わたしたちの”へっぽこ先生”　宇都宮中学校・宇都宮女子高等学校　教師時代の川上澄生

版画家・川上澄生（かわかみすみお、1895-1972）は、1921（大正10）年に26歳で栃木県立宇都宮中学校（現・宇都宮高等学校）に英語教師として赴任する。澄生は自らを「へっぽこ先生」と称し、日中は英語教師として勤務するかたわら、版画制作を行っていた。
その後、澄生は1942（昭和17）年に宇都宮中学校を退職するが、1945-48年には北海道庁苫小牧中学校（現・北海道苫小牧東高等学校）に、1949-58年には栃木県立宇都宮女子高等学校に、同じく英語教師として勤務した。
このように教師として勤務していくなかで、澄生は学校生活を主題にした作品制作に加えて、生徒や教職員との交流のなかで生まれた版画誌『刀（とう）』や『鈍刀（どんとう）』の創刊、学校の校章デザインや図書資料の装幀など、幅広い活動を行っていった。
本展は、教師生活のなかでも、特に大部分の期間を占める宇都宮中学校・宇都宮女子高等学校の勤務時代に焦点を当て、学校にまつわる作品を紹介する。