MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影
19/11/16(土)~20/2/16(日)
東京都現代美術館

吉増剛造プロジェクト 「 MOT サテライト 2017 春 往来往来」2017 展示風景 Photo: Haruyuki Shirai [参考図版]
現代の表現の一側面を切り取り、問いかけや議論の始まりを引き出すグループ展、MOT アニュアル(※)。15 回目を数える本展では、イメージ、言語、歴史、素材など、すでにある世界と交感しつつ表現を紡ぐ作家たちとともに、「なぜ人は作るのか」という根源的な問いに向き合う。
コピー、ダビング、コラージュ、トレース、サンプリング、書写――。この展覧会で作家たちが用いる技術は、世界の残響(エコー)を聴きながら、それらを増幅させることに向けられている。新しい影を作るようなその営みによって、彼らは、自分ではないものや、ここにいない存在――他者――と共振し、時にその替わりとなり時に摩擦を起こしながら、多くの声が響き渡る空間を生み出していく。手を動かすこと、作ることから、「私」という限定的な存在を乗り越えていく作家たちの実践は、膨大な情報と物質に取り巻かれた私たちの生や社会を映し出しつつ、解放のための多くの示唆を与えてくれるはずだ。
※ MOT アニュアルは、1999 年の第1 回展以来、異なる文化や表現領域が混合する空間としての東京に拠点を置く東京都現代美術館ならではの視点から、日本の若手作家の作品を中心に、現代美術の一側面を切り取り、問いかけや議論のはじまりを引き出すグループ展。