【動画インタビュー】気になる!あの映画の“ウラ話” by.映画パーソナリティ 伊藤さとり
Vol.59 『デーヴァラ』主演NTR Jr.「『RRR 』の快進撃は日本のファンのおかげ。『デーヴァラ』も受け止めてもらえると嬉しい」
第59回
(左から)伊藤さとり、NTRジュニア
映画パーソナリティ・伊藤さとりのYouTube番組「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」。
新作映画の紹介や、完成イベントの模様を交えながら、仲良しの映画人とゆる~い雰囲気の中でトークを繰り広げます。他ではなかなか聞き出せない、俳優・監督たちの本音とは?
今回は現在公開中の映画『デーヴァラ』から主演のNTR Jr.さんが登場。撮影秘話や大ヒット作『RRR 』への思いについてなど、たっぷりとお話いただきました。
映画人たちの貴重な素顔をご堪能ください。
NTR Jr.が荒れる海でサメを操る英雄に

本作は、『RRR』の歴史的大ヒットで日本でもブレイクを果たした“タラク”ことN.T.ラーマ・ラオ・Jr.主演による、ノンストップ海洋バトルエンタテインメント。巨大サメを操る海の勇者にして、神と呼ばれた男・デーヴァラの伝説を軸に、壮大なスケールと映画史上空前のバトルが展開される 。
1996年。クリケットのW杯開催を控え、インド警察本部は巨大犯罪組織による破壊工作の情報を得る。組織のリーダーを追う特別捜査班は、密輸団の巣窟として抗争が続く、赤海と呼ばれる村にたどり着く。そこで、捜査班は海で巨大サメを操る英雄デーヴァラとその息子の伝説を知ることになり……。

「水は元々苦手。海と山だったら完全に山派です(笑)」

── 再びの日本はどうですか?
NTR Jr. 愛に満ち溢れています!!
── 本当にありがたいです。そこまで愛していただいて、ファンの人たちも皆さんタラクさんにお会いするのを楽しみにしていたんですよ!
NTR Jr. 帰国してからずいぶん経っています。『RRR 』の後、いつまた来日できるかなと思っていました。実は家族と去年のお正月に日本に来ているんです。日本食を食べて、子供たちと楽しい冬の時間を過ごしました。その時、ファンの方とお会いすることができませんでしたが、また戻って来てほしいと思ってくれたファンの方々、配給会社の方々に感謝しています。
── 日本中の『RRR 』ファンの方、そしてタラクさんのファンの人たちがアカデミー賞(R)を私含めみんな見つめてたわけですよ。本当に素晴らしかったんですけど、『RRR』ってタラクさんの人生にどんな変化を起こしてますか?
NTR Jr. 少し自信がつきました(笑)。「オスカーって何だろう?」と意識する中、『RRR』の快進撃は日本から始まったと思っています。それまでは井の中の蛙ではないけれども、国内が私たちの知る観客のすべてだと思っていました。でも『RRR』のS.S.ラージャマウリ監督のおかげで日本での公開から反響があまりにも大きくなり、それが欧米に届いていったのだと思います。そこからオスカーへ続いていったのだと思います。
映画作りにおいて僕らは自信を持つことができているし、インドだけではなく日本や欧米の観客に向けた映画作りをしていきたいと思っていますし、そういった意味でも吉兆をもたらしてくれて、日本には感謝しています。インドの映画業界も自分もラージャマウリ監督も。そして、最新作『デーヴァラ』も受け止めてもらえると嬉しいです。

── 本当にタラクさんの力もあって、子供もこの映画を観ていたり、たくさんの日本のファンの人が観ていて、この映画がさらにパワフルになったと思いますけど、どんなところにまず惹かれて映画に出ようと思ったんですか?
NTR Jr. 『デーヴァラ』はストーリー自体がとても力強いと思います。恐怖心を感じさせる主人公がデーヴァラで、恐怖心というとネガティブなものと思われがちですが、本当はポジティブな感情なのではないかと思っています。人生において恐怖心があるからこそ我々はよき人間、よき市民になることができると思うんです。
僕はファンにも恵まれているので娯楽だけではない、学びみたいなものを受け取っていただきたいと責任を感じています。人にとってよき人間であるためには、恐怖心を持つことも必要なんだ、大事なんだということです。この映画を観てくださった方にひとりでも多く伝わったらうれしいです。
── 海賊みたいなところだとサメまで出てきて、本当にアドベンチャー映画でもあったんですけど。でも、演じるのはめちゃめちゃ大変だったと思うんです。
NTR Jr. 『RRR 』の撮影ではトラや撮影場所にいない生き物との演技が必要で役者として鍛えられました。その時の経験が今回活かされたと思います。
実際にはサメはいなかったんです。役者としていろいろと学ばなければならない状況に置かれるのはとても恵まれていることだと思うんです。
人生はやはり何かいろいろと学ぶべきだと思います。私はふたりの息子に恵まれました。以前だったら朝起きて撮影に行って帰宅……そういう人生だったかもしれません。何かしらの経験を息子たちと分かち合いたいと思った時、まずは自分が経験しなければいけないわけです。そんな経験をさせてくれる神様であったり、監督たちにはとても感謝しています。

