三好耕三 櫻 SAKURA
20/3/27(金)~20/7/15(水)
PGI

©Kozo Miyoshi
三好耕三は、1970年代に写真家としてのキャリアをスタートさせ、1981年から8×10インチ判の大型カメラでの撮影を始めた。
これまで数多くの作品を生み出してきた三好は、1980年代に「Innocents 天真爛漫」、「Picture Show 傍観」、「Conservatory 温室」、など日本人や日本の原風景を捉えた作品を発表した後、90年代には5年間、米国アリゾナ州ツーソンに滞在し、「Southwest」、「Chapel」、「CACTI」、「Airfield」、などの作品を発表、綿密な描写による独自の写真世界を広げていった。
2009年からは16×20インチの超大型カメラに持ち替え、旅の途上で出会う光景に、一会の傍観者として対峙するスタイルで、旅と撮影を続けている。
また「ROOTS
なかでも桜を追って日本を縦断するシリーズは、PGIでも10年ぶり3回目の展示となる。1998年からほぼ毎年、春になると桜前線とともに北上する旅が始まる。各地の桜を訪ね、気に入った桜を繰り返し撮影してきた。各地からたくさんの人が集まる桜もあれば、風景の中に、そこに住まう人の人生に寄り添うように佇む桜もある。
“何れ一つ一つの花びらは光の粒子になり、そっと寄り添い潜像する。それが私の写真事”
風景と対峙し、ただひたすら傍観者として撮るスタイルを続けている作者にとって、写真とは、「フィルムがあり、レンズがあり、暗室で印画紙に焼き付ける」ことであり、撮影し暗室に持ち帰り写真にすることこそが、何百年も毎年咲いては散る桜花との対峙であり、畏敬の表現でもあり、また作者自身の大きな喜びでもある。
16×20インチの大型カメラで撮影された、モノクロームコンタクトプリント約30点を展示する。