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ゆいにしお/PIA SONAR MUSIC FRIDAYインタビュー

“ゆいにしお流シティポップ”が味わえるメジャー1stフルアルバム『tasty city』をリリース シンガーソングライター、ゆいにしおインタビュー

特集連載

第63回

櫻井海音が最新のリリース楽曲からライブイベントまで、“いま聴くべき音楽”を厳選して紹介するJ-WAVE『PIA SONAR MUSIC FRIDAY』から、番組連動インタビューを掲載。

今回登場するのは、渋谷系サウンド×リアルな歌詞で注目を集めるシンガーソングライター、ゆいにしお。透明感の中にも深みのある声と心地よいメロディ、そして何と言っても20代半ばの女性の心情を的確に表現した歌詞が秀逸。70年代〜80年代のロック/ポップスを音楽的ルーツに持ちながら、令和の今に響く最新のサウンドをまとった“ゆいにしお流シティポップ”が味わえるメジャー1stフルアルバム『tasty city』を中心に話を聞いた。

自分の曲が誰かのもとに届いているっていう実感を得られるようになった

── 音楽を知ったきっかけは、お父さんの影響が大きいんですよね?

そうですね。父の運転する車の中でビートルズがかかっていたりとか、山下達郎さんのラジオを家で流れていたりとか、そういうところから自然と私の音楽的ルーツが出来上がっていったんじゃないかなと思います。小さい頃は、車や家で流れている音楽が誰の曲かというのはわからなかったんですけど、後から、あ、これって車の中で聴いたことのあるやつだって気づいて、ビートルズだったんだって知るっていうことが多かったですね。

── ゆいにしおさん世代だとかなり渋いルーツですよね(笑)。

本当にまわりにいなくて(笑)。私たち世代だとRADWIMPSとかの邦ロック、それとKARAをはじめとしたK-POPが流行っていたので、音楽について話せる友達はいなかったですね。自分に擦り込まれた音楽とみんなが聴いている音楽とのギャップがありすぎて。あんまりみんなと同じものは聴かなかったです。

── 音楽をやり始めたのはどういうきっかけだったんですか?

最初に音楽に関わり始めたのは4歳の頃で、叔母がピアノの先生をしていたので、その影響で私からやりたいと言ったのか、母の勧めかは覚えてないんですけど、ピアノを習い始めました。

── 弾き語りもやってらっしゃるのでギターのイメージが強いんですけど、ギターは自分の意志で始めたんですか?

兄がギターを弾いているのを見て、いいなって思ったのと、ギターを弾きながら歌を歌えたら楽しそうだなって思ったのがきっかけですね。それが中学生くらいの頃です。

── ギターはしっくり来ましたか?

それが全然で(笑)。いわゆる“Fの壁”もありましたし、ピックの持ち方が変で、右手の中指が血だらけになりながら弾いていました(笑)。だから喧嘩しながら仲良くなっていったっていう感じです。

── はははは。

中学の頃に使ってたアコギのサウンドホールの中を覗くと血痕が残っているんですよ。

── えー! 伝説のギターみたいですね(笑)。ぜひ捨てずにとっておいてください。

はい(笑)。

── 曲は自然と作り始めるようになったんですか?

小さい頃から適当に歌いながら曲っぽいものを作ることはしてたんですけど、ギターを練習し始めてからちゃんと曲を作ろうっていう意識になっていったように思います。

── 初めて作った曲って覚えてますか?

覚えてますよ! 中学2年の時で、友達の誕生日に作って披露しました。その時に友達が喜んでくれたんです。自分の作った曲で誰かが喜んでくれるっていうのはうれしいなって思って、そこから曲を作ることにのめり込んでいきました。

── その感覚が今でも曲を作るモチベーションのベースとしてあるものですか?

そうですね。

── プロになりたいというのはいつ頃から思い始めたんですか?

ぼんやり思ってはいたんですけど、実際にプロになるのは難しいだろうなって思ったし、どうしても音楽1本で食べていくっていうのがイメージできなかったんですよね。だから大学生くらいまではこのまま趣味でやっていこうかなっていう感じでした。

── そこから何かきっかけがあったんですか?

今の事務所のオーディションに合格したのが一番のきっかけです。最初はリリースをしてもそんなに聴いてくれる人もいなかったんですけど、だんだん自分の曲が誰かのもとに届いているっていう実感を得られるようになって、これは自分のやりたいことだな、自分に合った仕事だなって思えたんですよね。

変化することをポジティブに捉えられるようになってきた

── 10月5日にリリースした1stフルアルバム『tasty city』についてお聞きします。これまで配信含めてシングルとミニアルバムのリリースでしたが、フルアルバムというのはいかがですか?

