蒲原元展　Gen Kamohara Exhibition 2019　－絵空事－

時に清々しく、時に切なく、時に笑い出したくなる。
平凡な日々の一瞬一瞬を紡ぐように、自由に描かれた作品たち。そこからは、その日常を超えたストーリーが溢れ出し、私たちの心の隅々まで広がっていく。
二十代のころに単身フランスへと渡り、街を転々としながら絵を描き続けた蒲原元。海外のアートシーンを全身で吸収してきた彼の作品は、全力で絵画を楽しみたいという純粋なエネルギーに満ちている。キャンバスに広がる光いっぱいの情景は、スタイリッシュでありながらも、どこか詩情に溢れ、現実と幻想を行き来するかのような不思議な物語を感じさせるだろう。
ありきたりな型にとどまることを避け、世界へ飛び出した彼の奔放さが表れる作品は、日常に縛られた私たちの心をふっと解き放つだろう。私たちはどこかで、そんな「絵空事」を求めているのかもしれない。蒲原元が描く人生に必要な「絵空事」、楽しむことができる。