【動画インタビュー】気になる!あの映画の“ウラ話” by.映画パーソナリティ 伊藤さとり

Vol.65 「本当にリアルが溢れてるドキュメンタリー映画のようなものでした」『恋愛裁判』齊藤京子&深田晃司監督

第65回

 (左から)深田晃司監督、齊藤京子、伊藤さとり

映画パーソナリティ・伊藤さとりのYouTube番組「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」。

新作映画の紹介や、完成イベントの模様を交えながら、仲良しの映画人とゆる~い雰囲気の中でトークを繰り広げます。他ではなかなか聞き出せない、俳優・監督たちの本音とは?

今回は、9月に開催された釜山国際映画祭でアジア映画の窓部門に正式出品された『恋愛裁判』から主演の齊藤京子さんと深田晃司監督が登場! 映画祭の感想や撮影秘話などを語って頂きました。

映画人たちの貴重な素顔をご堪能ください。

日本独自のアイドル文化と「恋愛禁止ルール」に鋭く切り込む問題作

(C)2025「恋愛裁判」製作委員会

本作は、第78回カンヌ国際映画祭カンヌ・プレミア部門に正式出品された、元・日向坂46の齊藤京子初主演映画。「元アイドルの女性に賠償命令」が言い渡された実際の裁判に着想を得て、「恋愛禁止ルール」を破った女性アイドルの裁判を通して、華やかな芸能界の裏側を描く。深田晃司監督が構想に10年を費やして映画化。共演は倉悠貴、仲村悠菜、小川未祐、今村美月、桜ひなの、唐田えりか、津田健次郎ら。

人気急上昇中のアイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」でセンターを務める真衣は、中学時代の同級生・敬と再会し、恋に落ちる。恋愛禁止ルールと感情の狭間で葛藤していた彼女は、ある事件をきっかけに敬に駆け寄ってしまう。8ヶ月後、彼女は事務所から恋愛禁止条項違反で訴えられる。

「自分自身の過去とちょっと重なるところもあったので、いい緊迫感を出せたんじゃないかなって思います」

(C)2025「恋愛裁判」製作委員会

── 第30回釜山国際映画祭アジア映画の窓部門出品おめでとうございます。

齊藤京子(以下、齊藤) ありがとうございます。

── レッドカーペットを歩かれてみていかがでしたか?

深田晃司監督(以下、監督) どうでしたか?

齊藤 前回カンヌ国際映画祭で初めてレッドカーペットを歩かせていただいて、夢のような時間すぎて本当に一瞬だったので、今回はちゃんと噛みしめて歩こうと意識したんですけど、やっぱり一瞬でした(笑)。本当に幸せな時間でしたね。

監督 今回距離は長くなりましたね。

齊藤 そうでしたね。今回最初のところで「あ、これで終わりかな?」って思ったら、まだそれの10倍ぐらいあって、幸せな時間を過ごさせていただきました。

── 「京子ちゃん!」っていう歓声がすごいあがってましたよね。

監督 でしたね。あがってましたね。

齊藤 嬉しかったです。

── 今回の『恋愛裁判』で来たっていうのはどんな思いでしたか?

監督 実は今回アジアプレミアなんですね。いわゆるアイドル文化は特に自分の中では東アジアですごく発展してきた芸能文化だと思っていて、当然、韓国もK-POPという形でありますし、日本ではJ-POPの中でのアイドル文化があるという中でどういう風に受け止めてもらえるのか楽しみですね。やっぱりちゃんと東アジアで見てもらえるクオリティの作品にしたいというすごく強い思いがあったので、楽しみにしてます。

(C)2025「恋愛裁判」製作委員会

── 今回の役は相当意味があることだったんじゃないですか?

齊藤 そうですね。このお話を聞いた時に絶対にやりたいと思ってオーディションを受けさせていただきましたし、こうしてカンヌ国際映画祭、釜山国際映画祭と続けて行かせていただいたことは本当に一生忘れない思い出です。

この映画は作品なんですけど、一種のドキュメンタリー映画みたいな感じで、アイドルシーンはすごいリアリティが詰まっていたり、裁判シーンは緊迫感溢れていて、本当にリアルが溢れてるドキュメンタリー映画のようなものでしたね。

── 深田監督は今回どれぐらいリサーチを重ねたんですか?

