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カネヨリマサル/PIA SONAR MUSIC FRIDAYインタビュー

3ピースロックバンド・カネヨリマサル、ちとせみなインタビュー「『26』は大事なタイミングで出したいねって」

特集連載

第70回

櫻井海音が最新のリリース楽曲からライブイベントまで、“いま聴くべき音楽”を厳選して紹介するJ-WAVE『PIA SONAR MUSIC FRIDAY』から、番組連動インタビューを掲載。

今回登場するのは、3ピースロックバンドのカネヨリマサル。インパクトの強いバンド名もさることながら、シンプルで力強いサウンドは一度聴いたら心を鷲掴みにされるようなキャッチーさと驚きに満ちている。2014年の結成以降、ミニアルバムとシングルを中心にリリースを重ねつつ、ライブ活動を行うことで着実に実力と人気を増やしていった彼女たち。
この1月25日(水)にリリースした初のアルバム『わたしのノクターン』でついにメジャーデビューを果たした。バンドとしてのブレない芯の強さの秘密に迫るべく、ほとんどの楽曲のソングライティングを手がけるボーカル&ギターのちとせみなに話を聞いた。

私という人間が曲を書く限り、これからも根本はあまり変わらないと思います

── まずは2022年の振り返りからお聞きします。バンドにとってどんな1年でしたか?

新しいチャレンジをたくさんしたなっていう印象です。

── 例えばどんなチャレンジをしましたか?

5月に初めてワンマンライブを東京と大阪でやりました。それと配信シングルで新曲を定期的にリリースすることができましたね。

── ワンマンライブはソールドアウトしたんですよね。いかがでしたか?

当たり前なんですけど、ワンマンライブってお客さん全員が自分たちのファンなんだって思うと、その光景を目の当たりにして、ここまで来たんだって思えて、自分の人生の中でも本当に大切な出来事でした。

── その経験が与える楽曲制作への影響というのはありましたか?

自分たちの曲をライブハウスに来て目の前で受け取ってくれるっていうことを再確認できたので、曲を作っている時もお客さんがどういうふうに感じてくれるのかなっていうことをより具体的に想像できるようになりました。

── そして1月4日に配信シングル「26」をリリースして、25日(水)にはアルバム『わたしのノクターン』でメジャーデビューとなります。結成からで言うと、ここまで9年。長かったですか?

今になって本当にいろんなことがあったなって思うんですけど、でも実際はずっと変わらず音楽を続けているので、音楽に関してだけで言えば、あっという間でした。

── あ、なるほど。生活とかそういうのをひっくるめると、いろいろとね(笑)。

そうですそうです(笑)。自分の人生自体はいろいろあったので。

── 変わらず3人の音楽をやり続けている、というのは実はすごいことだと思うのですが、3人の間での音楽的な共通認識というのはどんなものなんですか?

例えば、このライブハウスに出ようっていうような目標を口に出して言っていたわけじゃないんですけど、目の前にあるものに向かって3人でがんばろうっていう気持ちでこれまでやってきましたね。

── 音楽的な部分で、こういう音楽をやろうよ、というようなことも確認せずとも3人の中で共通しているものがあった?

そうですね。実際にほとんどの曲を作っているのは自分で、ふたりはそれに合わせてくれているわけじゃないんですけど、私の作った曲をふたりが噛み砕いて表現してくれるというか。たぶん私は言葉足らずなんですけど、でもふたりはわかってくれるっていう信頼があります。
最初に作った時点で、私の中でアレンジが明確に見えていたら言うけど、ふたりのアイデアや感覚も大事にしたいので、あまり突き詰めずにふたりに任せるところは任せるっていう作り方をしています。でも、そうやってふたりから返ってくるもので、これはちょっと、みたいなものは全然ないですね。そういう意味では3人の感覚は似ているんだと思います。

── 聴いてきた音楽も似ているんですか?

そうですね。チャットモンチーやBUMP OF CHICKENから入ってっていう感じですね。

── その辺の話からバンドが成り立っていったんですかね。

ベースのいしはらめいとは同じ高校の軽音楽部で一緒だったんですけど、バンプが好きっていうので仲良くなって、そういうのがきっかけでバンドを組むようになりました。それで、3人に共通しているのがThe SALOVERSで、ああいう初期衝動感とか真っ直ぐさみたいなものが感じられる音楽を目指したいねっていうのは共通認識として持っていましたね。

── 活動をしていく中で、バンドとしての土台が固まってきたなと感じたのはいつくらいからですか?

