ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ
20/6/2(火)~20/10/11(日)
国立国際美術館
[参考図版]ヤン・ヴォー《無題》2018 年 Courtesy the artist Photo by Nick Ash
国立国際美術館は、世界で最も注目を集めているアーティスト、ヤン・ヴォーの日本の美術館では初となる個展「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」(読み:ヤン・ヴォー)を開催する。 ヤン・ヴォーは1975年、ベトナム・バリアに生まれ、現在はメキシコ・シティを拠点に世界各地で活躍している。ヴォーは4才の時に、父親の手製のボートに乗って家族とともにベトナムから逃れる。海上でデンマークの船に救助され難民キャンプを経てデンマークに移住。コペンハーゲン王立美術学校、フランクフルト(ドイツ)のシュテーデル美術学校で学んだ。
ヤン・ヴォーは、彼自身の経験、家族の歴史、社会的あるいは政治的な歴史に彩られたレディ・メイドの物、写真や手紙などの蒐集品、また彼の周辺の大切な人たちの手によるものを取り込みながら作品化する。それらの作品を通じ、アイデンティティ、権力、歴史、覇権主義、エロティシズムといったテーマが直接的にあるいは比喩的に顕れ、鑑賞者にも一つの事物に対して異なる角度からの視線を持つことを誘う。
本展覧会は、世界的に活躍するアーティスト、ヤン・ヴォーの全貌を明らかにする、日本の美術館における待望の初個展で、同館のみの開催となる。ヴォーの師、父親、恋人、ミューズであるヴォーの甥等、ヴォーの周囲の大切な人たちによる作品や、ベトナム戦争を押し進めた米国防長官R.マクナマラの遺族との協働による作品など新作、近作を含め約40点余の作品を展示。ヴォーの卓越した選択眼、組み合わせの妙を存分に堪能いただける。またヴォーにより丹念に考え抜かれた展示空間への作品配置も見所である。