【動画インタビュー】気になる!あの映画の“ウラ話” by.映画パーソナリティ 伊藤さとり
Vol.52『シサム』寛一郎&坂東龍汰 「坂東君は嘘つかずに何でも話せる人」(寛一郎)
第52回
伊藤さとり、寛一郎、坂東龍汰
※タイトル『シサム』の「ム」は小文字が正式表記。
映画パーソナリティ・伊藤さとりのYouTube番組「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」。
新作映画の紹介や、完成イベントの模様を交えながら、仲良しの映画人とゆる~い雰囲気の中でトークを繰り広げます。他ではなかなか聞き出せない、俳優・監督たちの本音とは?
今回は現在公開中の映画『シサム』から寛一郎さんと坂東龍汰さんが登場。撮影秘話やプライベートについてなど、たっぷりとお話いただきました。
映画人たちの貴重な素顔をご堪能ください。
アイヌと和人の交流を描いた歴史スペクタクル

本作は、蝦夷地と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、 アイヌとの交易をおこなうなかで起きた争いを描く壮大な歴史スペクタクル。
監督は中尾浩之、脚本はTVドラマ『結婚できない男』の尾崎将也が務め、北海道白糠町の協力で撮影が行われた。
蝦夷地に赴き、異なる文化や風習に触れることで、アイヌの持つ精神や理念に共鳴してゆく武家の若者を寛一郎が演じ、交易の旅に同行する彼の兄を三浦貴大、主人公の復讐相手となる男を和田正人、和人に反発心を抱くアイヌの青年に坂東龍汰、アイヌの村のリーダーに平野貴大、複雑な事情を抱えたアイヌの女性をサヘル・ローズが演じている。

江戸時代前期。北海道の南西部にある松前藩はアイヌとの交易品を主な収入源としていた。松前藩藩士の息子、孝二郎は兄、栄之助とともにアイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしていたが、ある夜、使用人の善助の不審な行動を見つけた栄之助は善助に殺されてしまう。兄の敵討ちを誓った考二郎は善助を追って蝦夷地へと向かう。
「寛一郎とは一緒に作品を作りたいと思うし、尊敬している人です」(坂東)

── おふたりは今までも共演というのはあったんですか?
坂東龍汰(以下、坂東) ありました。
寛一郎 ありました??
坂東 あったじゃん!!『首』で。
寛一郎 あーそうだ!
坂東 忘れてたでしょ?(笑)
寛一郎 忘れてましたね。でも、直接的な共演はないんですよ。お芝居はそこではしていないですし、一瞬、北野武組の『首』でありましたけど。
坂東 前室でちょっと会って。
寛一郎 前室でちょっと。それより前から彼のことは認識していたので。
坂東 認識っていうか友達じゃん! 家もいっぱい遊びに行ってるんだから(笑)。
寛一郎 そうですね(笑)。
── あら、仲良し⁉ じゃあ今回撮影でこうやってがっつり共演するのは?
寛一郎・坂東 初めてなんです。
寛一郎 だから嬉しかったですね。
坂東 僕も嬉しかったです。
── それは照れとかなかったんですか?
坂東 めっちゃありましたよ!
寛一郎 あるの? 照れ?
坂東 あったあった! 照れ。
寛一郎 俺、なかったですね。
坂東 ありました、ありました。なんか、間違えられないなみたいな(笑)。
寛一郎 あーそういうこと?
坂東 緊張か。照れとは違いますね。緊張はありました。

── よく知っている友達と演技を交わす時のセリフとか噛んだらちょっと緊張しちゃうとかあるじゃないですか。
寛一郎 僕、あんまりないんですよ。
坂東 ないんだ⁉
寛一郎 ない。それに、僕は信頼できる役者さんだなと思っていたので。
坂東 僕も信頼してますから。
寛一郎 だから緊張とかなかったですね(笑)。
坂東 いやいや、なんか照れたなぁ(笑)。 最初、目見れなかった。
寛一郎 ちょっと恥ずかしさはあるよね。
坂東 恥ずかしさはある。喧嘩するシーンだったので、結構まっすぐ目を見ないといけなかったんですけど、最初ちょっと照れましたね。
寛一郎 あっ、そうなんだ。
── そうですか。アイヌ文化の物語の中で和人とアイヌの人々の戦いっていうのもあって、ふたりは和人とアイヌというキャラクターだったんですけど、そもそもこの映画のどこに惹かれて出ようと思ったんですか?
寛一郎 アイヌの文化については元々興味があったというのもありますし、ちょっとした繋がりがあって。僕が小学生の頃、アイヌの集落に2週間くらい訪れたことがあって、それはひょんなことだったんですけど、そこからアイヌというものを認識していて、20年くらい経った今、オファーをいただいてこれも縁だなと思って出させていただきました。
── そしたら一緒にずっと……。
寛一郎 そうですよ。