自分の中での感覚なんですけど、たぶん2019年に『かけがえなくなりたい』っていうミニアルバムを初めて全国流通でリリースして、そこで「自分たちはこういう音楽をやっています!」っていうのをバンと出すことができたんです。聴いてくれる人も増えたし、自分たちがこれだと思うことをやったら、リスナーも反応してくれたっていうのはすごく自信になったというか、自分たちの音楽を世に出すっていうのはこういうことなんだって理解ができたんですよね。だからそこでの経験や感覚が、それ以降の私たちの土台になったことは間違いないと思います。

── それまではまだ探り探りの部分があった?

誰にも期待されていないし、できることもそんなになかったし、でも自分たちの好きな音楽というのはあって、それをやっていく自信はあったんですけど、やっぱり不安もあって。そこで2019年に『かけがえなくなりたい』をリリースして自分たちが思っている以上に多くの人が聴いてくれたというのはすごく自信になりました。特に、そのミニアルバムの中に「もしも」という曲があるんですけど、この曲は今でもライブで演奏する曲で、私たちの根本の詰まった曲なんです。そういう曲ができて、しかもライブでお客さんが反応してくれたりするのを見れたのが大きかったですね。届いてるんや!って。

── カネヨリマサルというバンドの歩みを見ていると、いろんな音楽的要素を取り入れて成長していくというよりも、ひたすら幹を太くしていったというような印象を受けます。

そこは、そうかもしれないですね。私という人間が曲を書く限り、これからも根本はあまり変わらないと思います。

自分で自分の世界は作っていきたいっていう思いが根本にはあります

── 1月4日にリリースされた最新シングル「26」について伺います。まず、タイトルなんですけど、この数字は何を表すんですか?

すごい個人的な話になっちゃうんで簡単に説明します(笑)。とっても大事にしていた「26」っていう数字が、全部勘違いだったっていうことがわかったんです。本当に大切だと思っていたことが本当は意味のないことで、その衝撃で「26」っていうのがずっと自分の中にこびりついてて、で、曲のタイトルにしちゃいました(笑)。

── わかるようなわからないような(笑)。とりあえず、大切な数字として「26」というのがあったんですね。そしてそれが、実はそうじゃなかったっていう経験があったと。

そうです(笑)。

── 変化していく感覚というんですかね、自分も含めて物事は一定ではないという感覚が、ちとせさんの歌詞では描かれることが多くて、そこが表現の根っこになっているのかなという気がしたんですけど、いかがですか?

自分で自分の世界は作っていきたいっていう思いが根本にはあって。というのも、今はネットでもSNSでも自分以外の人の意見や言葉というのが簡単に入ってくるじゃないですか。私の性格的にそれを受け止めすぎると、それ以上考えられなくなるというか、クリエイティブさが欠けるような感覚になるんです。それよりも、自分の言葉や考えで変わっていきたいと思っています。だからそういう感じが歌詞にも表れているのかなと思います。

── 曲のアレンジというのはどういうふうにやっていくんですか?

「26」に関しては、歌詞に寄り添う、じゃないんですけど、世界観をしっかり表現しつつ、サウンドだけでもカッコいいと思えるアレンジにしようと思って、ギターとかもちょっと切ない感じのコードを選んでみたり、あらゆるところに叫び声みたいなギターのハウリングを入れてたりするんですよ。そういう工夫はたくさんしました。

── イントロがいきなり変速になりますよね。あれはちとせさんのアイデアなんですか?

そうですね。でももう2016年くらいに作ったので、きっかけとかもあんまり覚えてないですね(笑)。

── え、そんなに前に作ったんですか? じゃあ「26」に裏切られたのは2016年より前なんですね。

まさに2016年です(笑)。

── なるほど(笑)。ということは、曲ができてからかなり熟成してたんですね。どうしてですか?

曲ができた当時から、「この曲はヤバイ」っていう感覚がメンバーの中にあって、だから普通に出すよりも大事なタイミングで出したいねって話はしてたんです。それで、フルアルバムを出すのも初めてだし、メジャーデビューだし、絶対にここしかないなって思って、このタイミングでリリースしました。

── ライブではやってたんですか?

