マンガで語る古代大和Ⅲ 持統天皇をめぐる物語
20/10/3(土)~20/11/29(日)
奈良県立万葉文化館

万葉文化館では一昨年、昨年と「マンガで語る古代大和」と題した一連の展覧会を開催し、長年の研究を経て2015年についに完結となった里中満智子先生の『天上の虹』〈全23巻〉の原稿と、関連する歴史・考古学・文学資料を解説として紹介してきた。3年目となる今回は、『天上の虹』の主人公 鸕野讃良皇女(後の持統天皇)の事績を里中満智子先生の原稿を交えながら俯瞰的に紹介するとともに、持統天皇という人物が歴史上どのようなイメージで語られていたのかも検討する。持統天皇は藤原京の造営など多くの事績がある一方で、その人物評価にも多様なものがある。持統天皇の事績を紹介するだけでなく、そうした多様な持統天皇像を検討することで、『天上の虹』という作品で描かれた持統天皇像への理解をより深めることができるだろう。
また、『天上の虹』の終盤では、『日本書紀』の編纂に関するエピソードが描かれている。本年は『日本書紀』編纂1300年の記念の年でもあるため、『天上の虹』に描かれたエピソードと関連する形で『日本書紀』の編纂およびその受容とイメージの形成に関する紹介も行う。