── お父さんがこんなビッグスターだから息子さんたちもきっとすごく誇らしいんじゃないですか? 映画とかも一緒に観に行ったりするんですか?
NTR Jr. はい、もちろん。子供たちが誇らしいと思ってくれているのはたぶんスターの自分ではなく、父親としての自分だと思っています。息子たちは大人になったらいつか僕を超えていくわけです。それまでの短い時間を美しい経験、体験にしたいと思っているので、1分1秒単位でその瞬間を逃したくない。僕が行くところには必ず彼らも連れていきたいです。
今回、彼らの来日が叶わなかったのは学校の試験があるからです。でも、自分の撮影だったり、自分の映画を観たりとなるべく一緒に質の高い時間を過ごしています。
── そして、この映画の中でも、ウォーターアクションがあったじゃないですか。『RRR 』の時も水の神的なシーンもありましたけれども、水のアクションで大変だったことと、結構あった砂場のアクションの大変さっていうのもエピソードなどあれば教えていただけますか?
NTR Jr. そうですね。今回の映画の撮影はフィジカルもメンタルも大変でした。ロケ地はほとんどそのまま使うということがなく(リアルではなく)、すべてがしっかり作られているので、アクションを観ていただけたのならすぐ理解できると思います。それを観客とシェアできることが僕らにとってすごく誇らしいことで、美しいものを観てもらえるという気持ちが僕らを最後まで頑張らせてくれます。
観客が愛してくれるかどうかなのですが、インドの観客は『デーヴァラ』のことを大好きになってくれました。日本の方も絶対に愛してくれると思っています。
水のシーンに関しては、水は元々苦手なんです。僕は海と山だったら完全に山派です(笑)。

── 私もです(笑)。
NTR Jr. 水は本当に苦手だったんだけれども、唯一水で好ましいと感じるのはシャワーの水だけです(笑)。それは15分か20分ぐらいが最長だよね。今回は水槽の中での演技があってプールとトレッキングなら絶対に後者なんだけど、『RRR 』では少しだけだったのに今回は水だらけの感じでした(笑)。
── 砂はどうでしたか?
NTR Jr. 砂は大丈夫なんですが砂埃がきつかったです。砂が鼻、耳、目、わきの下に入り本当に拷問のようでした。
── すごいシーンでしたからね。そして、ダンスシーンも本当にめちゃめちゃかっこいいんです。相変わらず素晴らしいなと思うんですけど、特に何かお気に入りの振り付けとか、今回の映画の中でありますか?
NTR Jr. 「アーユダ・プーシャ」が一番のお気に入りです。踊りを通して物語としても語っている。今回は振付が難しいというよりも感じさせてくれるところがすごく好きです。
シャツを脱いでそれを口に入れたり手を頭の上に置いたり、やはり好きなのはと聞かれたら「アーユダ・プーシャ」です。

── どれくらいの時間をかけて練習したんですか?
NTR Jr. 準備は6日間。今回は振付が難しいというよりも全員がゾーンに入らないといけない。キャラクターでも感情をそこに持っていかないといけないというところが大切だったと思います。夜の撮影もあり、大勢の役者やダンサーもいたので撮影は7日間ぐらいかかりました。
また、オリジナル番組の動画では好きな日本食やダンスを上達させるために必要なものなどについても語って頂きました。ぜひあわせてご覧ください。
『デーヴァラ 』公開中
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NTR Jr.
データ
YouTubeチャンネル「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」
https://www.youtube.com/channel/UCVYlon8lP0rOJoFamEjsklA