私は頻繁に曲を作れるっていうタイプではないので、それもあってミニアルバムでのリリースを毎年(2019年から3年)続けていたんですけど、いざアルバムを制作するってなったら、果たして12曲も作れるだろうか?っていうプレッシャーはありました。でも今回のアルバムは、自分がこの人とやってみたいっていう人たちと一緒に作っていったんです。そしたらあっという間に12曲できていたっていう感じでした。そういう意味でも手応えのあるアルバムができました。

── 誰かと共作のような形で曲を作っていくというやり方はこれまでなかったんですか?

まったくの初めてというわけではなかったんですけど、ここまで多くの人とご一緒したのは初めてでした。トータルで7人くらいの方に携わっていただいたので。

── ご自身にとってはどういう経験でしたか?

今までの作り方だと、自分で作った曲を弾き語りしたものをアレンジャーさんにお渡しして、アレンジされたものが返ってくるっていう感じだったんですけど、今回は作曲段階から一緒にスタジオに入って作ったりっていう曲があったり、先にまるっとアレンジャーさんにトラックを作っていただいて、そこに私がメロディを乗せていくっていうやり方だったり、結構自分にとっては新しいやり方ができました。それまで行き詰まることがあったら、どうしよう……って感じだったんですけど、今回のやり方を経験したことで、結構いろんな方法があるんだなって思えるようになったのは大きいですね。前向きになれました。

── 逆に、多くの人とやったからこそ見えた自分の強みや個性っていうのはありましたか?

やっぱり自分の一番の強みは声なんだなって思いました。聴きやすい声でもあるっぽくて。どのアレンジャーさんも共通して私の声を大事にした楽曲作りをしてくださいましたね。

── 歌詞と曲ではどちらが先にできるんですか?

詞が先のことが多いですね。

── じゃあ先にテーマというか言葉があって、そこから導き出されたメロディがくるわけですね。

そうですね。こういう言葉のリズムだったらこういうメロディになるな、みたいな感じで、言葉に合わせてメロディを作るっていう場合が多いです。

── それで言うと、アルバム収録3曲目の「スパイスガール」でものすごく印象的なメロディとしてある、〈有給〉と〈休憩〉という言葉は、最初に言葉ありきだったんですね。

そうですね。

── そこは完全にメロディがあった上でその言葉を当てはめたんだと思っていました。でも確かに、〈有給〉から導き出されたこそのあのメロディと考えると、なるほどな〜と深く納得してしまいました。

ありがとうございます。〈休憩〉はギリギリあっても、〈有給〉はあんまりないかもしれませんよね、ポップスの歌詞では(笑)。

── その言葉と音が密接な感じというのは、ゆいにしおさんのルーツでもある、はっぴいえんどや山下達郎さんといった方達の影響というのを感じますね。

そうかもしれません。日本語のイントネーションに沿ったメロディにするように意識はしています。普通に日本語を話すように歌うというか。

── だから、ゆいにしおさんのメロディはキャッチーなんでしょうね。やはり歌詞へのこだわりは強くありますか?

曲は誰かに書いてもらってもいいけど、歌詞は絶対自分で書かなきゃ嫌だって思います。

── 例えば1曲目の「CITY LIFE」はポップなメロディでとてもワクワクする曲なんですけど、歌詞は都会の街並みやそこで目にするもの感じるものが素早く移ろっていくことを恐れないというか、そこを肯定的に捉えている。どこか、ゆいにしおさんの描くポップの根本に、移ろってゆくこと、というのが重要なテーマとしてあるような気がしたんですよね。

20代前半の頃は歳をとりたくないなって思ってたんですけど、20代の中間地点に立ってみて、変化することをポジティブに捉えられるようになってきたということが大きいかもしれません。

女子会のネタを曲に落とし込んで、みたいなことは結構多いですよ(笑)

── まさにアルバム収録2曲目の「mid-20s」は、20代半ばの女性に向けたジェネレーション・ソングになっていますね。同時代感・同世代感というものは、ゆいにしおさんの中では結構大切な要素としてありますよね。

そうですね。同世代の人に聴いてほしいっていう思いは強くありますね。ちょっとストレートすぎるかもしれないんですけど、「mid-20s」というタイトルにしました。

── ストレートだからこそ大切な曲なんだなというのが伝わってきます。

この曲が書けたことで、今の時間も大事にできるし、これからも楽しみだなって自分で思えているので、この曲を聴いた人もそういう気持ちになってほしいなって思います。

── まずどういったきっかけでこの曲を作ろうと思ったんですか?