監督 企画をスタートしたのが2016年の1月だったんですね。『淵に立つ』という映画の編集中だったんですけど、その時のメールを見返してみたら、その頃から始まっていて。

もともと2015年にアイドルの女の子が事務所から裁判を起こされるというすごく小さなニュース記事があって、それを見て、これはすごく興味深いことで面白い映画になるんじゃないかと思って始めたので、もう7、8年ずっとリサーチを続けながら共同脚本の三谷伸太朗さんと一緒にずっと書いていました。

三谷さんがアイドルに対して非常に詳しかったので、彼の力に助けられながらいろんな取材を重ねてきという感じです。実際のアイドルの方にも取材をしたし、アイドルのプロデューサーやマネージャーの方にも取材をしたという感じですね。

── 撮影を振り返ってみて何か思い出に残ってるエピソードとかありますか?

齊藤 アイドルシーンは撮影をしてる感じがなくて、“撮影感”がいい意味でなかったっていうのがまた観ていてリアルに感じることにも繋がるのかなと思いました。

── 実際にちゃんと歌も作って振り付けもしてという。

齊藤 そうですね。振り入れとか久しぶりにやりました(笑)。スタジオにみんなで集まって3時間ぐらいレッスンしていました。アイドル活動がスタートしてるみたいな、本当に“撮影”っていう感じではなかったですね。

(C)2025「恋愛裁判」製作委員会

── そこからガラっと裁判シーンに変わるじゃないですか。その色の変わり方だったり、テイストが変わっていくっていうのはすごかったなと思いましたけども、そこはそれぞれのパートは撮り切っていったって感じですか?

齊藤 そうですね。アイドルシーンが終わってから裁判シーンになって、その時、メイクから共演者の方がガラっと変わるんです。衣装や、メイクが変わり、違う作品の撮影をしているかのような気持ちになって、ご一緒させていただいた唐田えりかさんとは「『恋愛裁判』じゃないよね。違う作品みたいだね」っていう話をしました。

(C)2025「恋愛裁判」製作委員会

── 数々の裁判映画があって、それもみんな名作ばっかりですけれども、深田監督がちょっと意識した映画や、もっとこうしようと思ったことは何かありますか?

監督 裁判映画に関して言うと、もちろん好きな裁判映画というのは色々とあることはあるんですけど、なかなか直接的に参考にできるものは少なかったなと思っていて。というのもやっぱり民事裁判っていうのはすごく少ないんですね。

強いて言うと、参考に観た作品で言うと『マリッジ・ストーリー』です。あれは離婚裁判の話で、でも当然やっぱりアメリカとそもそも日本とでは違います。日本の民事裁判が基本的にすごく地味なんです。最初2016年になんとなくイメージしたのはもうちょっと裁判劇の要素が強くなる予定だったんですけど、調べれば調べるほど日本の民事裁判を映画にすることの難しさというところにぶつかっていった中で今のような形になっていたという感じですね。

やっぱり視線の抜き換えしがすごくシンプルに撮れるのと、あと齊藤さんが先ほどおっしゃった通り、オーディションでやっていただいた恋愛のシーンももちろん良かったんですけど、やっぱり驚いたのは裁判のシーンで。当然裁判のシーンはちょっと正面から撮りたいと思っていました。それでまず、齊藤さんの正面の顔の表情が非常に強いというのと、あと独白の部分ですよね。

アイドルの齊藤さんが来るってイメージで待ち構えていたんですけど、むしろアイドルの人が演じそうな恋愛シーンよりもすごくその抑えた裁判のシーンの方がものすごく印象が強くて、それで裁判シーンの齊藤さんを見て齊藤さんにお願いしたいという風に思ったのよく覚えてます。

(C)2025「恋愛裁判」製作委員会

── 動画配信の時もカメラの前でずっと喋るじゃないですか。しかも裁判シーンもあるじゃないですか。それを映画の初演でやるって相当ドキドキしたりしませんでしたか?

齊藤 ドキドキしましたね。でも、特にその裁判シーンで志望動機を言うところで、「ハッピー☆ファンファーレ」になるまでの過程だったりを言うシーンが自分自身の過去とちょっと重なるところもあったので、本当に自分が裁判を起こされたかのような気持ちになるぐらい、いい緊迫感を出せたんじゃないかなって思います。

(C)2025「恋愛裁判」製作委員会

動画ではほかにも、本作に込めた思いや見どころなどもお話していただきました。ぜひあわせてご覧ください。

『恋愛裁判』
1月23日(金)公開
(C)2025「恋愛裁判」製作委員会

Vol.65 『恋愛裁判』齊藤京子&深田晃司監督

データ

YouTubeチャンネル「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」
https://www.youtube.com/channel/UCVYlon8lP0rOJoFamEjsklA