坂東 僕も本当にまさかでしたよ。まずひとつ一番大きかったのが寛一郎が主演であるってことは揺るぎない出演理由になりますし、プラス僕も15年くらい北海道で育ったので、アイヌの人たちとも会ったこともありましたし、一緒にキャンプしたりとか、みんなで自然の中で踊ったりということをしていたので。撮影も実際に北海道の白糠で撮るし、「これは是非、出たい!」っていう気持ちはありました。
── 私はお父さん側が北海道だから北海道によく行っているんですが、この白糠町に行ったことはなかったですし、アイヌの人々のことを全然知らなかったことを認識しました。アイヌの生活についてもいっぱい映画の中で描かれていましたが、一緒にアイヌの人から教わったりしたんですか?
寛一郎 そうですね。アイヌの血を引く人たちはいたんですけど、それとは別でアイヌの監修をしてくれる藤村先生という方がいて、その方が言語もそうですし、全てのアイヌの文化を丁寧に説明してくれていましたね。
── それをアイヌ語でっていう……。
坂東 はい。
── 映画観た時に(坂東さんの)顔がまず分からなかったです!
坂東 そう。
寛一郎 最初、坂東君って分からないですよね。
── そうそう。
坂東 いや、でもそれはいいことですよね?
寛一郎 うん、いいこと。
── 役作りというか風貌や喋りはどうだったんですか?
坂東 想像を超えていました。台本を頂いて、「寛一郎と一緒にできる! しかも、舞台が白糠って絶対楽しいじゃん!」と思ってもうワクワクしていて、こんなご褒美な映画の現場あっていいのかと思って、「やったー」って結構すぐLINEして。そしたら、台本頂いて「嘘でしょ?」みたいな。全部、カタカナでものすごくギュって羅列されているものをA4二枚ぐらいバンって頂いて、見た瞬間に血の気が引きましたね。
── 結構長セリフで。
寛一郎 あれはそもそも一言がアイヌ語だとその約3倍くらい分量があるんです。
坂東 そうそう。
寛一郎 普通に喋ったら別に大したことない分量……それでも長いセリフだったとは思うけど、アイヌ語になるとその分量が約3倍くらいに増えるんです。

── それでバトルシーンがあってという。
坂東 前日、僕熱出ましたから。
── え!?
寛一郎 そう、いつもめちゃくちゃ元気でうるさいコイツが、その日一言も喋らないんですよ。長セリフがある時。「昨日熱出た」とか言って「体調悪い」とか言って「大丈夫?」って言ってそのシーンが終わったらカラッと元気になって、「あ~こいつ知恵熱だ!」と思って(笑)。
坂東 あははははは!
寛一郎 その自分のシーンが終わった瞬間からキャッキャキャッキャして(笑)。
坂東 元気になって。また元に戻って。
寛一郎 元に戻ってな(笑)。
── いや、だって大変ですよ!
坂東 そのぐらいプレッシャーが。クランクインして、序盤でそのバトルシーンがくるはずだったんですけど、外の撮影ができないっていうので、スケジュール的にそのシーンが10日くらい延びたんですよ。
寛一郎 後半だったもんね。
坂東 後半になって、よりアイヌ語のセリフを深められる時間が増えたのはすごく僕の中では大きかったんですけど。その分考え過ぎちゃって、そうなっちゃったんですよね(苦笑)。調子おかしかったもんね?
寛一郎 (笑) 「大丈夫? 坂東大丈夫か?」って話をしたら「なんかもうやばいかも」みたいな。いつもだったらニコニコしている坂東が今はもう喋りかけるなみたいな(笑)。
坂東 ちょっと黙ってみたいな(笑)。
── 寛一郎君だってそもそもスリムだけど、さらに映画の中でゲッソリして。
寛一郎 そうですね。鍛えてましたね。
坂東 鍛えてました。ホテルの部屋にネットで大量の筋トレ器具を買い込んで、すごい広い部屋だったんですけど、男子4人みんなで素っ裸になって……。
寛一郎 部屋でみんなで筋トレ。

