【動画インタビュー】気になる!あの映画の“ウラ話” by.映画パーソナリティ 伊藤さとり

Vol.72 初カンヌの坂東龍汰×岡山天音が『我々は宇宙人』の魅力を語る!「全世代に刺さるノスタルジーがある」

第72回

(左から)伊藤さとり、坂東龍汰、岡山天音

映画パーソナリティ・伊藤さとりのYouTube番組「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」。

新作映画の紹介や、完成イベントの模様を交えながら、仲良しの映画人とゆる~い雰囲気の中でトークを繰り広げます。他ではなかなか聞き出せない、俳優・監督たちの本音とは?

今回は今年の5月に開催された第79回カンヌ国際映画祭監督週間にて正式上映が行われた『我々は宇宙人』から声優を務めた坂東龍汰さんと岡山天音さんにお話を伺いました。

映画人たちの貴重な素顔をご堪能ください。

平成の田舎町を舞台に記憶と友情を見つめる青春アニメ

『我々は宇宙人』

本作は、第79回カンヌ国際映画祭監督週間に正式出品され、アヌシー国際アニメーション映画祭2026 長編コンペティション部門にも選出されたアニメーション映画。普通であることに悩む内気な翼と、クラスの人気者の暁太郎の友情や関係性の変遷とそこに大きな影響を与えるとある事件を描く。企画・脚本・監督は、門脇康平。坂東龍汰、岡山天音がW主演を務め、メインのふたりの声を演じた。

「口コミでめっちゃ広がるんじゃないかなって思ってます(坂東)」

『我々は宇宙人』

── おふたりは幼少期バージョンの声を聞いてから青年期をやっているんですか?

岡山 僕は1回、幼少期の時の収録にもお邪魔させていただいて、ちょっと現場で見させていただいたりとかしました。でも、その時は全体じゃなかったんですけど、のちのち映像と幼少期の子役の方たちの声が全部ハマっているものを見てから収録はしました。

── 子役さんたちの声を聞いて、おふたりは演技をさらにバージョンアップさせるみたいな?

坂東 バージョンアップというよりはどうこのバトンを崩さないようにキャッチするかみたいな感じでしたね。

岡山 あと、本当にオリジナリティのある作画なので、これをどういう感じの風合いでやるのがマッチするんだろうっていうことが、参考になるものがこれまでの作品にないというか。だから実際、子役の方たちが声を当ててアニメーションに乗っかってるものを見させてもらったのはすごく助かりましたね。こういう感じでいくとこういう見え方になるんだ、ハマり方になるんだっていうのがわかったので。

坂東 幼少期の子たちの芝居を見た時に、ナチュラルという言い方があっているのかちょっとわからないんですけど、ものすごく演技をしていない、本当に自然にそこに存在してる映画的なトーンの演出をされてるんだなっていう風に思って。確かにこの画にぴったりだなと思いました。 そこは新しいチャレンジだったし、何がハマるのかっていうのは天音君が横にいて一緒に声を当てながら探ってくみたいな。でも全てにおいて、引き算だった感じはします。

『我々は宇宙人』

── 私も幼少期を見ているので、多分想像するに暁太郎が天音君で翼が坂ちゃんよねって勝手に思いながら声の変化を期待するわけです。なんだろうね、この感覚ってと思いながら。

坂東 (うん、うんと頷く)

── それで、(青年期のシーンが)来た!と思った時に「はい」って納得できたけど、その声の変化までワクワクする映画ってなかなかないなと思いました。観客が一緒に成長を見守ったんだろうね。

坂東 その声変わりする微妙なタイミングとかも年齢順に追っているので、そことか何か若干意識しました?

岡山 でも、長いスパンのお話だったから、自分が担当するパートになってからもキャラクターは年をとるから、そこって変化をつけるべきなのか、つけるとしたらどういう風にやるべきなのかって迷いました。でも、あんまり声を加工しすぎてもさっき話してたみたいにちょっとズレたりする感じがしたから、そこは結構監督と喋って、翼はこういう感じで変化つけようとしてるみたいなことも聞いたりとかして、それを踏まえてなんとなく考えてやったけど、必死でしたね。

坂東 めっちゃ必死でした。

── どっちが先にアフレコに入ったんですか?

坂東 同じタイミングでしたよね。

── 多分お互いに声を聞かないでやっているんですもんね? 私、日本の観客がこの作品をどうやって観るのか楽しみなんですよ。どんなところが日本の観客に響くと思います?

