企画展「紀伊田辺の画家 真砂幽泉」
20/6/13(土)~20/7/12(日)
和歌山県立博物館
真砂幽泉(友親、1770~1835)は、江戸時代に田辺領三栖組(田辺市)の大庄屋の家に生まれた。絵を好み勉強に励んだ幽泉は、その技術が認められて紀伊藩主に絵を献上するなどし、大庄屋役を免じられた晩年には本格的に画師として活動している。
幽泉は公務の傍ら京都へ赴いたり通信教育を受けたりして作画にいそしんだ。注目すべきは、その学習過程を伝える膨大な資料が真砂家で受け継がれていることだ。中でも、同館に寄託されている約600点にのぼる下絵・絵手本類は質量ともに重要で、同館では平成30年より、4名の研究者と共同で調査を進めてきた。本展は、昭和48年に同館で、また平成21年に田辺市立美術館で開催された真砂幽泉展の研究成果を受け継ぎつつ、2年間にわたり取り組み、今なお継続している共同調査の中間報告となるものだ。絵画制作の舞台裏が垣間見える興味深い作品をお楽しみいただけますと幸いである。