山本竜基展
20/7/22(水)~20/8/22(土)
ミヅマアートギャラリー
山本竜基《おかんと戦争》2019 キャンバスにアクリル 260.1×260.6cm 撮影:宮島径 ©YAMAMOTO Ryuki Courtesy Mizuma Art Gallery
様々な手法を用いて徹底的に自画像を描き続けてきた山本は、自画像のみを用いて森羅万象を描く試みを続けている。
本展はミヅマアートギャラリーでの6年ぶりの個展。山本は自らの半径3メートル以内の日常の出来事をきっかけに着想を得ると言う。2014年の個展ののちにインドネシアのジョグジャカルタでの滞在制作を経験した山本は、次第に自分の目に映る周囲の人々を帰納法的な自画像として描くことが増えてきた。本展ではいくつかの他者像の形式を取った作品も発表する。山本にとっては例外的な他者像として、これまでにも何度か描いてきた対象が母親。大作《おかんと戦争》では、若かりし姿の母親が、女性の象徴としてキャンバスの中央に大きく描かれている。仏に取り巻かれ、宇宙の中心で微笑む母親の周囲には、戦闘機や学生服姿の山本たちが所狭しと飛びまわり、戦いを繰り返している。多様性を求め、あらゆる局面で競争と淘汰を繰り返す性と生。《おかんと戦争》では、その磁力的な混沌と躍動が形作るこの世界が描かれる。
超個人的に記号化された世界表現は、その立場や役割が置き換え可能であるがゆえに普遍性を持つ。山本がこの6年間取り組んできた自画像表現を展観する。