岡山 でも、さとりさんがさっきおっしゃってたみたいに、本当に忘れてたけど確かに自分がその中にいた瞬間みたいなものをこの作品が装置になって思い起こしていく体験になると思うんですよね。だから、人によって多分ビビットに反応する部分は結構違ったりするんじゃないかな。 とにかくこの国で一時を過ごした人たちは身に覚えがあるディテールがすごく詰まってると思うので、人によって様々なんじゃないかなと思いつつ、僕も忘れてたけど、自分が当時こういう雰囲気だったなと。結構みんなにぶっ刺さるんじゃないかなと思ってるけど。

坂東 めちゃくちゃぶっ刺さると思う。これ多分、口コミでめっちゃ広がるんじゃないかなって思ってます。この作品は、友達に薦めない理由がないんですよ。だって全員に当てはまるノスタルジーが絶対あるから。旧友や同年代の人とか全員に薦めたくなる。

岡山 うん!

坂東 一緒に小学校を歩んで来て、大人になって今でも友達の人とかに絶対薦めたくなる。それで、観て一緒に話したい。「昔こんなことあったね、俺らは」みたいなこととか。

岡山 そうですね。監督も形にしないとなかったことになっちゃう気持ちだったりとか、時間みたいなものを刻んでおきたかったみたいなお話をされてて、確かになって思いました。 覚えてることってたくさんあるけど、そこからこぼれてる、でも今思い返すと何か“特別な輝きを放ってる瞬間”みたいなのってあったなって。これを昨日また改めてたくさんのお客さんたちと一緒に観て、また別の部分で刺激されて想起するものとかもありましたし。

坂東 カンヌで現地の人たちと観るギャップとこのより素直に入ってくる感覚って何なんでしょうね。やっぱり違う文化だけど同じことを辿って通過してきた、いち人間として共鳴できたことが嬉しかったのか。僕はいち、この作品のファンとして一緒に観ていてシンプルにそこに感動しちゃった。

『我々は宇宙人』

── しかも、小学校も物語に入ってくるから、小学生の子たちにも刺さるよねって思いましたよ。

坂東 昨日、小学生の女の子たち、すごいテンション上がってましたよ。ちっちゃい子たち、 めちゃくちゃテンション高かった。

── それは素晴らしい。

坂東 5人ぐらい、いました。

── 自分たちの友達関係を多分見ることになるから。 全世代に刺さってる、私はそう思うな。

坂東 本当にそうだと思います。 全世代に刺さるノスタルジーがある。

岡山 そうだね。

坂東 やっぱり1個1個このビー玉の画を見てもそうだけど、 本当に細かいんですよ。ひたすら細かくてリアルで嘘がないっていう、“絶対にある”って一目で確信できる、信じさせてくれる画力というか作画だから、観ていて何にも違和感がない。 むしろ、リアルすぎて記憶が蘇ってきちゃうぐらいだから。当たり前のように過ぎ去っていくカットが当たり前じゃないってことをすごく画で表現することによって指してくるんだなっていうこともアニメーション映画を観て初めて感じた感覚かもしれないですね。実写映画を超えるというか。

── 監督の感性ですよね。私、傘の「ぶんっ!」というシーンを思い出しました。

坂東 あ、「ぶんっ!」ね。

『我々は宇宙人』

── 小学校の時やられたなって。でも、私は怒らなかったなって思い出したんです。

岡山 あのひっくり返すやつですね。傘のこうもりみたいな。

── うん。 子どもにはあんなさりげないことが感情を揺さぶっちゃうんだよね、っていうのを描いているんだもん。

坂東 あと、「やめて!」って言ったことをやられることね。

── そうそうそうそう。

坂東 子どもってなんでやめれないんだろうって。僕も未だにやめられないみたいな(笑)。

岡山 (小さい声で)子ども。

動画ではほかにも、カンヌでの登壇挨拶の様子や岡山天音さんがファンから「メロかった」と言われたエピソード、おふたりの最近ヒットしたことなどお話していただきました。ぜひあわせてご覧ください。

『我々は宇宙人』
9月25日(金)全国公開
(C)NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS

Vol.72 第79回カンヌ国際映画祭
『我々は宇宙人』 坂東龍汰×岡山天音

データ

YouTubeチャンネル「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」
https://www.youtube.com/channel/UCVYlon8lP0rOJoFamEjsklA