【動画インタビュー】気になる!あの映画の“ウラ話” by.映画パーソナリティ 伊藤さとり

Vol.71 『すべて真夜中の恋人たち』主演・岸井ゆきのが初カンヌの感想と映画愛を語る!

第71回

(左から)岸井ゆきの、伊藤さとり

映画パーソナリティ・伊藤さとりのYouTube番組「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」。

新作映画の紹介や、完成イベントの模様を交えながら、仲良しの映画人とゆる~い雰囲気の中でトークを繰り広げます。他ではなかなか聞き出せない、俳優・監督たちの本音とは?

今回は先月開催された第79回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に正式出品を果たした 『すべて真夜中の恋人たち』から主演の岸井ゆきのさんにお話を伺いました。

映画人たちの貴重な素顔をご堪能ください。

川上未映子による同名小説を岸井ゆきのを主演に迎え映画化

『すべて真夜中の恋人たち』

本作は、 川上未映子の長編小説を主演に岸井ゆきの、共演に浅野忠信を迎え、『あのこは貴族』の岨手由貴子監督が映画化。 人との関わりを拒み孤独に生きてきたフリーの校閲者・入江冬子(岸井ゆきの)がひょんなことから年上の物理教師・三束(浅野忠信)と出会い、交流を深めていく中で、自らの孤独や感情と向き合っていく恋愛物語となっている。

冬子の心の声を届ける重要な“語り役”として松坂桃李が声のみで出演している。

「本当に映画好きが集まってるんだなって嬉しい気持ちになっています」

『すべて真夜中の恋人たち』

── 初カンヌの空気感はどうですか?

岸井ゆきの(以下、 岸井)会場の近くにもう行ったんですけど、すごい人で。盛り上がりを間近で見れて、今夜のワールドプレミアがすごく楽しみになりました。

── では、もうレッドカーペッドを見られたんですね。

岸井 はい。すごい人ですね。

── あそこを歩くんですもんね。カンヌに行った人から話とか聞きましたか?

岸井 いいえ、想像するだけで。ずっと憧れてきた景色だったので、誰にも知識はいただかずに、まず自分の目で見ることになりましたね。

── しかも、主演映画で。

岸井 はい。嬉しいです。本当に嬉しいです。

── そうですよね。だって海外の人、しかもカンヌの人たちに観てもらうって、本当に映画好きの人たちが集まっているじゃないですか。そこで観られるっていうのは……。

岸井 本当に嬉しいです。私自身も映画が観たくて、アラームをかけてチケット待機をしたりしたんですけど、結構取れなかったりして。そうやって観たいものにちゃんと皆さん向かって行ってて、この熱気ってここでしか味わえないので。本当に映画好きが集まってるんだなって嬉しい気持ちになっています。

── 海外の俳優さん、監督さんには会えてないですか?

岸井 すれ違ったりしたんですけど、ちょっとやっぱり話しかけたりするのは難しいですね。

── 誰に会いました?

岸井 クロエ・ジャオさん。 エレベーターホールで会っちゃったので、「はっ!」て思った瞬間にはもうすれ違ってしまっていて、ちょっと何も言えなかったです。

── うわあ、言えばよかったのに。「Nice to meet you.I'm a Japanese actress.」って。

岸井 言えなかったです。「誰かに会ったらどうしよう? 話しかけたりしていいかな?」とか浅野さんとお話しさせていただいてて。そしたら浅野さんは「すぐ話しかけた方がいいよ!」って。浅野さんは経験があったみたいで、「俺も話しかけたよ」って言ってたので、「じゃあ私も」とか言っていましたけど、いざその場面に直面すると立ち止まってしまって。難しかったですね。

── 『ハムネット』公開中ですし、話したかったですよね。デミ・ムーアも来てますしね。いろんな俳優さんたちが来てますからね。

岸井 そう。会いたい人がいっぱいいるんですけど。

── アダム・ドライバーも来てたりしますもんね。

岸井 はい。ジェームズ・グレイさんに会いたくて。

── 監督で来てますからね。

岸井 はい! 1 番会いたいですね。 もうチケットも取りました。

── さすが! コンペティション部門の作品ですね。『すべて真夜中の恋人たち』は日本で公開されますけれども、最初に完成した映画を観た時はどう思われたんですか?

