【3月1日で閉幕】名作展「身体のありか 龍子の人体表現をめぐって」
19/12/21(土)~20/3/22(日)
大田区立龍子記念館
日本画家・川端龍子(かわばたりゅうし1885-1966)は、「健剛なる藝術」を主張し、それまでの日本画の常識を覆す大画面の作品を発表し続けた。その中には、実物よりもはるかに大きく描かれた人物を配した作品もあある。西洋美術に対抗できる人体表現の追求が日本画において必要であると述べていた龍子は、作品の人物の表現に仏教芸術の新解釈を試みていった。
本展では、造船所の職工を不動明王に見立て三尊形式で描いた《海洋を制するもの》(1936年)や、やわらかな曲線で豊満な女性の美を表した《山葡萄》(1933年)、《刺青》(1948年)、太平洋戦争末期、魚雷を突き進めていく三人の青年を金剛力士に見立てた《水雷神》(1944年)、孫たちに似せた二童子を不動明王とともに描いた《倣赤不動》(1946年)等を通して、仏教芸術の新解釈を目指した龍子の人体表現から、作品中に描かれた身体のありかを探る。