【動画インタビュー】気になる!あの映画の“ウラ話” by.映画パーソナリティ 伊藤さとり
Vol.50『愛に乱暴』風吹ジュン 「森ガキ監督の現場が大好きで、本当に良いチームでした」
第50回
(左から)伊藤さとり、風吹ジュン
映画パーソナリティの伊藤さとりが注目する最新映画のキャスト、監督、スタッフ等にインタビューする、東映チャンネルのオリジナル番組「伊藤さとりのシネマの世界」。
9月のゲストは、現在公開中の映画『愛に乱暴』から、風吹ジュンさんが登場!
撮影ウラ話満載のインタビュー映像をお届けします。
吉田修一の傑作小説を江口のりこ主演で映画化!
本作は、『悪人』などを手がけたベストセラー作家・吉田修一の同名小説を、江口のりこ主演で映画化したヒューマンサスペンス。無関心な夫や義母からのストレスを避けた暮らしで日々を充実させていた女性の周りで、不穏な出来事が起こり始め、平凡な日常が徐々に崩壊していく。
監督は『さんかく窓の外側は夜』の森ガキ侑大。共演は小泉孝太郎、風吹ジュン、馬場ふみからが名を連ねる。
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、義母から受けるストレスや夫の無関心を振り払うように、石鹸教室の講師や手のこんだ献立など“丁寧な暮らし”で毎日を充実させてきた。しかし、周囲で相次ぐ不穏な出来事と、夫からの突然の申し出に平穏だったはずの日常は少しずつ乱れ始める。やがて追い詰められた桃子は、いつしか床下への異常な執着を募らせていき……。
「フィルムで撮っているので、是非映画館の臨場感で体験していただきたい映画です」
── 今回の『愛に乱暴』は今までの風吹さんと違うキャラクターでしたよね?
風吹ジュン(以下、風吹) 本当はもっと悪く演じたかったんですけども、そうなるとちょっと違うかなという微妙なラインで。でも、おもしろかったです。
── 私、絶対森ガキ監督が風吹さんのファンだと思い込んでいました。
風吹 森ガキさんはやりやすいかもしれないですね。誤解をされるといけないんですけど、私が大好きなので。
── そうなんですか⁉
風吹 そうなんですよ。ドラマでご一緒した時から、ずっと森ガキさんの雰囲気というか、作品に対する愛情の持ち方というか熱量が素晴らしくて、それをずっと熱いまま保てている監督さんだと思います。
── 本当に会話劇としても非常におもしろい作品で。
風吹 絶妙な語り口ですよね。よくあの原作をギュッと凝縮して、鋭いところをちゃんと立てて、うまいなーって。脚本はすごく苦労されたと思います。
── その中で嫁姑のこの関係の距離感が絶妙過ぎてすごくそれが面白かったんですよね。風吹さんの照子さんという役も、すごく悪いお姑さんとも思えないけど、何かきっちり抱え込んでいて、すごく微妙なラインですもんね。
風吹 微妙なんです。そうなんですよね。だから難しかったです。どういう温度で入ったらいいのか、セリフでしか自分を語れないんですが、どう見えてくるのかっていうのは目つきとか色々考えましたけどね。それが出ているといいなーって思いながらやっていました。
── 出ていました。
風吹 ありがとうございます!
── しかも、小泉孝太郎さんが息子さんっていうのが一番面白くて。前髪があって(笑)。
風吹 最初、「え? どなた?」って二度見しました(笑)。
── 私もスクリーンで二度見しました(笑)。
風吹 現場で会っても分からない。この役作り、素敵です。監督のアイディアだったのか、小泉さんのアイディアだったのか分かりませんが、今時の若い旦那さんの印象がありますよね。よく作ったなーって思っていました。
── 監督に聞いたら僕のアイディアって言っていましたよ。今までにない小泉さんを見せたかったって。
風吹 大事ですね。やっぱり観ている人を裏切るっていうのは、観ているファンとしては色々期待するところです。
── 江口さんとはご一緒してみていかがでした?
風吹 江口さんは私ずーっとずーっと大好きな女優さんで、「え?共演できる⁉」って思って、すぐ返事しちゃったんです。やっぱり、素敵でした。ご自身はもう本当にナチュラルで、スーッと筋の通った人柄が見えてくるんですね。ドラマに対する姿勢も本当に良くて、ちょっと今までにいないタイプの新しい女優さんが出てきたって感じでワクワクしていましたけど。
── ねー。
風吹 あのスーッとした美しい姿の方が、物語が進んでいくと少しずつ変わっていって色々見えてくるというか。複雑なんですよね。
── それが江口さんと風吹さんの全身のシーンも結構多かったおかげで、服の感じで人柄が見えてくるっていうのが面白かったんですよ。
風吹 すごく清潔できちっとした格好でね、お似合いでした。
── 育ちの良さが匂ってくるんですよね。
風吹 一緒に歩きたくなかったなーっていう思いはありますけど(笑)。それもそういう現実というか、嫁と姑の違いというか、それをすごく感じながら、話しながら歩いていたシーンがありましたね。
── 結構ワンシーンワンカットで撮っているのが多かったですよね?
風吹 全てそうです。ワンシーンワンカットで撮っています。
── だから、カメラマンの方がすごい動いたりしながら……。
風吹 あの暑さの中で苦労されたと思います。でも良い画が撮れて、しかもこれはフィルムなんですよ。
── すごいですよ。
風吹 だから映画館で観る価値バツグン! 映画館で是非観てくださいってお願いしたいくらい。そのぐらいタッチが違うので、観えるものも違ってくると思うので、是非是非映画館の臨場感で体験していただきたい映画だなーって。
── フィルムで撮影するってすごく贅沢って言われていますけど、俳優さんの演技力とカメラマンさんとかスタッフの人たちのチームワークがなきゃ上手くいかないんですよね?
風吹 良い現場だったんですよ。森ガキさんの良いところって現場がいつも素晴らしいんです。なんかチームワークがすごく良くて、みんなが力を合わせて仲の良い現場なんですよ。トラブルなんて起こらない、本当に作品に一直線に向かっている若者たちのそういう現場が私は大好きで、本当に良いチームでした。
また、オリジナル番組の動画では風吹さんのお気に入りの東映作品についても語って頂きました。ぜひあわせてご覧ください。
『愛に乱暴』
上映中
(C)2013 吉田修一/新潮社 (C)2024 「愛に乱暴」製作委員会
風吹ジュン
データ
「伊藤さとりのシネマの世界 Vol.71」『愛に乱暴』放送日時
2024年9月12日(木)14時50分~15時00分
2024年9月27日(金)19時50分~20時00分
https://www.toeich.jp/information
東映チャンネル公式サイト
https://www.toeich.jp/