山本大貴 -Dignity of Realism-
22/1/25(火)~22/3/21(月)
千葉県立美術館
《Standing Figure(feat.IKEUCHI Hiroto)》 2020 年、162.0×112.0 cm、個人蔵
千葉市出身の山本大貴(やまもと・ひろき 1982年生まれ)は、次代の写実絵画を担う画家として、最も注目を集める画家の一人。
山本は武蔵野美術大学で油彩の古典技法を学び、初期から⼀貫して写実表現を追求している。映画を撮ることにもなぞらえるように、脚本を構想し、人物のポーズ、衣装、調度品などの小道具、全体の配置、照明等を細部まで計算して演出し、油絵というフィルムで何百年も鑑賞できる作品を制作しているのだ、と山本は言う。写真と見紛うばかりに睫毛の一本、指先の動きひとつまで緻密に描き込んだ作品は、独特な質感を持つ。
クラシックで優雅なドレスを纏い、重厚な調度の中に身を置く女性。近未来的で精巧なデバイスを装着して、鋭い視線を投げかける女性。山本の描く人物は、どこか近寄りがたい品格を漂わせ、謎めいたストーリーを感じさせる。山本が目指すのは、現代に生きる写実絵画だ。アニメーションやゲームなどのポップカルチャーに慣れ親しんだ1980年代生まれならではの感性で、従来の写実絵画の枠組みを拡張している。
本展では、学生時代の作品から最新作まで、山本の代表作約40点を展示。これまでの画業を振り返ると共に、今後の展望を見据える展示構成となる。