岸井 完成したものを観た時は本当に嬉しくて、やっと今までやってきたものが形になったっていうか。ファーストカットからすごいグッとくるというか、面白い構成になってると思うんですね。「あっ、ここから見せていくんだ」っていうのもすごい感動しましたし、心を込めて作った作品が、光の映画を作ろうと言って始まったこの作品が、まさに光の映画になってるなというのが嬉しかったですね。

── しゃべるトーンやテンポだったり、空気感、全体の構図っていうのかな、そういうものがすごい独特で……。

岸井 そうですよね。

── 時間が止まってるみたいな雰囲気を醸し出していました。

岸井 冬子のテンポっていうのはすごく気にしていたので嬉しい感想です。

── すごいと思って。しかもそこで浅野忠信さんとの会話もね。 共演は?

岸井 初めてです。

── いかがでしたか?

岸井 本当に私もずっと見てきた映画スターというか、すごく好きな俳優さんだったので最初は緊張したんですけど、話し始めたらとても気さくな方じゃないですか。だから休憩時間とかもお話しさせていただいて楽しかったです。冬子と三束(みつつか)さんの空気とはまた別の、本当にオフの気さくな感じで、ちゃんとオンオフつけてやれたなっていう感じがします。

── 浅野さんはマーベルにも出てますからね。

岸井 はい。

── 話しました?

岸井 はい。『マイティ・ソー』の話もしたし。 いろんなことを教えていただきました。

── そんな浅野忠信さんと歩くわけですからね。

岸井 はい!

── ご自身の中で最近ヒットしたことやものについても教えていただきたいです。

岸井 私、『グランド・イリュージョン』のシリーズが大好きなんですよ。

── 新作観ました?

岸井 はい。公開日の8時5分の回に行って。

── つい最近のことですね?

岸井 カンヌに行っちゃうから観られないと思って、公開日の8時5分に映画館に行って。あれってやっぱり最初の『1』を今から観ても絶対面白いんですよ。

── あれ、結構前なんですよね。

岸井 はい。2013年とかなんですけど、あの当時スクリーンで観てたものを一緒にジェシー・アイゼンバーグさんたちと年をとっていって今また観るっていう経験が、やっぱり唯一無二のというか、かけがいのないものじゃないですか。それをどうしてもしたくて、朝8時に……。

── もうファンの鏡よ! 宣伝マンに伝えます。泣いちゃうと思う。

岸井 今はSNSの時代なのでもしかしたらトリックとかも見えちゃうかもしれないと思って、最速で観に行ったんですけど。やっぱみんなちゃんと美しく年をとられていて、それでフォー・ホースメンさんに会えるっていう、その体験はもう完全に……これはヒットって言うのかな……?

── いや、ヒットですよ。映画ファンとしてのヒット!

岸井 すごく嬉しかったです。一緒に生きてきたんだなっていうのを感じられて。

── でも、もしかして飛行機の中でも映画観てたりしたんじゃないですか?

岸井 ユーロスペースでロベール・ブレッソン監督作品を何回も再上映していたので、今上映しているいろんなブレッソン作品を観ました。でも『田舎司祭の日記』が上映されなかったんです。あと『たぶん悪魔が』も上映してほしかったんですけど。なので配信でダウンロードして『田舎司祭の日記』を観てから来ました。

── 忙しいのによく観ていらっしゃいます。

岸井 やっぱりフランスに来るならロベール・ブレッソン監督だと思ってたくさん観ました。

── カンヌにいる期間中、何かどこか行くことはできたりするんですか?

岸井 行けたらいいんですけど……。行きたい!ニースとかにも1回ぐらい行きたい。

── すぐですから。行けちゃいますからね。

岸井 ちょっと上映のスケジュールを確認して。チケットが取れたらやっぱり映画を観たいので。

『すべて真夜中の恋人たち』
2026年秋公開
(C)2026 年『すべて真夜中の恋人たち』製作委員会

Vol.71 第79回カンヌ国際映画祭
『すべて真夜中の恋人たち』 岸井ゆきの

データ

YouTubeチャンネル「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」
https://www.youtube.com/channel/UCVYlon8lP0rOJoFamEjsklA