秋季展「細川家伝来・江戸の唐絵 特別展示・修理完成披露 黄庭堅「伏波神祠詩巻」(重要文化財)」
19/10/19(土)~19/12/8(日)
永青文庫
顧氏「咸陽宮図」 (明時代15世紀、前期展示、永青文庫蔵)
日本では古来、中国美術より多くの刺激を受けてきた。江戸時代にも、隠元が開山した萬福寺(京都府)が新しい文化のセンターとなり、江戸時代の画壇は沈南蘋ら来日した清時代の画家の作品から大きな影響を受けた。
熊本藩細川家8代藩主の斉茲(なりしげ)(1759~1835)は、国許の御抱絵師だけでなく江戸画壇の絵師にも絵画を制作させ、自らも絵を描くような美術趣味の強い大名だった。さらに明・清の中国絵画を積極的に収集したと考えられ、その収集作品の一部がいまも永青文庫に伝えられていることは、19世紀の大名家の絵画嗜好を探る上で貴重な事例である。
本展では、斉茲の生誕260年に合わせ、永青文庫所蔵の中国絵画を展示。江戸時代後期の大名家が求めた大幅の「唐絵」の数々をご覧いただきたい。
また昨年、永青文庫所蔵の黄庭堅「伏波神祠詩巻」(重要文化財)が、国・東京都・文京区の助成を得て3年にわたる修理を終え、美しくよみがえった。この修理完成を記念し、前期(10月19日~11月10日)限定でお披露目される。