浜田知明 アイロニーとユーモア
21/12/11(土)~22/2/6(日)
茅ヶ崎市美術館
浜田知明(1917-2018年)は戦後日本を代表する版画家、彫刻家。自身の過酷な戦争体験をもとにした『初年兵哀歌』シリーズによって一躍注目を集めるが、次第に社会のみならず、人間、自分自身へとモティーフの対象を広げてゆき、多岐にわたった版画を発表した。時代に向きあいながら痛烈な皮肉とユーモアの精神で捉えあげた表現は国内外で高く評価され、わが国の現代版画に多大な影響を及ぼす。1983年以降彫刻を手掛けるようになり、2000年を最後に版画制作から離れてゆきますが、晩年にいたるまでその創作意欲は衰えなかった。
茅ヶ崎市美術館は2002年に『初年兵哀歌』シリーズをはじめとした1950年代から1980年代までの浜田知明の版画56点をご寄贈いただいた。本展覧会は同版画コレクションを大規模に紹介する初の機会。さらに、神奈川県立近代美術館より特別にお借りした、ヨーロッパ滞在をもとに制作された作品、1990年以降の作品をあわせて展示し、創作の軌跡をたどる。様々な危機感でおおわれた現在、浜田知明の深く豊かな表現に、わたしたちは様々な思いを馳せることとなるだろう。