【3月31日まで休館】初春と蓬春 ―福を求め、描き、そして愛した吉祥の美―
20/2/8(土)~20/4/5(日)
山口蓬春記念館

私たちは日々の暮らしの中で花鳥や草木の命を慈しみ、パワースポットでもある風光明媚な場所を訪ねては、その地にまつわる縁起に心惹かれる。また、ときにラッキーアイテムとして思わず手に取りたくなるような吉祥由来のデザインを身に着け、無病息災や良縁など、幸せや福を求めて祈りを捧げる。
日本画家・山口蓬春(1893-1971)はその生涯において、自らと周りの人々の「福」を求めて生きた画家。若い頃も奈良や京都、熊野など霊験あらたかな地を巡り、その中の那智の滝を描くことで鮮烈な画壇デビューを果たした。また、戦後移り住んだ葉山の邸宅では木彫の狛犬が玄関を護り、家屋の北東には枇杷の樹を植えて鬼門を封じていた。新アトリエが完成した際も、年を越してあえて新年の吉日から使い始めるという具合。さらに、来客には吉祥文のあしらわれた貴重な器でおいしい料理を存分にふるまうなど、皆と幸せを分かち合った。
令和初の新春を迎える本展では、山口蓬春が描いた「福」を求める日本画ならびに収集した吉祥の美術を通じて幸せを感じていただければと思う。
※会期中に一部展示替えを予定。
※展示作品は都合により一部変更することあり。
前期:2月8日(土)~3月8日(日)
後期:3月10日(火)~4月5日(日)