・監督たちの本音とは?

今回は現在公開中の映画『リバー、流れないでよ』からヨーロッパ企画の藤谷理子さん、上田誠さん(原案・脚本)、永野宗典さん、酒井善史さん、石田剛太さんの5名が登場! 本作の魅力や撮影エピソードなど、たっぷりとお話いただきました。

映画人たちの貴重な素顔をご堪能ください。

劇団ヨーロッパ企画が放つタイムループコメディ

『リバー、流れないでよ』

『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半タイムマシンブルース』の脚本や、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』日本語吹替版脚本を手掛ける上田誠率いる劇団ヨーロッパ企画。本作『リバー、流れないでよ』は、世界27ヵ国53の映画祭で上映&23もの賞を受賞した第1弾『ドロステのはてで僕ら』に続き、上田誠が原案・脚本を、映像ディレクターの山口淳太が監督を務める、ヨーロッパ企画制作によるオリジナル長編映画第2弾だ。

物語は、京の奥座敷と呼ばれる貴船を舞台に、繰り返す2分間のループから抜け出せなくなってしまった仲居や観光客の混乱を描く群像劇。ロケは、貴船神社と料理旅館「ふじや」の全面協力を得て、2023年1月に敢行。途中、10年に1度と呼ばれる最強寒波直撃による豪雪で撮影中止に追い込まれるも、奇跡のリカバーで無事に完成した。

『リバー、流れないでよ』

老舗料理旅館「ふじや」で働く仲居ミコトを藤谷理子(ヨーロッパ企画)、料理人見習いのタク役を鳥越裕貴が演じ、本上まなみ、早織、近藤芳正らが脇を固める。そのほか、乃木坂46の久保史緒里が物語の鍵を握る役で友情出演、永野宗典、角田貴志、酒井善史、諏訪雅、石田剛太、中川晴樹、土佐和成らヨーロッパ企画のメンバーも多数出演する。

『リバー、流れないでよ』

また、主題歌として、京都出身のロックバンド・くるりが、EP作品『愛の太陽 EP』の収録曲「Smile」を楽曲提供。木管楽器がフィーチャーされたあたたかいムードの楽曲が、ドラマを盛り上げる。

『リバー、流れないでよ』

京都府・貴船の老舗料理旅館ふじやの仲居ミコトは、ある日、貴船川のほとりにいたところ、お女将に呼ばれ仕事に戻る。

しかし2分後、ミコトは再び貴船川のほとりに佇んでいた。他の仲居や番頭、観光客も、熱くならない熱燗や減らない料理に異変を感じ始めて……。

大人の街・貴船で撮る青春モノ。脚本・上田誠が思う藤谷像は“こじらせ”女性⁉

『リバー、流れないでよ』

── 今まさに公開中ですけれども、舞台が京都の観光名所でもある貴船神社周辺の貴船ですよね。

藤谷理子(以下、藤谷) はい。

── で、藤谷さんは、実は地元なんですよね?

藤谷 そうなんです。小っちゃい時からあそこで生まれ育ったので。不思議ですよね、地元が映画になるって、それに出てるっていうのはとってもこそばゆい感じがします。

── ね。あの素敵なその情緒あふれる場所でのちょっとドタバタ群像劇ですけども。上田さん、貴船辺りを舞台にしようっていうのはいつから思いついていたんですか?

上田誠(以下、上田) これは、お客さんから実はロケ地を募集して、それで面白いロケ地ないかって探してるうちに、貴船を見にいって、ここを映画にできたらすごいよねっていうところで、それが実はほとんど映画のキックオフぐらいの感じで、それがどれぐらいだろう……。クランクインする半年前くらいだったかもしんないですね。

── それで思いついて、うわーって脚本を書き上げたんですか?

上田 監督と相談して脚本を書きあげるんですけど、僕は割と場所が決まってないと書けない人なんですよ。なので、この場所を映画にするならどういう物語なのか、「あ、じゃあ、川が流れてるな」とか。「じゃあ、もしかしてこの神社をお借りできるんだったら、神社の石段使って何かできるんじゃないか」とか、そういう使えそうな場所から、物語を作っていったというのが始まりでした。

── ヨーロッパ企画第二弾の長編映画で、またもやタイムループものでございましたけど、どうでした? 今回の自分たちの役っていうのは、来た時にどういう感想を持ちましたか?

永野宗典(以下、永野) 「あっ、出番がいっぱいある! うれしいな」って思いました。

上田 確かに多いですもんね。前回『ドロステのはてで僕ら』が僕らの映画第一だったんですけど、その時、永野さんはあんまり出てないですもんね。

永野 そうなんですよ。

『リバー、流れないでよ』

── 酒井さんはどうだったんですか?

酒井善史(以下、酒井) 僕は前回に比べて「楽そう!」と思いました(笑)。というのも、長回しの映画なんですけれども、今回、2分の繰り返しなんで。前回は最初に十何分しゃべり続けるみたいな……だから2分は結構走りきれるんじゃないかなと。

上田 で、その料理人のエイジという役のさ、人物像とかさ、そういうのをやっぱり聞きたいんですけどね(笑)。

── 石田さんは客ですもんね?