20代前半はみんな何かと忙しくてなかなか会えなかったけど、最近はちょっとずつ落ち着いたり、生活に余裕が出てきたりして、「会おうぜ!」っていうことが多くなってきたんですよね。コロナが少し落ち着いてきたっていうこともあって。そこで話を聞いていると、みんなの悩みがそれまでにはなかった、まさに20代半ばっていう感じのものになってるんですよ。結婚するしないとか、転職するしないとか。私は中学高校の6年間女子校で、その時からずっと仲のいい友達がいるんですけど、そっか、みんなこういう悩みを持つようになったのねって感心じゃないですけど(笑)、へーって思ったんです。で、そういう悩みを解決はできないんですけど、ポジティブに捉えられる曲があったらいいなーって思ったのがこの曲を作るきっかけですね。

── 結構ドキュメンタリーなんですね。

ははは。

── そういう感じで出来上がる曲は多いんですか?

ほとんどそうですね。女子会のネタを曲に落とし込んで、みたいなことは結構多いですよ(笑)。

── アレンジはShin Sakiuraさんですが、どのようにイメージを伝えたんですか?

Shin Sakiuraさんのアレンジした曲を本当によく聴いていたので、もう好きなようにやってください!って感じではあったんですけど(笑)、イメージとしては今の女性シンガーソングライターのムードを反映した感じにしてくださいってお願いしました。

── 曲の最初っからかっこいいですよね。

ずっとかっこいいですよね、終わりまで(笑)。ほんのりノスタルジックになる瞬間もあったりして、うん、完璧ですね(笑)。

── ゆいにしおさんにとっての“ポップ”というのはどういうものですか?

なかなか一言で表現するのは難しいんですけど、歌詞を見て、共感まではいかなくても誰にでも通じるものっていう感覚がありますね。

── 10月26日(水)から東名阪ツアーが始まります。ライブはいかがですか?

音楽にまつわる活動の中でもライブはもうちょっとがんばらないとなって思っています(笑)。楽しいんですけど。でもいつも、あそこはああしとけばよかった……って課題が残っちゃう感じですね。

── 伸び代がすごいあると。

ポジティブに言えば、そうですね(笑)。

── どんな編成になるんですか?

今回は、ドラム、ベース、ギター、キーボード、私です。

── 今後、こういうことをやってみたいなっていうことはありますか?

タイアップにどんどんチャレンジしていきたいですね。これまでもドラマやアニメに曲を書かせていただいたんですけど、ベースに物語があって、その物語に寄り添う形で曲を書くっていうのがすごく楽しかったので、やったことのないところで言ったらCMとか、そういうものにもたくさんチャレンジしていきたいです。

Text:谷岡正浩 Photo:吉田圭子

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リリース情報

ゆいにしお メジャー1stフルアルバム『tasty city』
発売中
価格:3,000円

【収録曲】
01. CITY LIFE
02. mid-20s
03. スパイスガール
04. sun shade
05. チートデイ
06. suitcase
07. Rough Driver
08. パレード
09. 息を吸う ここで吸う 生きてく
10. スポットライト
11. タッチミー(2022 Ver.)
12. ワンダーランドはすぐそばに

ライブ情報

メジャー1stフルアルバム『tasty city』リリースワンマンツアー“tasty sound”
2022年10月26日(水)大阪・心斎橋Music Club JANUS
2022年10月27日(木)愛知・名古屋ell.FITSALL
2022年11月25日(金)東京・渋谷WWW
チケット代:前売4,000円/当日4,500円
※入場時ドリンク代が必要

プロフィール

透明感の中にも深みのある声と、心地よいメロディーが持ち味のシンガーソングライター。2016年から愛知県にて弾き語りで活動をスタート。2018年に開催された日本コロムビア主催「半熟オーディション supported by Eggs」でグランプリを獲得。これまで3枚のミニアルバムをリリースしている。
2022年4月には配信シングル「ワンダーランドはすぐそばに」が、TOKYO MX月曜ドラマ『片恋グルメ日記2』のエンディング主題歌に起用され、同年10月、1stフルアルバム『tasty city』のリリースをもって日本コロムビアよりメジャーデビュー。10月26日よりアルバムを引っさげた東名阪のリリースツアーを開催する。

関連リンク

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番組概要

放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:PIA SONAR MUSIC FRIDAY
ナビゲーター:櫻井海音
放送日時:毎週金曜 22:30~23:00
番組HP:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarfriday/
番組twitter:https://twitter.com/SONAR_MUSIC_813
ハッシュタグ:#sonar813
番組LINEアカウント:http://lin.ee/H8QXCjW