ライブでやったのは2016年のたった一回だけなんですよ。そこから約6年間、一度もやってないです。

── 2016年に曲ができた時点と今回改めてレコーディングした時点を比べて、何か違いはありましたか?

ちょっと俯瞰しているというか。2016年の出来立てホヤホヤの時はすごい感情的で、スタジオで合わせるだけで泣きそう、みたいな感じだったんですよ。でも今は、ちゃんとこういう曲でどういう音にしたいかとか、音楽的な感覚できちんと録れたなと思います。

ただ単に音楽がめちゃくちゃいいっていうバンドにしたかった

── 歌詞について伺うのですが、基本的な姿勢として、感じたことを言葉にして歌う、ということを大切にされていますよね?

そうですね。最初、バンドを組んでしばらくは、自分が何を歌いたいかっていうのが全然定まってなかったんです。でも失恋とか様々な経験をしていく中で、だんだん言葉が自然と出てくるようになったんですよね。それが2015年くらいだったと思います。そうか、自分はこういう書き方なんだって思ったというか。心が動いた時に書くのがたぶん自分に一番合ってるんだろうなって思って、そこからはずっとこのスタイルで行っています。

── 一方で、求められることも出てくるわけじゃないですか。そこと自分のやりたいこととのギャップを感じることはありませんでしたか?

ギャップみたいなのは確かに感じることはありました。良くも悪くもだとは思うんですけど。例えば、絶対に今自分は作らないだろうっていうタイミングで作らないといけないっていう経験はすごい勉強になりました。タイアップの書き下ろしをいただくことがあって。最初は、できるかな?って感じだったんですけど、でも実際にやってみたら、共感できるポイントがあったので、そこを自分のものとして書いたらできましたね。

── 自分で自分の心を動かしたわけですね。

まさに、そうですね。

── カネヨリマサルだからこそ伝えられる音楽というのはどういうものですか?

昔からカネヨリマサルっていうバンドはこうしたいって思っていた理想像みたいなのがあるんですけど、それが、見た目がかわいいとかキラキラしてるとか、個性がわかるような外見とかじゃなくて、ただ単に音楽がめちゃくちゃいいっていうバンドにしたかったんですよ。「普通の人間がやってるめちゃくちゃいい音楽」っていうのにすごい憧れがあって、なのでそこを追求していきたいと思います。

── ジャンルとかそういうことではなく、誰が聴いてもカッコいいと思えるものを目指したい?

ありのまま等身大のまま、キャラ作りをするわけでもなく、本当にいいなと思う曲を作りたいです。

── それを3人でやりたいっていう意識がすごい強いんでしょうね。

そうですね。最終的には3人でアレンジをするっていうのは大事にしていますね。背伸びをするっていうことじゃないんですけど、自分たちの音楽を見失わないようにはしたいと思っています。

── 1月25日(水)にはアルバム『わたしのノクターン』がリリースされました。ノクターンと言えばショパンをすぐに思い浮かべてしまうのですが、そのノクターンとは関係ない?

はい。ノクターンって夜想曲っていう意味だっていうのを検索して知って、その感じがすごく気に入って、自分の曲作りと合ってるなって思ったんですよね。私は夜にいろいろ思い耽って歌にしていく生活を送っているので。で、実際にそうやって夜に作った曲がアルバムにはいっぱい入っているので、ノクターン=夜想曲という言葉をタイトルに入れました。

── アルバムを出すのが初めてということですが、ミニアルバムやシングルと比べ感じた一番の違いは何でしたか?

ミニアルバムもフルアルバムと同じような思い入れで作ってきたので、そこにそんなに違いは感じていないですね。収録曲数が増えたのがアルバムっていう感じです。

── これまでのカネヨリマサルもそうでしたが、現時点での全部をまとめたアルバムになっていると思います。トータル11曲、バンドにとってはどういう作品になりましたか?

全曲リード曲って言えるくらい自信たっぷりの大好きなアルバムになりました。

── そして3月31日(金)からツアーが決まっていますよね。どんなツアーにしたいですか?

