Street Photography Exhibition 「町へ出よう！」

須田一政「網膜直結指先目カメラ」

禅フォトギャラリーは、6月1日から6月25日まで「町へ出よう！」と題し、8人の写真家によるモノクロームのストリート・スナップのグループ展を開催する。昨年からの新型コロナウイルス感染拡大により、私たちの生活環境は一変し、感染防止のための自粛生活をいまだに強いられている。しかし、パンデミック下の不自由さを通じ、私たちが外界との直接的な接触をこれまでいかに無自覚に享受していたかを知ることにもなった。折しも東京においては緊急事態宣言が解除され、少しずつ手探りで現実世界に向けて行動を再開し始めた現在の状況には、実感の手応えを求める人間の本能的な行動原理が見てとれる。スナップショットという手法を用い、町へ出て現実世界のイメージを切り取る写真家の行動にもそれは通底していると言えるだろう。今回はそういった今の視点から既出の作品を見直し、新たに選出・構成したスナップショットの作品群を展示する。この展覧会が作品を見る側、見せる側、双方におけるエンパワーメントとなりますように、ぜひご高覧いただきたい。

※会期を下記の日程に分け、それぞれの作家の作品を展示する。
前期（6/1-6/11）：須田一政「網膜直結指先目カメラ」、田中長徳「Panoramic Photography Europe 1975」、有元伸也「Tokyo Circulation」、ジョン・サイパル「随写」
後期（6/15-25）：土田ヒロミ「自閉空間」、西村多美子「続」、中藤毅彦「White Noise」、原田直宏「泳ぐ身体」