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マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在

21/3/20(土)~21/6/22(火)

東京都現代美術館

東京都現代美術館では、現代のアートシーンに独自の位置を占める作家、マーク・マンダースの、国内美術館では初となる個展を開催する。
マンダースは、1968年オランダのフォルケル生まれ。現在はベルギーのロンセにスタジオを構えている。1986年、18歳のときに、自伝執筆の試みを契機に得たと言う「建物としての自画像」という構想に沿って、以降30年以上にわたって一貫した制作を続けている。その構想とは、自身が架空の芸術家として名付けた、「マーク・マンダース」という人物の自画像を「建物」の枠組みを用いて構築するというもの。その建物の部屋に置くための彫刻やオブジェを次々と生み出しインスタレーションとして展開することで、作品の配置全体によって人の像を構築するという、きわめて大きな、そしてユニークな枠組みをもつ世界を展開している。この虚構的な枠組みをベースとして類のないビジョンを示す独創的な作品世界は、彫刻の概念を掘り下げる個々の作品の質とあいまって、世界的に高い評価を受けてきた。本展は、作家本人の構想により、展示の全体を一つの作品=想像の建物のインスタレ―ションとして構成するもの。
個々の作品は、過去の美術史や私的な記憶に基づくイメージ、彫像や言葉、家具など様々なオブジェの組み合わせからなり、見る者に複雑な感情や時間感覚、思索と内省の機会を与える。これらは独立した作品として十分に魅力的だが、この大きな枠組においてみれば、また新たな表情で私たちを捉えるだろう。作品はすべてこの架空の建物の一部をなすものとして現れ、作家であるマンダース本人と架空の芸術家マンダースの自画像とが混交しながら消失・生起し、見る者を虚実の空間へと誘う。一方、個々の作品には互換性があり、それぞれは単語のように部屋や構成に従って置き換わることが可能と言う。それによって、この想像の建物全体は、いわば一つの自動的な装置のように不断に改変され、更新されていくことになるのだ。タイトルにある「不在(Absence)」は、インスタレーションに見られる時間が凍結したような感覚や静寂、既に立ち去った人の痕跡、作家本人と架空の芸術家との間で明滅する主体など、マンダース作品全体の鍵語として複数の意味を担うものだが、それはまたこの建物が作家の不在においても作品として自律的に存在し続けるものの謂いでもあるだろう。マンダースの世界は、その中に入る私たちを魅了しつつ、芸術の意味について、想像力や人の生の経験と時間について、あらためて考えることを促すのだ。
今回の個展は、このような独特な構造を持つマーク・マンダースの作品を十分に堪能できるきわめて貴重な機会。ぜひ感覚を研ぎ澄まして、じっくりとその世界に触れていただければ幸いである。

開催情報

ジャンル
美術館

10:00〜18:00、月曜日(5月3日は開館)、5月6日休館

※6月1日から日付指定事前予約制
※入館は閉館の30分前まで

料金

当日一般1500円、大学生・専門学校生・65歳以上1000円、中高生600円、小学生以下無料

※本展のチケットでMOTコレクションもご覧いただけます。
※小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料になります。
※予約優先チケットあり

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