北海道と川上澄生 北の大地での収穫 展
20/10/3(土)~20/11/29(日)
鹿沼市立川上澄生美術館
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1945(昭和20)年の春、川上澄生とその家族は、太平洋戦争の戦火を避けるために、住み慣れた宇都宮を離れ、妻の実家がある北海道の安平村(現 安平町)追分へ向かった。その後、一家で白老村(現 白老町)へ移り、1949(昭和24)年1月初めまで、およそ3年間にわたり、この地で暮らしている。
北海道では、白老村と勤務先の苫小牧町(現 苫小牧市)を汽車で往復する毎日を送り、車窓から見える雄大な樽前山や、サイロのある牧場の風景が作品の主題となっていく。また、『あいのもしり』、『えぞがしま』などの私刊本制作のほか、『北方風物』や『羊蹄』など、出版物の装幀や挿画の仕事を精力的に取り組んでいるのも、この時代の創作活動の特長だ。
その後、宇都宮へ戻ってからも、川上は時折北海道を訪れては、当時知り合った仲間たちと親交を温め、さらに取材に基づいた北海道をテーマとした作品を制作し続けた。
本展は、川上の北海道時代に着目し、新たに収蔵した作品や資料を交え、そこでの暮らしからどのような収穫を得たのかを紹介するものである。