【閉幕】歌川広重 東海道五十三次
20/3/20(金)~20/4/21(火)
MOA美術館
保永堂版 東海道五十三次之内 日本橋 朝之景 江戸時代 天保4~5年(1833~34)
江戸時代、徳川幕府によって整備が進められた街道のうち、江戸と京都を結ぶ東海道は、参勤交代の大名行列や寺社巡礼の旅人などが往来し賑わった。特に江戸時代後期、旅が庶民にとって身近になり、『東海道名所図会』などの地誌や紀行文の盛行、滑稽本『東海道中膝栗毛』の大ヒットなどを背景に旅への関心が高まった。
天保4年(1833)、版元保永堂から刊行された歌川広重(1797〜1858)の「東海道五十三次」は大人気を博し、広重を浮世絵風景画家の第一人者に押し上げた。本シリーズは日本橋から京師(京都)にいたる東海道を宿場ごとに描いたもので、街道風景や旅人の様子を細かく描写するとともに、四季の変化や晴、雨、雪、霧、風などの気象の変化、時刻の変化等を巧みに画面に取り入れ、臨場感をもって深い旅情を表し、江戸庶民の旅への憧れをかきたてた。
本展では、広重の抒情的な風景版画の魅力を紹介する。