【動画インタビュー】気になる!あの映画の“ウラ話” by.映画パーソナリティ 伊藤さとり
Vol.56『破墓/パミョ』チェ・ミンシク 「監督の以前の作品が非常に完成度が高かったので出演したいと思いました」
第56回
(左から)伊藤さとり、チェ・ミンシク
映画パーソナリティの伊藤さとりが注目する最新映画のキャスト、監督、スタッフ等にインタビューする、東映チャンネルのオリジナル番組「伊藤さとりのシネマの世界」。
11月のゲストは、現在公開中の映画『破墓/パミョ 』から、チェ・ミンシクさんが登場!
撮影ウラ話満載のインタビュー映像をお届けします。
墓に隠された恐ろしい秘密を掘り返すサスペンス・スリラー
本作は、第74回ベルリン国際映画祭でワールドプレミアとして上映、世界133か国で公開が決定しているサスペンス・スリラー。怪奇現象に悩まされる裕福な一家に対し、先祖の墓の位置が悪いからと墓を掘り起こすが……。
墓地を見る風水師サンドクを、『オールド・ボーイ』で映画賞を総なめにした演技派俳優チェ・ミンシクが、お祓いを行なう美しき巫堂(ムーダン)ファリムをキム・ゴウンが、葬儀師ヨングンをユ・ヘジンが、巫堂ボンギルをイ・ドヒョンが演じる。監督を『プリースト 悪魔を葬る者』のチャン・ジェヒョンが務め、本作のために葬礼指導士の資格に挑戦した。
巫堂ファリムと弟子ボンギルは、跡継ぎが代々謎の病気にかかるという奇妙な家族から、桁違いの報酬で依頼を受ける。すぐに、先祖の墓が原因だと気づき、お金の臭いを嗅ぎつけた風水師サンドクと葬儀師ヨングンも合流する。やがて、4人はお祓いと改葬を同時に行なうが、掘り返した墓には恐ろしい秘密が隠されていた……。
日本の映画人で興味があるのは「皆さんです!」
※本インタビューは若干のネタバレを含みます。
── チェ・ミンシクさんの作品をずっと観てきたんですけど、初めてサスペンス・スリラーっていうジャンルに挑まれたのにはビックリしました。どういう理由でやろうと思ったんですか?
チェ・ミンシク(以下、チェ) こういったジャンルについてはとても気になっていました。オカルトやサスペンス・スリラーというのは非現実的・形而上学的な内容を扱っています。それをリアルに描写するのは非常に楽しめますし、映画的な要素も濃いジャンルだと思っていたので出演したいと思いました。
そしてチャン・ジョヒョン監督の以前の作品『サバハ』『プリースト 悪魔を葬る者』などを観て非常に完成度が高かったので『破墓/パミョ』に出演したいという気持ちになりました。
── 私も『プリースト 悪魔を葬る者』が大好きだったんですけど、さらにここに歴史的なところも描かれていて、非常に興味深い作品でした。出来上がった作品をご覧になった時、どんな感想をお持ちになったんですか?
チェ 私が勇敢に戦っているなと思いました(笑)。
── 本当に!
チェ 非常に満足しました。撮影中は果たしてこの形而上学的な内容をどのようなリアルな形で観客の皆さんに観せられるか気になっていました。でも、完成された作品を観て監督が考えている論理やメッセージがうまく表現されていたので安心しました。
── 今までもバイオレンスアクションをやられているので、アクションはお得意だったと思うんですけど、魔物と戦うっていうのは初めてですよね。何かそこでご自分の中で新鮮なアクションというか、「これ面白かった!」「意外だった!」っていうのはありますか?
チェ とても楽しかったです。作中で“ヤバいもの”と呼ばれているものの実体はリアリティーをベースに考えると“鬼”のような非現実的なものなので、むしろ戦う相手に対しては自由でいられました。なので、それほど苦労もなく自由にできて楽しかったです。ただ、体は疲れましたけど。
── あの“ヤバイもの”のビジュアルっていうのは既に何か絵コンテとかで見てたんですか?
チェ いいえ。現場で初めて見ました。初めて見た時かわいかったです。でも、演じている俳優が苦労していたので痛々しかったです。だからコーヒーを淹れてあげて、飲ませてあげました。
── やさしいですねー。こんなちっちゃいのも出てくるじゃないですか。墓場のところとかに。それはない状態で演じられているんですよね?
チェ でも、そんなに大変ではなかったです。というのも慣れていたので。以前に出演した『隻眼の虎』という作品に虎が出てきますが、実際の撮影では虎がいませんでした。でも、虎がいるような演技をしなくてはいけなくて、後でCGをいれるためにクロマキーの前で演じました。
虎がいると想像してリアクションや演技をすることはその作品でもしていたので慣れていました。
── ええ! 壮大なるお祓いのシーンとか面白かったです。チェ・ミンシクさんが今回の撮影シーンで、ここはちょっと斬新だったっていうのはどこですか?
チェ やはり“テサルお祓い”のシーンです。あのようなお祓いのシーンが映画に出てくること自体、おそらく数十年ぶりだと思います。以前は巫堂が出てきてお祓いをするシーンはドラマや映画で時々ありましたが、今回のように映画の中心的な役割として使われているのは私の記憶では数十年ぶりだと思います。
お祓いのシーンはこの映画において非常に大切な意味を持っていますし、キム・ゴウンさんが素晴らしい演技をみせて表現してくれました。あのような演技派女優だったらちょっとためらってしまうと思うのですが、そんなことは意に介さず勇敢な姿勢で演技に臨んでいてとても印象的でした。
── もうご存知だと思いますが、『シュリ』が今、日本で4K上映していて、たくさんの人が観に来てるんです。あれから日本で韓国映画をたくさん観られるようになりました。例えば『パラサイト 半地下の家族』も賞を獲っていたり、何かチェ・ミンシクさんの中で韓国映画の変化を感じているところはありますか?
チェ 時代も変わり、映画の作り手も変わり、新しい世代もどんどん出てきています。その中で人々の意識構造や価値観も変わってきていると思います。表現したいことは同じじゃないかもしれません。
モチーフも愛、人間の野望、暴力、オカルトなどさまざまあります。素材も考え方もそれぞれ違うかもしれませんが、以前から受け継いでいる流れは続いていると思います。なので、意識が変わったとしてもその流れの中で新しい変化がたくさん見られると思います。
── 最近は是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』で一緒にコラボレーションとかもされていますが、チェ・ミンシクさんが何か日本の映画人で興味のある方はいますか?
チェ 皆さんです(笑)!
日本には是枝裕和監督をはじめ立派な監督・俳優がたくさんいるのでいつでも一緒にお仕事したいと思っています。いいモチーフがあったり、テーマ意識が通じるものがあって考え方も合うような作品があれば出てみたいと思います。
── また誰かとご一緒していただきたいと思っています。釜山国際映画祭とかでも日本映画は上映しています。チェ・ミンシクさんが今まで観た日本映画で「これ面白かった」とか「これちょっと興味あった」っていう作品はありますか?
チェ・ミンシクさんのお気に入りの日本映画とは? 気になる続きはオリジナル番組の動画でぜひご覧ください。
『破墓/パミョ 』上映中
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チェ・ミンシク
データ
「伊藤さとりのシネマの世界 Vol.73」『破墓/パミョ 』放送日時
2024年11月16日(土)12時50分~13時30分
2024年11月24日(日)19時50分~20時00分
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