フォトグラフィック・ディスタンス -不鮮明画像と連続階調にみる私と世界との距離-
21/7/17(土)~21/9/5(日)
栃木県立美術館

山中信夫 《B&Wコンタクト・ピンホール(9)》 1973年
1970年代、写真製版を用いた網点ドットによるボケ画像は、低質の写真を拡大する技術的方便の一つととらえられてきた。
その不鮮明画像は高精細で巨大フォーマットの写真の出現によって淘汰された。
現代美術から放逐されたかにみえる写真製版などによる版画と高精細の写真プリント、さらには写真のような絵画と版画による三様のマチエールを比較することによって、デジタル時代における不鮮明画像の新たな美的価値を確認するとともに、写真固有の連続階調の意義を再考する。