浜口陽三 ―闇と色彩の戯れ―
21/4/1(木)~21/5/23(日)
千葉県立美術館

浜口陽三《さくらんぼと青い鉢》1976年
浜口陽三(1909(明治42)〜2000(平成12)年)は、和歌山県に生まれ、少年期を千葉県銚子市で過ごした版画家。彼は、もはや忘れられた版画技法だったメゾチントを現代によみがえらせ、カラー・メゾチントという新たな技法を開拓した。
東京美術学校彫刻科に入学するも、梅原龍三郎の助言により中退した浜口は、以降生涯の大半をパリやサンフランシスコなど海外で過ごす。1957(昭和32)年のサンパウロ・ビエンナーレでは版画大賞を受賞、その後も数々の国際美術展に参加し、世界的に名声を高めた。
暗闇の中、ほんのりと淡い光で照らし出されたようなメゾチント特有の表現によって、彼が生み出すさくらんぼやレモン、てんとう虫や蝶たちは、どこか静謐な幻想性を帯びている。梅原龍三郎や柳原義達など、浜口にゆかりのある作家の作品と併せて、浜口の版画世界を紹介する。