【動画インタビュー】気になる!あの映画の“ウラ話” by.映画パーソナリティ 伊藤さとり

Vol.33『正欲』磯村勇斗「人間の嫌な部分を覗くような形で見れるんじゃないかなと思います」

第33回

(左から)伊藤さとり、磯村勇斗

映画パーソナリティの伊藤さとりが注目する最新映画のキャスト、監督、スタッフ等にインタビューする、東映チャンネルのオリジナル番組「伊藤さとりのシネマの世界」。

11月のゲストは、現在公開中の映画『正欲』から、磯村勇斗さんが登場!

撮影ウラ話満載のインタビュー映像をお届けします。

朝井リョウによるベストセラー小説を映画化

『正欲』

本作は、第34回柴田錬三郎賞に輝いた朝井リョウのベストセラー小説を映画化。ある事件をきっかけに、まったく関わりがないかと思われた人物たちの人生が交錯していく様を描く。

家庭環境、性的指向、容姿──様々に異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく衝撃的な物語を映画化するのは、『あゝ、荒野』以来再タッグを組む岸善幸監督と脚本の港岳彦。

検察官として横浜検察庁に務め、妻と息子と3人でマイホームに暮らす寺井啓喜(てらい・ひろき)役に稲垣吾郎。広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月(きりゅう・なつき)役に新垣結衣。両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月の同級生・佐々木佳道(ささき・よしみち)には、磯村勇斗。そして佐藤寛太がダンスサークルで活動し、大学の準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也(もろはし・だいや)、東野絢香は大也と同じ大学に通う神戸八重子(かんべ・やえこ)を演じる。

『正欲』

横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、実家暮らしで代わり映えのない日々を繰り返している。

ある日、夏月は中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子はそんな大也を気にしていた。

「新垣さんは佇まいが素敵でした」

『正欲』

── 映画好きの磯村さんにとっては、ここ数年はどういう年でしたか?

磯村勇斗(以下、磯村) もう本当に色んな映画の作品に参加させていただいて、そしていろんな監督の皆さんともお会いしたりして、映画をずっとやりたかったって当時思い描いてた自分からしたらちょっと想像できなかったというか。それぐらい今、映画の世界に触れさせてもらっていることにすごく感謝していますね。

── 私、この映画のキャストも絶妙だったと思うし、それぞれのキャラクターのバックボーンの描き方もすごいと思いました。だから脚本を読みたいと思いました。

磯村 本当にひとりひとりを岸さん(岸善幸監督)がしっかり描いていて、その思いをちゃんとこの物語に魂を込めてきたので。だからそれはしっかり完成した作品に出ていたなと僕も思いました。

『正欲』

── 人間のちょっと隠したい部分っていうのも、カメラが見逃してないっていう映画でしたよね。

磯村 そうですね。細かいとこまでちゃんと拾ってるんですよね。

── そう。なんか、表情ひとつやセリフのひとつで、この人のちょっと嫌なとこ見ちゃったみたいな。でも人間ってみんな嫌なとこあるよねっていう。

磯村 そうなんですよ。それを本当に覗くような形で見れるんじゃないかなと思いますね。

── 私、磯村さんの最初の登場シーンもすごい印象に残ってるんですよ。

磯村 会社の食堂のところですか?

── そうそう。なんだろう……。あの佇まいと、あの目付きだけでこの人は何か馴染めないものを持っている人っていうのがすぐわかるっていうか。

磯村 ああ、よかったよかった。

── あの時の撮影ってどうだったんですか?

磯村 あの時はもう撮影もある程度した後の食堂のシーンだったので、ある程度自分の中でも佳道というのが完成されていたからこそ、あの冒頭の表情とか目になったと思います。だから割とすぐ撮影は終わったんですけど、すごく時間はゆっくりあったというか。のぺっとしたちょっとこう、周りの速度が早く感じたっていうんですかね。そんなシーンでもあったし、実際の現場もそんな感じで僕は入ってました。

『正欲』

── 自分と本当に今回、多分似ても似つかないキャラクターを演じてる撮影中って精神面はどういう状態なんですか?

磯村 精神面に関しては、やっぱ普段よりおそらくですけど、“LOW”な感じだとは思いましたね。やっぱり日々の流れていく情報とか、人とか社会に対してやっぱ外れながら生きているので、そこの感覚はずっと普段の日常生活もなんとなく自分の中にはやっぱりあったんで。

撮影中はいろんな広告が本当に気になりましたし、見ちゃってましたね。何のため?って言ったら変ですけど(笑)、これはどういう意味で置いてんだろうとか。この言葉は何なんだろうとか、結構そこが気になっちゃってましたね。

── やっぱり水に対しても色々見たりとか見に行ったりとかしてたんですか?

磯村 水も自分の家の蛇口から出る水とかとをずっと見てたりとか、触ってみたりとか。やっぱり佳道の感覚に近づくために、色々試行錯誤はしてました。

『正欲』

── 新垣結衣さんとの関係性のところからヒリヒリしながらも「あ、よかったね」って思ってしまって。新垣さんとは初めてですもんね。

磯村 そうです。今回、新垣さんと初めてでした。

──どうでしたか?

磯村 いや、本当に素敵な方でしたね。だって僕がテレビでずっと見てきた方だから。テレビの印象ではすごく暖かくて優しい方なんだろうなと思っていたんですけど、実際お会いしてもまさにそうで、なんか佇まいが素敵でしたね。空気感をとても大事にしてらっしゃるんじゃないかなって思ったくらい、本当に初めましてかな? ぐらいな中で撮影することができたのもたぶん新垣さんのおかげで。すごく“受ける”っていう感受性が、おそらく豊かなんじゃないかなって見てて思ってました。

── そう考えると、稲垣吾郎さんもずっとテレビで見てた人との共演ですもんね。



また、動画では稲垣さんとの共演エピソードやこの作品に関わったことで気づいたこと、そしてお気に入りの東映作品についても語って頂きました。ぜひあわせてご覧ください。


『正欲』
公開中
(C) 2021 朝井リョウ/新潮社 (C) 2023「正欲」製作委員会

Vol.33『正欲』磯村勇斗

データ

「伊藤さとりのシネマの世界 Vol.61」『正欲』放送日時
2023年11月28日(火) 23:50~24:00
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