── それは武士の役だからですか?
寛一郎 それもありますね。絞らなきゃいけない、最初の時とかはちょっと絞ってました。
坂東 でも、みるみるデカくなったよね。
寛一郎 そうだね。
坂東 白糠のご飯もやっぱり栄養満点というか。
寛一郎 ご飯が本当に美味しかったんですよ。
坂東 本当、何食べても美味しい。
寛一郎 毎日みんなでバクバク食べて。
坂東 スタッフさんも演者もみんなで。
寛一郎 広くはない町なので、みんな店行ったら誰かしらいるみたいな。
坂東 それでどんどん合流していって最終的にはひとつの店パンパンになって。
寛一郎 本当に毎日仲良く町の人たちも含めパンパンになりながら。
坂東 そうそう。現地の人たちも本当に仲良くなって、白糠町っていう町の風土というかパワーが結構映画に宿っていたのかなっていう。
── 何が美味しかったの?
坂東 鮭のあら汁みたいなの、うまかったよね。
寛一郎 カジカ汁でしょ?
坂東 カジカ汁だ!
寛一郎 カジカ汁は劇中に出てる魚のあら汁みたいな。
── へ~。鮭の?
坂東 そうそう。
寛一郎 そうです。
坂東 お店で出してもらったりとか。
寛一郎 全部おいしかったです。肉もおいしいし、魚もおいしいし。
── 私は鮭を獲るシーンを観ながら「あれ、本当にやってるのかな?」と思いながらも……。
坂東 本当にやってました。
── 獲れたんですか?
坂東 はははは(笑)。はい。
寛一郎 いや、嘘です。買ったものを。
坂東 死んだ魚を突き刺してビチビチさせながら。
── だけど、ああやって獲るんだっていうのは凄かった。本当に。
寛一郎 そうですよね。

── さっきおふたりともお互いを信頼しているって言ってたじゃないですか。具体的にどんなところが役者さんとしてこの人スゴイって思うんですか?
寛一郎 坂東君はホワホワというかキャピキャピしているように見えて意外としっかりしてるんです。
坂東 (笑)。意外と?
寛一郎 意外としっかりしているから、お芝居とか映画についてすごく真剣な方っていうのを前から知っていたので、シーンであったり、作品の相談もしてくれましたし、そういった意味ですごく信頼できる役者さんだなと思います。
坂東 嬉しいですね。寛一郎様にそんな風に言っていただけるの。
── 坂東さんは寛一郎さんに対してどうですか?
坂東 芸能界で俳優業をしている人ってたくさんいるし出会うんですけど、やっぱりこう……。
寛一郎 (笑)。
坂東 なんで笑っているんだよ!
寛一郎 面白いよね。坂東がしゃべっているの。ごめんね。ごめんごめんごめん。
坂東 (芸能界で俳優業をしている人は)すごいいっぱいいるんですけど、プライベートでも時間を作って会ったりとかする人って本当に限られているというか。7年やってきて歳を重ねるごとに減ってくるんですけど、それでも一緒に話したいって思うし、一緒に作品を作りたいと思える。共通言語も多いですし、僕にとって寛一郎は尊敬している人ですね。だから、出てたらその作品は観るし。
── 観てる?
坂東 観ます。
── それは感想を言い合ったりするんですか?
坂東 それこそ飲んでるときとかに「あの芝居、お前ダメだったな」みたいに言ってくる(笑)。
寛一郎 そんなことは言わない(笑)。そんなことは言えないっすよ(笑)。
坂東 「坂東、アレ酷かったな」みたいなことを結構……。唯一伝えてくれる人なんで。
寛一郎 そうですね。
坂東 結構ストレートに言ってくれます。
── 良し悪しをしっかり?
寛一郎 僕ね、そうなんですよ。
坂東 嘘つけないんで、寛一郎は。
寛一郎 嘘つける人とはあんまり食事とか行かないですね。行く人はやっぱ嘘つかずに話せる人がいいので。坂東君にはおこがましくも言わせてもらってます。
坂東 (笑)。おこがましくないじゃない! 全然ストレートにスポーンって言うじゃん。会って一発目で。
寛一郎 「クソだったな」って(笑)。
── でも、自分も言われて平気ってことですか?
寛一郎 そうです。言って欲しいからってのもあるんですよ。裸の王様になってしまうとやっぱ僕は嫌なので。だから、自分の仲のいい人には言いたいし言って欲しいっていうのがあります。
坂東 だから、それも信頼するひとつの理由なのかもしれないですね。
── 坂東さんも言うんですか?
寛一郎 坂東はね、言わないんですよ。ちゃんと褒める(笑)。エラいんですよ、コイツは。
坂東 いや、でも思ったら言うと思います。今後、本当にそう思ったら言うかもしれないですけど、今のところ寛一郎に関してはもう全然思わない。
── 良くなかったは言わない?
坂東 良くないって思ったことは多分ない。
寛一郎 嘘つきですね。
坂東 いや、嘘ついてないのよ。本当なのよ。
寛一郎 いやいやでも……。
坂東 『シサム』も観てそう思ったし。
寛一郎 言い合える関係でありたいなとは思ってます。
そのほか、動画では仲良いおふたりが「お互いを一言で言うと?」やお気に入りの映画、撮影現場でやってしまった“大失敗”などについても語っていただきました。続きはぜひ動画全編でごご覧下さい!
『シサム』
公開中
寛一郎
ヘアメイク :KENSHIN
スタイリスト :坂上真一 (白山事務所)
坂東龍汰
ヘアメイク :OLTA 後藤泰
スタイリスト :李靖華
データ
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