入江たか子

華族の家に生まれる。1924年、日活京都撮影所へ。生来の気品と美貌で、トップスターにのぼりつめる。トーキーの時代に入り、一時期、その台詞回しを酷評されたりもするが、実力派としての演技を身につける。戦後は病気もあって低迷が続いたのち、「怪談佐賀屋敷」(1953)に出演、大当たりとなった。以後、同種の作品に出演が続き、“化け猫女優”のレッテルを貼られる。1958年、映画界を去るが、その後も黒澤明、市川崑、さらには大林宣彦といった諸監督に請われて出演、変わらぬ気品を披露した。