モノとコトとカラダをめぐって-6つの視点
20/9/5(土)~20/10/4(日)
MEM
「もの」と「こと」は、日本語での思考をかたちづくる重要な概念だと言われている。美術作品もまた、このふたつの言葉を巡ってつくられるものだと言っても過言ではない。「もの」は「空間のある部分を占め、人間の感覚でとらえることのできる形をもつ対象」、「こと」は、「思考・意識の対象となるものや、現象・行為・性質など抽象的なものをさす語」と辞書にはある。日本語では、「物」「者」、「事」「言」とそれぞれ漢字を当て嵌めることで、さまざまな意味が関連しあい、深い思索の森が広がっていく。
ここに「からだ」という言葉を付け加えてみる。するとまたあたらしい枝葉がのびるように、立ち現れてくる風景がある。「もの」と「こと」の間を往復しながら紡がれていく作品。そして、そのまにまに浮かび上がる「からだ」。これらのことばをキーワードに作品を読み解く試みである。