初めて行く場所もあるので、すごく楽しみなのと、東名阪はワンマンライブで大きな会場でやるので、また新たなチャレンジになるかなと思います。すごい気合が入ってます。やっぱり、先ほども言ったんですけど、大好きな曲が詰まったアルバムができたので、それをライブハウスで直接届けることができるというのが何よりうれしいですね。

Text:谷岡正浩 Photo:岩佐篤樹

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リリース情報

配信シングル「26」
配信中:https://dto30.lnk.to/kaneyorimasaru26

メジャー1st フルアルバム『わたしのノクターン』
2023年1月25日(水) 発売
■初回限定盤A(CD+Blu-ray): VIZL-2143 / 5,390円(税込)
■初回限定盤B(CD+DVD): VIZL-2144 / 4,730円(税込)
■通常盤(CD): VICL-65776 / 2,750円(税込)

【CD収録楽曲】
01. 息をしているよ
02. 二人(JR西日本 #青春まきもどし旅 タイアップソング)
03. さくら色(ヤマダデンキ【新生活キャンペーン「ヤマダならまるっと揃う」篇】CMソング)
04. ゲームオーバー
05. I was
06. ピアノのうた
07. 今年はもう君はいない
08. スーパームーン
09. 背中
10. 26
11. BOOK COVER
【Blu-ray / DVD 収録内容】
カネヨリマサル初のワンマンライブ「SAVE YOUR YOUTH」(2022.5.29 at 梅⽥CLUB QUATTRO)を80分超で収録!

ライブ情報

カネヨリマサル アルバムリリースパーティ 「あの日見た、おんなじ月を今」
2023年1月29日(日) 心斎橋 JANUS
共演:TETORA
2023年2月4日(土) 代官山 UNIT
共演:the shes gone
チケット代:前売3,500円/当日4,000円(入場時ドリンクが必要)
チケッ発売中:https://w.pia.jp/t/kaneyorimasaru-to/

カネヨリマサル 1stフルアルバムリリースツアー
2023いまを生きるツアー
3月31日(金) 北海道 Bessie Hall
4月8日(土) 仙台 enn2nd
4月15日(土) 新潟 CLUB RIVERST
4月16日(日) 金沢 GOLDCREEK
4月21日(金) 高松 DIME
4月23日(日) MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
4月30日(日) 恵比寿 LIQUIDROOM(ONE MAN)
5月5日(金・祝) 名古屋 CLUB QUATTRO(ONE MAN)
5月12日(金) 京都 MUSE
5月19日(金) 福岡 LIVEHOUSE CB
5月20日(土) 広島Live Space Reed
6月25日(日) 心斎橋 BIGCAT(ONE MAN)
※東名阪公演以外は対バンあり(詳細後報)
チケット:スタンディング(整理番号付き) 前売3,900円
チケット情報はこちら
そのほかの情報はこちら

プロフィール

カネヨリマサル
大阪を拠点に活動するガールズロックバンド。メンバーはいしはらめい(Ba&Cho)、ちとせみな(Vo&Gt)、もりもとさな(Dr&Cho)。2014年3月結成。2019年10月、ビクターエンタテインメント「Getting Better Records」×「TRUST RECORDS」による共同インディーズレーベル「D.T.O.30.」(DON‘T TRUST OVER 30.)よりミニアルバム『かけがえなくなりたい』を発売。2022年5月にはバンド初の東京・大阪ワンマンライブを開催し、両公演SOLD OUT!!!! そして2023年1月25日(水) 1st フルアルバム『わたしのノクターン』にてビクターエンタテインメントGetting Better Recordsよりメジャーデビュー。こころの動きに寄り添って、思ったことを演奏していく、日記みたいなバンド。

関連リンク

公式サイト:https://kaneyorimasaru.com/
Twitter:@kaneyorimasaru
Instagram:kaneyorimasaru
YouTube:https://www.youtube.com/@kaneyorimasaru
TikTok:kaneyorimasaru_official

番組概要

放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:PIA SONAR MUSIC FRIDAY
ナビゲーター:櫻井海音
放送日時:毎週金曜 22:30~23:00
番組HP:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarfriday/
番組twitter:https://twitter.com/SONAR_MUSIC_813
ハッシュタグ:#sonar813
番組LINEアカウント:http://lin.ee/H8QXCjW