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「内藤礼」展

20/11/27(金)~20/12/26(土)

タカ・イシイギャラリー東京

同展で発表される《color beginning》は、紙に赤の色鉛筆で描いたシリーズ《namenlos/Licht》(1993年~)の流れを汲んで2005年から始まり、色彩の新たな発見から始まった絵画シリーズ《無題》(2006年~)との繋がりをもつ作品でもある。生気の顕われである色彩は、絵画が受けとめる光によって、奥行きをこえて自由にキャンバスそのものの手前と奥を行き来する。鑑賞する私たちの視線もまた、顕われては消え、消えては顕われる色彩に導かれるように移ろいながら、心を通して光と色彩、生とが一体となり顕われる経験をする。それは、人間の初動である驚きを持った純粋な発見、生の外と内とを行き来する体験でもある。こうした作品における生の外と内の境界は、近年さらにささやかで分かちがたいものとなり、絵画が内包する矩形や物質性といった枠組みを軽やかに越えて、作品自体がその限られた定義から解き放たれていくようだ。
生の外と内をめぐる自由で純粋な連続性は、ギャラリーの窓から差し込む光により、刻々と変化する空間作品(インスタレーション)ひとつひとつへとひろがる。それらの作品は、世界には私たちに打ち明けられることのない秘密、眺めていない束の間に存在する生の瞬間が確かに在ることを、ただそこに在ることで示している。空から空間に流れ込む陽光を映しながら、その変容をひたすら見つめ、生の顕われをじっと待つ作品群もまた、訪れる人たちとともに、六本木という都市の隙間で生滅の連なりをあらわす情景となる。
世界、存在、生、空間、時間、太陽、空との対話、つくることの意味、人間の初動を見つめ続ける作家によって、どのような光景が顕われてくるのか楽しめる。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

12:00~18:00
日・月・祝休み

料金

無料

出品作家

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