石田剛太(以下、石田) 私はもう客で。あの本当に“モブ”、真っ当な“モブ”を演じさせていただきました。

上田 いやいや、重要な役割ですよ。クスミという役で。

石田 役目あるんだと思って。

『リバー、流れないでよ』

上田 昔の先輩と一緒に来た後輩、久しぶりに親交を温めに来て、そこでちょっとね、ループをきっかけに昔の傷がこう現れちゃったりして。

石田 ドラマがありましたよね。なんかでもそこもすごくなんか面白いシーンになっていて、「あれ、こいつはすごいかわいらしくて面白いやつだ」って自分でも思えたんで、なんかいい役をやれたなって思いました。

── 上田さんはヨーロッパ企画のメンバーを頭の中で浮かべてキャラクター作りをするって言ってたじゃないですか。何でこの皆さんにそれぞれの役をあてたのかっていうのをちょっと具体的に喋ってもらったらうれしい。こういうところが個性だからこうしたんだみたいな。

上田 貴船のエリアって大人の街というイメージがあったんで、その冬の貴船を描く話だったので、ここで青春モノを逆にやりたいという想いで。なので、うちの劇団だとやっぱり藤谷さんしか若手がいないので(笑)。あとはみんな40代とかなので。じゃあ、今回は藤谷さんを主演に据えてやろうっていうのは、実は……。

『リバー、流れないでよ』

── 相手役が鳥越裕貴さんですしね。ヨーロッパ企画のメンバーじゃないんだ! ってね。

上田 貴船って青春モノを描くような場所ではないとたぶん思うので、青春モノをやろうって。その場所へのハマり具合というところで藤谷さんを。藤谷さんはちょっと劇中で少しこうややこしさも見せるというか、“こじらせ”も見せる女性なので、そこもなんとなく僕の中でそういう藤谷像を持っていたので(笑)。

藤谷 恥ずかしいですね。見せた記憶はないんですけど、なんか見透かされてるのか何か恥ずかしい感じ。

── でも、私はあそこの駆け引き、好きですよ。あんまり言っちゃいけないと思うから、(ジェスチャーをしながら)こういう所の……。

上田 あそこいいですよねー。“逆ロミジュリ”的なところ。

── キュンキュンしてましたよね。若かりし頃を思い出してましたよ。

石田 俺たちは?

上田 ダーツで決めたのかな(笑)。永野さんはでも、声が割とダンディなので、きびきび動くようなそういう番頭的な役を。

『リバー、流れないでよ』

永野 小回りのきくね。旅館を動き回ったりしたり。

石田 本物の番頭さんにご指導いただいたんでしょう?

永野 そうです。まずは、ほうきの掃き方とか。階段みたいなところも……。

── 途中からその役割はなくなりましたもんね(笑)。

上田 みんなそれはすぐなくなるんですけど(笑)。酒井さんはやっぱりSF説明がお得意ですから、まあそこは担っていただいて。石田さんは相手役の諏訪という、ふたりの取り合わせが僕は凄くいいと思っていて、この衣装でここで喧嘩してもらいたいなっていう。

『リバー、流れないでよ』

永野 でも、かつての青春も感じるよね。

上田 そうですね。

藤谷 確かに。

── ちょっと泣けるシーン担当ですしね。喧嘩したかと思えば、青春だぜみたいな。

上田 そうです。そうです。でもありますからね。二十何年ぶりに会うと学生時代の関係性がちょっと変わっていたりとか。でも変わらない部分もあって。

酒井 エイジにとっては、あの止まってる時間が一番青春でした。

上田 あの2分が?

酒井 はい。

『リバー、流れないでよ』

── でも、これって2分を何度も何度もループする話ですよ。みんな振り出しに戻るじゃないですか。あれって撮影するのも、いちいち戻るの? それともあそこだけ一気に違うバージョンで撮っていたってことはないですよね? いちいちでしょ?

藤谷 いちいちです。

上田 前のシーンのカットの終わる画格と次のシーンの始まる画格を監督がそろえたりして作ってましたよね。

藤谷 はい。順撮りじゃなかったので、なんかその最初に始まる時に前のシーンの顔、これだったよみたいなのを教えてもらって。あ、そっかそっか、で次このシーンだからこの顔かみたいな感じで作っていました。結構大変だったかもしれない。

上田 同じとこから始まるから……。

藤谷 そうですそうです。

上田 だから、多分監督も大変だったと思います。そのスタートが毎周同じなので、飽きさせちゃダメじゃないですか。まだやるのかって思われたら終わりなんで。

── ここは本当に正直大変だったぞっていうのがあったら、ちょっと教えてください。

石田 ひとつはあの「よーいスタート!」がわからないっていうのがありました(笑)。

藤谷 確かに!(笑)。



気になるタイムループものだからこその苦労エピソードの続きについては、ぜひ動画でご覧ください。

また、後半では、皆さんのおすすめ映画も教えていただきました。皆さん全然違うジャンルの映画をおすすめしていただいたのでぜひチェックしてみてください。


『リバー、流れないでよ』
公開中
(C)ヨーロッパ企画/トリウッド2023

Vol.26 ヨーロッパ企画インタビュー『リバー、流れないでよ』(番組制作:チャンネル700)

データ

YouTubeチャンネル「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」
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