歌川広重展 ー東海道五拾三次と雪月花 叙情の世界ー
20/7/4(土)~20/8/30(日)
佐川美術館
≪東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景≫1833年頃
浮世絵風景画でその名を馳せた歌川広重(1797-1858)。広重の手がけた名所絵や道中絵といった風景画は、単にその土地の景観を描いたものではなく、その土地の風俗、天候や移りゆく四季折々の自然や風物を詩情豊かに謳いあげている。そこには自然の風景や橋、宿や茶屋などの事物のみならず、人々の営みや大名行列などの人物も描かれ、日本各地をめぐる旅の楽しさが見る者に伝わる。広重が"漂泊の詩人"とも評される所以だ。
また、印象派をはじめとする西洋の画家たちにも影響を与え、広重の作品を模写することもあった。広重は言わば、世界を魅了した浮世絵師なのだ。
本展では、名作《東海道五拾三次》(保永堂版)などの風景画はもちろん、花鳥画、戯画、さらには卓抜した描写力をうかがわせる肉筆画に至るまで様々なジャンルを通して、広重の浮世絵ワールドを紹介する。