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川田喜久治「エンドレス マップ」

21/1/20(水)~21/3/13(土)

PGI

川田喜久治は、1956年の『週刊新潮』創刊からグラビア撮影を担当し、その後フリーランスとして60年以上写真を撮り続けている。メタファーに満ちた作品「地図」(1965年)や、天体気象現象と地上の出来事を混成した黙示録的な作品「ラスト・コスモロジー」(1996年)、都市に現れる現象をテーマにした「Last Things」(2016年)など、常に意欲的な作品を今なお発表し続けており、日本のみならず世界でも高い評価を受ける日本を代表する写真家の一人である。
1965年に刊行されたデビュー写真集「地図」はセンセーショナルな驚きとともに、川田喜久治の評価を決定的なものにした。原爆ドームの天井や壁のシミと、戦後20年の復興、経済成長を象徴する「都市で拾い集められた時代の」オブジェを繰り返し見せることで、敗戦という歴史の記憶を記号化した。
写真集はその後、2005年に月曜社とナツラエリプレス(アメリカ)から新装本として、2014年にはアキオナガサワパブリッシングより復刻版が出版されている。
一方プリントとしての「地図」は、写真集に先立って1961年に富士フォトサロンで、1974年には「New Japanese Photography」展(ニューヨーク近代美術館)で展示された。その後もさまざまな美術館やギャラリーでセレクションを変え展示されたが、2014年にはロンドンのテート・モダンにてプラチナパラジウムプリントによる屏風や、銀塩の大型作品とともに完全版が展示された。
2004年にプラチナパラジウムプリントによる地図を発表、銀塩と異なるその独特な表情はまた一つ別の寓話となって立ち上がり、川田はこの時、「しみのイリュージョン」というテキストの中で「写真は時には現実以外のものを隠しきれないほど写し込んでいます。この新しいリアリティはさらに想像的なイメージへと働きかけ、イリュージョンとしての未知の知覚がとってかわる。」と書いている。
1998年からインクジェットによる作品制作を続けているが、昨年より、「地図」を和紙にプリントすることを始めた。自身の処女作への終わりなき探究心は驚くべきものがある。過去のトリミングを放棄し、つまびらかになったイメージ。デジタルにより銀塩では再現し得なかった情報が露わになっている。
同展では、これらのプリントから約30点を展示。新たな表現を獲得した「地図」を楽しめる。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00~18:00
日・祝休み

料金

無料

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