グループ展「Tokyo 2020 Summer」
20/8/1(土)~20/9/19(土)
西村画廊

舟越桂、押江千衣子、小林孝亘、指田菜穂子、曽谷朝絵、町田久美、三沢厚彦の最新作によるグループ展“Tokyo 2020 Summer”を開催する。
舟越桂は、2003年より継続的に取り組んでいるスフィンクス・シリーズの新作《スフィンクスには何を問うか?》を出品する。草食動物を思わせる知的で柔らかな眼差しが印象的なこの彫刻は、4年振りのスフィンクス像となる。
押江千衣子は、15年振りとなるヌードのデッサン数点と新作ペインティングを出品する。
小林孝亘は、器を描いた“Vessel”のシリーズを7点出品する。食事の痕跡がない、「見た人がイメージしたものを、何でものせることができる」普遍的で象徴的な器は、小林が好む主題の一つである。同回の展示では、異なる色味を持つ7点の器が、並置されることで相互に影響し合い、絶妙な調和を織り成す。
指田菜穂子は、連作「日本文学大全集」の最新作を5点出品する。1901年から1925年を対象に、ある小説の登場人物を題名に用い、その小説が発表された「年」を主題とするこの連作は、その年に生まれたあらゆるイメージを集め当時の世相を表現することによって、書架に並んだ文学全集のように、集積された時間・時代を可視化する、という意図の下に制作されている。
曽谷朝絵は、自身の母親(曽谷晴子)の俳句から着想して描いたドローイング10点を発表する。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の最中に制作したこれらの作品について、曽谷は、「この状況下でこそ改めて見えてきた大事な人への想いや、見過ごしていたコンテンツを形にしようと『母の詠んだ俳句10句に絵を描く』というプロジェクトを始めた。東日本大震災をきっかけに俳句を始めた母の句は日常の輝きを素直に掬っていて、つられて私の絵もやけに素直になった。図らずも二つの災害を機に生まれたこのプロジェクトを、失なわれた日常へのラブレターを書くように、回復への祈りを込めて進めていこうと思う」と語っている。
町田久美は、最低限の墨線と着色から成る従来の作風から離れた、現実から乖離した白昼夢のような光景を描いたペインティングを始め、オイルパステル等で色鮮やかに彩色したドローイング10数点を展示する。
三沢厚彦は、ライフワークである《ANIMALS》シリーズから、白クマとウサギの彫刻を出品する。三沢が抱く「動物」に対するリアリティを形象化した《ANIMALS》のシンボリックなイメージは、そのまま我々が「動物」に対して持つリアリティとも重なり、それゆえ普遍性の高い魅力を放つ。この他、ペインティングも数点出品する。