企画展 詩書画に遊ぶ―幕末・明治の文人画―
20/3/21(土)~20/6/28(日)
堺市博物館
「湖山柳景図」貫名海屋筆 同館蔵
堺市博物館は、堺市に在住した書家・書道史研究家、山下是臣(1891~1986)の蒐集になる書画のコレクションを所蔵している。本展ではこの山下コレクションから、儒者・詩人であり、すぐれた書画を残した文人、貫名海屋(ぬきな かいおく 晩年の号は菘翁 1778~1863)の絵画を紹介。詩を視覚的に表現した海屋の絵画の世界を覗いてみる。
海屋の学問や人柄、制作した詩書画は、後進に尊崇され、大きな影響を与えた。本展では、海屋の次世代による書画もあわせて展示し、彼らが思いを寄せた詩書画の理想郷を追体験してみる。
・「文人」とは?
文事に秀でた教養ある人を表す言葉で、東洋的な知識人のあり方を示している。日本では江戸時代に、中国大陸の文人に憧れて自らも文人意識を持つ人たちが登場した。彼らは、いわゆる「俗世間」に心を惑わされることを嫌い、漢詩文など古典文学のなかに理想の境地を求めた。そして、自らも詩を作ってそれを書し、また、詩の世界を絵に描いてその思いを表現した。